断片日記

断片と告知

コロナの春 4月5日から4月11日

4月5日金曜日

曇り。玉ねぎ人参セロリひき肉のミートソースパスタ。Sは往来座へ。文章書き、少し進む。夜、往来座へ。KOさん、asさん、ru先輩、miくん、uちゃん。缶ビール、お茶割り。またエアコンの調子が悪く、店の奥で工事業者が作業している。4月に転職したばかりのasさんに映画「櫻の園」のDVD借りる。漫画より好きとのこと。来年の名画座手帳の帯依頼用の写真撮影。編集部4人に衣装を身につけてもらい、店の奥で写真を撮る。いくつかパターンを撮り、私服でも撮影。なかなかの出来。終えて、法明寺で桜を見つつ、鬼子母神停留所までKOさんを送る。弦巻通りのまいばすけっとで買い物。お茶割り飲みつつ帰る。家に着いてからトイレットペーパーを買い忘れたことに気づき、Sがミニストップまで買いに行く。どうせすぐなくなるから、と8ロール入った袋を3つさげて戻る。夕飯は、まいばすで買った冷凍のシュウマイ、玉ねぎれんこんベーコンにシチューの素の野菜を入れたシチュー。「不適切にもほどがある」続き見る。これ春子さんだ、アキちゃんが困ってたときに助けに来た春子さんだ、と言いながらSが号泣している。あまちゃんだったんだ、と言いながら風呂場でも泣いている。S家泊。

 

4月6日土曜日

曇り。玉ねぎ人参ジャガイモ豚肉のカレー、ルーはバーモントカレーの中辛。あちこちオードリー、見る。永野さん。ツッコミはテレビの枠におさめる役。Sは往来座へ。文章書き、終わらず。夜、通称雄幸公園に桜を見に行くと、満開なのに去年と様子が違う。こんなに空がすかすかだったかと公園内で見渡すと、桜の枝もけやきの枝も太いところからぱっつり切られている。KOさんたちと法明寺に行ったさい、最近の切り方は愛がないよね、と言っていたことを思い出す。枝ぶりや木のためでなく、邪魔だから切る、に全振りしているように思える。日比谷公園神宮外苑もそれ以外の公園や街路樹もベンチもひともすべてに優しくない。雑司ヶ谷公園で桜を見、K会長に帳簿を戻し、M家で母が作った鳥のトマト煮をもらい、往来座へ。お茶割り。コロナの後遺症で不眠症になった、昨日一睡もしてないもん、とn。早々に片付けて帰る。夕飯は、母にもらった手羽元のトマト煮、ごぼう汁。Sはミックスビーンズも食べている。麦チョコを少し。72時間の「国道4号線 ドライブインは眠らない」を見る。福島の24時間営業のドライブイン。食堂のほかサウナと風呂もある。「不適切にもほどがある」続き見る。むっち先輩が出るたびに、むっち先輩だ、と言いながらSが笑う。S家泊。

 

4月7日日曜日

雨、晴れ。玉ねぎ舞茸ブロッコリーベーコンのパスタ。お笑い向上委員会、見る。永野さん、いろいろふっきれててすごい。Sは往来座へ。昼過ぎ、M家に寄り花見の支度をしてから高田のスーパーよしやで買い物、神田川沿いを歩いて早稲田停留所まで。神田川沿いの桜は満開ですごいひと。KAさんが缶ビールを飲んでいるのを見、うらやましくなり近くのセブンイレブンに買いに行く。お茶割りを買い飲みながら戻ると、ru先輩、miちゃん、uちゃん。早稲田大学の講堂前で新入生と父兄らしき人たちの撮影会。早稲田高等学院と立て札にある。セブンイレブンで酒とつまみを買い足し、戸山公園へ。公園も箱根山もすごいひと。日曜で晴れてて暖かくて10年に一度あるかないかの花見日和。箱根山の裏手にいい感じの地面を見つけ、シートを敷き、つまみを並べる。石田衣良サラダ、いちご、セブンの野菜ステック、ブロッコリーとタコの和物、崎陽軒のシュウマイ、お稲荷さん、カルパス、青森土産の珍味なかよし、スパークリングワイン、赤ワイン。みな、最高だねー、いい日だねー、と言いながら飲みつまむ。トランプ欲が高まり、公衆便所に行くついでにセブンイレブンを見にいくが置いておらず。三朝庵だったところのファミマにも行くがここにもない。明治通りドン・キホーテまで行きやっとトランプを見つける。どこのコンビニもドンキも店員は外国の人ばかり、トランプ置いてますか、とたずねると、トランプが通じず、札を切る手付きをしてやっと、カード?と通じる。みなインカムでどこかにたずねたり、ベテランに聞いてくれたりと、一緒にじたばたしてくれる。箱根山に戻るとHっちの姿、折りたたみ椅子に座って飲んでいる。みなで大貧民大会。8切りと同じマーク4枚で革命あり、8と2とジョーカーあがりは負け、と説明。目まぐるしく貧民と富豪が入れ替わり、楽しい。風もないのでトランプも飛ばず。Hっちの新刊『観光地ぶらり』。途中でHっちが帰り、HIさん、ZA先輩がやって来、真っ暗ななか明かりのしたにシートを移動させ夜9時近くまで大貧民を続ける。片付けて三朝庵のファミマでチョコモナカジャンボを買い、みなで食べながら早稲田停留所まで。KAさん、miちゃんは都電で帰り、高田雑司ヶ谷組は、神田川沿いの桜を見つつ、ZA先輩のアパートをしたから眺め、歩いて帰る。ローソンで買い物し、S家に帰る。微妙に腹が空いたので、ローソンで買った酸辣湯麺カップラーメンを食べる。しばらくしてSが帰り、コンビニで買ったなにかを食べている。「不適切にもほどがある」最終回見るも飲みすぎて途中で寝落ち。Sは最後まで見ている。S家泊。

 

4月8日月曜日

曇り。玉ねぎ人参ミックスビーンズ豚肉のカレー、ルーはバーモントカレー中辛。さまチャン、見る。Sは往来座へ。昨晩寝落ちした「不適切にもほどがある」最後まで見る。勢いが途中で失速した感あり。文章書き、終わらず。夜、三省堂書店でピスケンさんの雑司ヶ谷小説が載っている雑誌『スピン』を買い、往来座へ。saさん。お茶割り。閉店後、S、n、saさんと、変わったラーメンを食べに行く試み、アド麺チャーへ。西武百貨店前にある元祖めんたい煮込みつけ麺屋へ行く。ビルの1階に喫茶ルノアールが出来ていて驚く。めんたいつけ麺屋は2階、4人席で瓶ビール、めんたい煮込みつけ麺。食べ終わり外に出、ファミマでチョコモナカジャンボを買い、食べながら感想を言い合う。780円ならまた行く、明太子の量が少ない、麺はおいしい、ルイボスティーもいい、店がきれい、店員がしっかりしている、愛がない、など。明治通りをぶつぶつ言いながら雑司ヶ谷に帰る。ピスケンさんの小説読んで寝る。M家泊。

 

4月9日火曜日

雨。納豆ご飯。母が親戚のMさんちから手紙を持ち帰る。4〜5歳のわたしがMさん宛てに出した手紙やハガキで、Mさんの結婚式や夏休みに行った山中湖のことなど絵と文章で報告している。ドレスを着た女の子の絵。宛名の部分は父の字で、お父さんは字がうまかったから、と母がうれしそうに言う。食堂アルバイトへ。忙しいが体が忙しさに慣れる。売り上げ最高記録を更新する。終えて銀行で振込してからS家へ。Sは休日、Yくんとビリヤードへ。メール書き、文章書き。夜、池袋の西口へ。先日、吉田類の酒場放浪記で見た飲み屋大門へ。ふくろの向かいの地下の店。何度も前を通っているはずだがはじめて入る。生ビールを飲んでいると、ビリヤードを終えたSとYくんがやって来る。刺し身5種盛り、枝豆、ポテサラ、焼き鳥盛り合わせ、玉ねぎカレー揚げ、白モツ味噌炒め、焼きうどん。遅くなった理由は、と言いながら今日の戦績が書かれた手帳をSが見せてくる。めずらしく接戦。今日はぜんぜんダメだった、と不調のYくん。隣りのテーブルではサイボーグみたいにうまいひとがついていたそう。Yくんちの長男Rくんは4月から小学生。毎朝はりきって朝6時に起きている。新入生は11人で全員移住組、地元民はひとりもいないとのこと。ふきのとうがぶわーっと出て、そのままだとすぐ黒くなるからふき味噌にして持ってこようと思ってたのに忘れた、とYくん。タクシーで帰るYくんを見送ってから帰る。M家泊。

 

4月10日水曜日

晴れ。暖かい。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。忙しい。終えて三省堂書店で『数字であそぼ。』11巻を買う。ジュンク堂前の交差点は春の交通安全週間で、あちこちに警察の姿。電動バイクやバイク、自転車が止められなにか言われている。雑司ヶ谷霊園を抜けると、真ん中の元花屋だった場所が工事中、合同埋葬墓になると立て看板にある。S家へ。夕方、Sと歩いて高田のスーパーよしやへ。つまみを買っているとZA先輩、Hっちがやって来る。つまみ、酒を買い、缶ビールを飲みつつ神田川沿いの花見。こないだと違い、ほとんどひとが歩いていない、が、すれ違うひとがみな派手なユーチューバーみたいな格好をしている。神田川沿いの新宿区と豊島区の飛び地。神田川の川臭さに、懐かしいですね、とHっち。ZA先輩が神田川ベーカリーにパンを買いに行っているあいだに、ZA先輩の家にあがる。赤ワイン、人参セロリの味噌マヨステック、フライドポテト、まい泉かつサンド、腰塚のコンビーフ、いちご、もらったれんこん挟み揚げ、もらったクリームコロッケ、ポテトチップス、チーズいろいろ。部屋の真ん中に緑のヘビのおもちゃが置いてあり、これのおかげで網戸がなくてもゴキブリもネズミも入って来ない、とZA先輩。窓から見える隣りの屋根も、座ると空が広く見えるところも気持ちがいい。猫の爪のような薄い月も見える。ZA先輩が好きだという蚊取り線香「最強アース渦巻香プレミアム」をたくと、お香の匂いのようで、これ寺の匂い、法事の匂い、とみなで言い合う。また大貧民大会。大富豪が大貧民からいいカードを2枚もらえる上納システムに納得がいかないSのため、大貧民がカードを見てからあげるかあげないかを選べるシステムに変更する。それでもSが弱すぎる。11時まで大貧民。Hっちは電車だと乗り過ごすからとタクシーで帰り、そのあと窓にブラインドを取り付ける作業がはじまり12時過ぎまで。ベランダのZA先輩に手を振って帰る。富士見坂をあがり、眼の前の横断歩道の信号が青になったのを見、1歩踏み出した瞬間、車道を走ってきた自転車にぶつかり、気づくと地面に転がっていた。アドレナリンが出ているのかどこも痛くない。立ち上がり、歩けるので骨はいってないと判断。歩道の信号青だよ、これおばあちゃんだったら死んでるからね、子どもでも死んでるからね、と詰め寄ると、すみません、ぜんぶ自分が悪いです、としきりに謝ってくるので怒る気がうせる。Sは、信号赤だよ、と車道の信号を見て言うので話がややこしくなる。ふと自分の手を見るとあちこちから血が出ているので、血、と見せると、ティッシュあります、これ使ってください、と差し出してくる。ほんと気をつけなね、死ぬからね、と10回くらい言って立ち去る。暗いし、音もないし、横からくる自転車がまったく見えなかった。こういうの最近多いから気をつけてたけど実際なるとなんにも出来ないね、気づいたときには自転車が眼の前だった、とS。明治通りでも、自転車と歩行者のひき逃げ事故の立て看板がよくたっているが、自分がなるとは思わなかった。交通事故って気づいたときには死んでるんだなとしみじみ思う。止まらない指先の血をちゅーちゅー吸いながら帰る。M家泊。

 

4月11日木曜日

晴れ。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。忙しさに慣れ、暇な気さえする。薄いゴム手袋をしていても指先の傷がしみる。生ゴミの箱がきちんとはまっておらず、床に生ゴミが散乱する事件あり。終えて、セブンイレブンで資料をプリントアウトし、新栄堂書店で雑誌『POPEYE』の毎年5月号恒例の東京特集を買い、S家へ。絵。今年の『POPEYE』東京特集の副題は「ぼくと服と東京の暮らし。」。しかしほとんど町も店も出てこず、必ず何軒か載っていた銭湯も出てこず、楽しみにしていた紙面の賑やかさやがちゃがちゃさもなく、これで「東京」かよとがっかりするが、これがいまの東京なのかもとも思う。夜、往来座へ。お茶割り。花関係の仕事をしているYさんにチーズ、生ハムいただき、食べる。明日uちゃんの誕生日だなぁ、武田信玄の命日だなぁ、とru先輩。昨晩の事故の検証。手前で急ブレーキかけてた、ぶつかって倒れただけだった、とS。体感としてはふっとんで気づいたら地面だった、とわたし。ハナマサで買い物。帰り道、法明寺の桜を見る。屋台もぼんぼりもすでにない。桜はところどころまだ満開の枝がある。夕飯は、ごぼう春菊油揚げ白菜水餃子鍋。麦チョコを少し。ru先輩おすすめの映画「アンブレイカブル」観るも途中で寝落ち。S家泊。

コロナの春 3月29日から4月4日

3月29日金曜日

雨、風。asさんレシピのトマト缶イカスミパスタ。うまい。昨晩、Sは酔って騒いだことをまったく覚えていないことが判明する。Sは往来座へ。洗濯。絵。夜、M家に寄り、母に野菜餃子とセロリをもらってから久しぶりに往来座へ。本搾り。ru先輩に棚が倒れて足が腫れた件を聞く。屈強なラッパーが助けてくれた、さっと助けたあと名前も言わず乳母車を押して去った、とのこと。夕飯は、トマトセロリ、母にもらった野菜餃子。Sに餃子をどれくらい食べるか聞くと、ぜんぶ、というのでもらった二箱ぜんぶ焼く。早々に寝る。S家泊。

 

3月30日土曜日

晴れ。ケンミンの焼きビーフン。野菜と豚肉たくさん入れる。うまい、とS。佐久間さんのユーチューブ、見る。板倉の言い訳クリスタル。Sは洗濯してから往来座へ。昼過ぎ、大鳥神社横のファミマでuちゃんと待ち合わせ。え?半袖?と驚かれる。暑いので、今年初Tシャツ、初サンダル。西日暮里を目指して歩く。不忍通り沿いを行くのが楽だがおもしろくないので、1本か2本かずれた小道を探して歩く。護国寺裏、大塚公園、砂利場坂、千石本町通り商店街、六義園、谷田川通り、西日暮里。ところどころに咲きはじめた桜、咲き終わりのハクモクレンハナニラ、はこべ、ぺんぺん草、おおいぬふぐり、カラスノエンドウがあちこちに群生している。ぶわっと春。西日暮里ブックアパートメントでKANさんと合流。え?半袖?とまた言われる。道灌山通りをまっすぐ歩いて町屋まで。夕方になっても暑く、Tシャツで正解と言われる。ふたりも着てきたコートを脱いでいる。町屋の駅を越え、しばらく行った先を左折し住宅街のなかへ。この辺じゃないかと見上げると、子宝湯、と描かれた大きな白い煙突を見つける。銭湯「子宝湯」へ。向かって右手は塀で囲まれた大きな空き地で、木材や廃材がぐわっと積まれ、間をぼうぼうに育った草や木が埋めている。一部、溶岩がつまれた箇所があり、もしかしたら昔、庭だったのではないかとも思う。正面入り口、左右の壁の下部分に紺色のタイルが貼られ、のれんはなく、入ると玄関の土間は青と白のタイルが千鳥格子に貼られている。正面に傘用のロッカー、左右に下足箱。傘ロッカーにカレンダーの裏のようなつるつるの紙に黒マジックで書かれた廃業のお知らせが貼られている。「閉店のお知らせ 勝手ながら当店は令和6年3月31日を持ちまして子宝湯を閉店することになりました」。脱衣場。入ると右手に番台。女将さんに入浴代520円払う。島ロッカーがまんなかにひとつ、左手壁沿いにロッカー、昔ながらの茶色いマッサージ器、赤いおかまの髪乾燥機、番台の前にガラスの冷蔵庫。庭には茫々の草が生え、軒先から便所らしき場所に向かって縁台が続いている。天井は立派な格天井。洗い場。左右に立ちシャワーがひとつずつ。左右の壁にカラン、真ん中に島カランが一列。男湯との境の壁にはモザイクタイルで、オランダのような大きな4枚羽の風車と水辺が描かれている。正面には湯船が3つ、右から深めの泡風呂、電気とジェット、浅めの泡風呂。湯は熱め、強いて言うなら浅めの泡風呂が一番低めで入りやすい。湯船のうえの壁は下部分が薄紫色のタイル、そのうえにペンキ絵。どこかの海と岩と松と空が広がっている。男湯との境の壁のうえにひょろっとした松が1本描かれている。ペンキ絵の下部分は湯気で劣化したのか、触るとざらっとした粉が手につく。天井は大きく高く水色に塗られている。まだ日が高いので天井近くの窓から見える空が明るい。番台で缶の茶を買い、銭湯遍路のハンコをもらう。ハンコに赤いインクを何度かつけ、自分で押して、曲がっちゃうから、と女将さんにハンコを渡される。あたしたちになってから30年くらい、もともと別の人がやってて、ここは借りてんのよ、だから大変、配管がダメになっちゃって、ペンキ絵も30年そのまま変えてないの、下のとここすったらハゲちゃって、男湯のペンキ絵?富士山じゃないよ、うちに富士山の絵はないの、どうしてかしらね。ことばのあいだに、うふふ、とか、あはは、とか笑い声がはさまる。子宝湯の名前の由来も知らないそう。ふたりが髪を乾かしているあいだ、マッサージチェアに座る。20円入れると、見た目よりぐいっと強くもんでくれ、時間も長い。外に出ると昼間よりはやや涼しく、湯上がりにちょうどいい気候。気持ちいいねぇ、と言いながらその辺を1周する。入る前に電話で予約したOへ。生ビール、スパークリングワイン、お通しはジェノベーゼマヨネーズつきの菜花、カルパッチョ、サラミ、レバーペースト、サバとジャガイモのガレット、グリルタン、レモンクリームパスタ。生ビールを久しぶりにうまいと思う。つまみもどれもとてもおいしい。KANさんのお父さんが朝食にトーストを何枚切りのものでも必ず2枚食べる話。たくさん召し上がっていただいて、とマスター。この場所で51年目の二代目だそう。道灌山通りを歩き、途中で左折、日暮里まで歩く。KANさんと別れ、uちゃんと山手線で帰る。往来座に寄ると、Sとmiくんが飲んでいる。uちゃんがmiくんに桜の枝をもらう。ローソン100で買い物して帰る。Sの夕飯は、ごぼうネギほうれん草豚肉鍋。食べ足りないSはダイエットしなきゃと言いつつ、ミックスビーンズも食べている。S家泊。

 

3月31日日曜日

晴れ。暖かい。玉ねぎと鍋であまったほうれん草を入れた豚肉のカレー。お笑い向上委員会、ゴットタン、見る。Sは往来座へ。明日から食堂アルバイトかと思うとなにもやる気がおきず、転がって過ごす。夜、往来座へ。お茶割り。早々に片付けて帰る。帰り道、法明寺を通ると屋台がいくつか出、飲んでいる人たちも少しはいるが、桜はまだ1分も咲いていない。夕飯は、ごぼう春菊油揚げ水餃子鍋。水餃子には白菜のみじん切りを入れる。M家泊。

 

4月1日月曜日

晴れ。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。大学は入学式。コロナのあいだにはなかった華やかさできらきらしているが、食堂に来る人はそう多くなく、ひま。終えて、往来座へ。店は定休日だがSは出勤し通販仕事をしている。S家へ。掃除。疲れて転がる。夜、Sが戻り、缶ビール飲みつつ、目白台の鳳山酒店の横の坂をおりて高田、神田川沿いの桜を見、ファミマでシードル買い飲みつつ、よしやまで。神田川沿いの桜並木を歩きつつ、こんな儚いもの見たくない、とSがぶつぶつうるさいので、あんたが勝手に儚いって思ってるだけじゃん、と言い返す。買い物。お茶割り飲みつつ帰る。夕飯は、トマト、菜の花の辛子和え、もらった煮込みハンバーグにチーズをのせて焼いたもの。Sはよしやで買ったホタルイカも食べている。菜の花うまい、とS。82年の山田太一ドラマ「ながらえば」見る。宇野重吉。猪谷の旅館。見ている途中で、これ前も見たわ、と気づく。病院で妻に背中を向け、ここにいたいんじゃ、と言う笠智衆を見、Sがぴゅっと泣いている。M家泊。

 

4月2日火曜日

晴れ。納豆ご飯。台湾で地震のニュース。NHKのニュースでは与那国、八重山、沖縄に向けて、津波に注意してください、とアナウンサーが繰り返している。食堂アルバイトへ。付属の高校の給食もはじまり、なかなかの活気。賞与が15000円出る。うれしい。終えて、往来座へ。Sは休日だが、エアコンの室外機の工事の続きで店に来ている。工事が終わったころ、KOくんがやってくる。就職が決まったそうで、それならと、S、KOくんと花見に出かける。お茶割り飲みつつ、明治通りから神田川沿いに出、早稲田大学の前を通ってファミマでワイン買い、飲みながら戸山公園の箱根山まで。神田川沿いは8分咲きくらいだが箱根山はまだほとんど咲いておらず。早稲田大学にはスーツを着た新入生がたくさん。サークルなのか派手な衣装を着た人たちが勧誘している。戸山公園の入り口で、さだ研のTシャツを着た人たちとすれ違う。さだまさし公認って書いてありますよ、とKOくん。神田川沿いに戻り、水神社、椿山荘、江戸川橋公園、講談社前から護国寺まで歩く。護国寺沿いの焼き鳥屋で、生ビール、ウーロンハイ、フライドポテト、枝豆、チャーシュー、焼き鳥いくつか。護国寺富士講にのぼり、境内を散策、墓を抜けて池袋まで行く。空が広くて気持ちがいい。KOくんと駅前で別れ、往来座へ。小腹が空いたので、セブンイレブンで買ったカップラーメン食べて帰る。M家泊。

 

4月3日水曜日

雨。昨晩の酒が体に残っている。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。激混み。いままでて一番の売り上げになる。早番の人たちもみな残業してくれ、なんとか片付け終える。S家へ。Sは近所に猫番へ。ブログ書き。S戻り、布団に寝転び動画を見るか寝るかしている。夜、Sと弦巻通りのまいばすけっとへ。買い物。本搾り飲みつつ帰る。夕飯は、セロリのおかかポン酢和え、ごぼうネギ汁、もらった塩唐揚げ、もらった豚肉のチーズ焼き。麦チョコを少し。ドラマ「不適切にもほどがある」続き見る。M家泊。

 

4月4日木曜日

曇り。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。昨日とうってかわってひま。ここ数日のsさんの言動に対していらいらがおさまらず。誰に対してもひどいので誰に愚痴をこぼしても共感されるところだけが救い。終えて、K会長宅に寄ってからS家へ。文章書き、まったく進まず。夕方、SからKOさんが来てるよと電話。往来座へ。KOさん、nと缶ビール飲みつつ法明寺まで、ぷち花見。8分咲きくらいか。縁日のぼんぼりの灯りで桜が濃いピンクに見える。往来座に戻るとru先輩、saさん。お茶割り。KOさんに『スキップとローファー』を貸す。n、Sは名画座かんぺ折り、発送、ポストまで、と月はじめの作業をしている。今日一日ずっとこれ、とS。帰り道、また法明寺を通ってKOさんを鬼子母神停留所まで送る。ローソンで買い物し、雑司ヶ谷公園の桜も見て帰る。夕飯は、もらった青椒肉絲、もらったジャーマンポテトごぼうさつま揚げに豚汁の具を入れた汁。汁には卵も落とす。「不適切にもほどがある」続き見る。阪神淡路大震災。S家泊。

コロナの冬 3月22日から3月28日

3月22日金曜日

晴れ。サッポロ一番豚骨塩ラーメン。万ネギとコンビニで買ったチャーシューとゆで卵をのせる。Sがたくさん食べたいというので3袋分作り、Sが1.7、わたしが1.3食べる。アメトーーク、テレビ千鳥、見る。文房堂から額装ができたと電話あり。Sは往来座へ。絵。夕方、池袋から丸ノ内線御茶ノ水まで、坂おりて文房堂へ。蟲文庫のショップカードになった枇杷の絵の額装をお願いしていた。グレーのマット、フレームはチーク材。いい額ですね、と担当さん。今日の担当は昔池袋の中国画材で働いていた方。前から元中国画材の人が働いているとうわさで聞いてはいたが、まさか倉敷に送る日に出会うとは思わなかった。中国画材は、倉敷駅から蟲文庫に行く途中の商店街のなかに本店があった画材屋で、以前は池袋西武の向かいの雑居ビルのなかにも支店を構えていた。画材は世界堂で買っていたが、額装は対面式で相談にのってくれる中国画材でお願いすることが多かった。絵を倉敷に送ることから中国画材の話になり、いろいろ教えてもらう。初代は藤田さんといって、藤田嗣治の藤田、覚えやすいでしょう、満鉄で働いていたんだけど戦後引き揚げて、自分も油絵を描いていたから実家のあった倉敷で画材屋をはじめて、そうあの場所、はじめは小売だったけど自社製品も作るようになって卸もするようになって、それでまぁいろいろあって16年前の12月につぶれてね、そのあとサクラクレパスが買ってくれたんだけど、池袋とか借りてたとこはなくして、自社ビルだったとこだけ名前を変えていまもやってるんだけど、わたしは16年前から文房堂で働いているの、中国地方だから中国画材だって思われてるけど、ほんとは初代が中国が好きだったから。倉敷の本店はアムスと名前がかわったがいまも同じ場所で画材屋をしていて、百椿図のときも足りない画材を買ったりとお世話になった。枇杷の絵が名残り惜しく、もう一度箱から出してよく眺める。配送をお願いして、帰りのエレベーター前で待っているとカウンターのほうから、いい絵だね、いまの方が描かれたんですよ、と担当さんと隣りのカウンターの客の声が聞こえてきたので、カウンターのほうに顔を出し、ありがとうございます、と手を振ってからエレベーターにのる。東京堂書店を見、春の古本まつりの前を通り、水道橋後楽園茗荷谷と歩いて帰る。サンシャイン60くまざわ書店で『スキップとローファー』能登支援版の10巻を買い、特製栞を配布しているはずと店員に聞くとこちらでは配っていませんとのこと。ジュンク堂書店に寄り、地下のコミック売り場に栞があったのでもらう。往来座へ。ru先輩、saさん、miくん。お茶割り。ru先輩に能登支援版の『スキップとローファー』を見せると、支援版と普通版があることを知らなかったと言い、栞はもらったのに、普通版を買ってきちゃった、ちょっと支援版も買ってくる、とまたジュンク堂に買いに行く。後から来たsaさんは支援版を買ったものの、栞は知らなかった、すげーいいじゃん、と言いながらジュンク堂にもらいに戻る。50過ぎた人間が漫画のことでばたばたしてなにやってんのよ、と言いつつ、みな楽しそう。来年の名画座手帳の帯を依頼するためのコスプレ衣装を考えろ、とSが言うので紙などで作ってru先輩に身に着けてもらい写真に撮る。そう悪くない。新宿アルタが2025年2月で営業終了のニュース。ハナマサで買い物。夕飯は、ごぼうほうれん草舞茸油揚げ豚しゃぶ鍋。麦チョコを少し。食べ足りないSはミックスビーンズを食べている。『スキップとローファー』を読む。漫画のなかでは夏休みで主人公と友人たちが主人公の実家の能登に遊びに行っているところ。みなで輪島の朝市にも行っている。あとがきで、主人公の実家のモデルになった家が地震で全壊したこと、作者の祖父祖母が亡くなったことが書かれている。S家泊。

 

3月23日土曜日

雨。母が作ったチキンカレー。人参とナスも入っている。いつもより早く出てBスポで使う資料を借りに図書館に行くと言っていたSは、疲れちゃった、と言いながら布団で寝なおしている。ふだん通りにSは往来座へ。絵。夜、往来座へ。saさん。お茶割り、焼酎のお湯割り。9時から不忍ブックストリームの配信開始。ゲストは虹霓社の古屋さん。Bスポは本のページ数を当てるゲーム。終えて、S、nと松屋へ。シャリアピンハンバーグ定食と豚汁、瓶ビール。腹いっぱいで豚汁食べきらず、Sに食べてもらう。S家へ。『ぼくの憂き世風呂』続き読む。田村隆一吉本隆明と谷中・菊の湯に行っている。

Y この、お風呂の絵、この背景画、変な、モダンなペンキ絵。

R 中間色なんか使いやがってさ。銭湯の絵ときたら、原色でなきゃいけません。中間色だと、湯気で、二重になっちゃって、ダメなんですよ。しかも、この絵、奥十和田の初夏の光景で、湖畔を、洋服をきた若き男女が、散歩している構図じゃありませんか。空が、奇妙なコバルト・ブルーで、こいつは、しまりません。やはり、銭湯の絵ときたら、原色でないと…(二人は、洗い場で、石鹸をつけて、ゴシゴシ、体を洗っている。)そうすると、ちょうど、湯気で中和して、ほんとうの中間色が出るんです。

原色が湯気で中和するなんて、ほんとだろうか。S家泊。

 

3月24日日曜日

曇り。玉ねぎ人参ひき肉のトマトソースパスタ。お笑い向上委員会、あちこちオードリー、見る。台所で音がしたので見に行くと大きなネズミがコンロの穴に石鹸を引き込もうとじたばたしている。石鹸が穴をふさぎ行き場をなくしたネズミがコンロの周りを走り回り冷蔵庫の裏手に逃げていく。わー!と叫んでコンロにのった石鹸をSに見せる。Sが冷蔵庫の裏に虫網をつっこみぐるぐるしても出てこず。なんで猫が三匹もいるのに、とS。猫はなにもせず、ネズミにも気づかず。Sは往来座へ。絵。夜、往来座へ。saさん。お茶割り。nの風邪が感染ったようで喉が痛い。ハナマサ、弦巻通りのまいばすけっとで買い物。夕飯は、ごぼう白菜油揚げ水餃子鍋。水餃子には白菜のみじん切りを入れる。今日は餃子の皮やぶけず。『ぼくの憂き世風呂』続き読む。田村隆一小松左京と大阪・天満温泉に行っている。

R ヒマつぶしに、風呂屋を利用するという手はないんだな、大阪には。東京の銭湯は、ヒマがヒマになって、心をなぐさめてくれるのです。戦前の小林秀雄や、戦後の吉本隆明の銭湯論を読むと、風呂屋におけるヒマと、そのヒマの活用法が分かってくるような気がするけどナア。

K ヒマつぶしなら、大阪近辺にはたくさんあるんですよ、有馬、白浜、といった、それこそ白砂青松の温泉街がね。

R なーるほどそうか。そうか。東京だと、いちばん近くて、那須、塩原、草津、箱根、となっちゃうし、いまみたいに交通の便がよくなかったから、それで東京の銭湯は、温泉の代替物になったのかもしれないな。

白砂青松は、はくさせいしょう、とふりがながついている。S家泊。

 

3月25日月曜日

雨。よしやで買ったレトルトラーメンで、らあめん花月嵐「嵐げんこつらあめん」。万ネギ味玉チャーシューのせる。最近食べたレトルトラーメンのなかで作るのが楽で味も一番好み。Sはチンした飯をラーメンの汁に入れ、残った飯に卵をかけて食べている。Sは休日、布団に転がり動画を見ている。喉頭関節痛治らず。体がだるい。ジキニン飲んで寝る。夕方、Sは古書会館へ。北部古書会館問題の会議とのこと。そのままZA先輩とサン浜名中華で飲んでいるとラインがくる。出かける気になれず寝て過ごす。12時過ぎ、ファミマで買ったスイーツを持ってS帰る。コーヒーゼリーが入ったでかいプリンを食べ、ジキニンを飲んで寝る。S家泊。

 

3月26日火曜日

雨。喉頭関節痛治らず。今日会うはずだったmiちゃんuちゃんに行けない旨をライン。Sがファミマで買った汁なし担々麺をチンして食べる。Sはファミマで買ったカルボナーラを食べている。薬飲んで寝る。しばらくして、n病院行ったらコロナだったって、治りかけで薄い線でたって、とS。Sは無症状だが、念のため、今日Yくんとビリヤードに行く予定だったが中止の連絡をしている。87年のNHK山田太一ドラマ「今朝の秋」を見る。笠智衆杉村春子樹木希林。むいた夏みかんに大さじ2杯くらいの砂糖をかけて食べている。いつもと体調が変わらないSは布団に転がり動画を見るかブログを書くかしている。夕方、昨晩Sが買ってきたファミマのいちごクレープを食べる。いちごとはじめに書かれているわりにいちごがほとんど入っておらず。1個のいちごを半分に切ったものがクリームのうえにのっており、したのほうにいちごジャムらしきものがちょびっと入っている。8割りホイップクリーム、1.9割りが皮、0.1がいちご。薬飲んで寝る。夜、Sと缶ビール飲みつつ東池袋へ。ビールが苦みしか感じずまずい。口内に膜があるみたい。マルエツでささっと買い物。本搾り飲みながら帰る。本搾りは味があるがいつもより苦みが強いような気がする。夕飯は、玉ねぎ人参ミックスビーンズベーコンのトマト汁。なんでおれにはうつんないの?とSが言うので、バカだから、と答える。薬飲んで布団に転がる。S家泊。

 

3月27日水曜日

晴れ。納豆ご飯。味道楽も飯にかけて食べる。Sは納豆ふたつ卵ふたつにツナ缶を混ぜたものを飯にのせて食べている。相席食堂、見る。食欲あり、熱なし、若干の喉と頭の痛み、治りづらい風邪くらいの感じが続く。花粉症の鼻水のほうがつらい。K会長に連絡し、検査キットをお願いする。Sは車で買い取りへ。わたしも行くはずだったが念のためやめる。Sが戻って来、検査キットを試すと線がびしっと2本現れる。陽性。Sは少しでもビリヤードがしたいと言いながらビリヤードへ。体調悪くないので絵を描く。夜、Sが戻り、本搾り飲みつつ弦巻通りのまいばすけっとからマルエツまで散歩。買い物。本搾り飲みつつ帰る。夕飯は、ごぼうほうれん草豆もやし水餃子鍋。水餃子には白菜のみじん切りを入れる。85年のNHK山田太一ドラマ「冬構え」見る。笠智衆の、あー、とか、うー、とか、ことばにならないつぶやきがこんなに表情豊かだったとは。しかし旅シーンが長く、笠智衆のイメージビデオのよう。小沢栄太郎藤原釜足。S家泊。

 

3月28日木曜日

曇り。まいばすけっとで買ったレトルト麺、日清の沖縄風ソーキそば。万ネギチャーシュー味玉ものせる。冷蔵庫に死蔵していたコーレーグースーもかける。風だがうまい。Sは赤い靴下だけ洗濯かごから抜き洗濯している。若干の喉の痛み、それ以外に症状はなし。やっぱり花粉症の鼻水のほうがつらい。Sは往来座へ。絵。夜、本搾り飲みつつ、弦巻通りのまいばすけっとから目白台護国寺と散歩。講談社の壁面に『スキップとローファー』の垂れ幕。護国寺マルエツで買い物。本搾り飲みつつ帰る。帰り道、雑司ヶ谷の通称雄幸公園の横を通る。まだ桜がまったく咲いておらず。夕飯は、トマト、玉ねぎれんこん鶏肉にコンビニで買ったシチューの具の素を足したシチュー。23時過ぎ、酔っ払ったSが帰る。楽しかったー、と言いながら酔っててとてもうるさい。asさんが4月から来られなくなるかもしれないからって、ぼくらと一緒に11時過ぎまでいてくれたの、とS。ru先輩が外の棚をしまうときに棚が倒れて足を負傷したそう。そのとき道を歩いていたラッパーみたいな男の人がさっと来て大丈夫ですかってぐっと棚あげてくれたの、とS。ru先輩にラインをすると、青く腫れ足の感覚がない、と返信くる。Sの夕飯は、トマト、マルエツで買った焼き鳥、シチュー。TVerにあったアメトーークのキャンプ芸人を見ようとすると、ぼくほんとキャンプってだめ、芸人がキャンプするってほんといや、とうるさいので見るのやめる。『ぼくの憂き世風呂』続き読む。田村隆一が浅草の大黒湯で谷中・菊の湯と同じ奥十和田湖のペンキ絵を見て、女将さんに「たしか、ペンキ屋さんは青田さんと言ったけど。」と教えてもらっている。4章は浅草に行き佐多稲子と牛鍋屋で話している。

S それに女湯には、オシロイの匂いがしました。あのオシロイを落して、ええ、その落し方も、一ぺん、水をさっとかける。すると、皮膚の上に浮いているオシロイが落ちて、それから、あぶらについているオシロイだけがからだに残るのですよ。ですから、お湯をからだにかけると、白い色のお湯がさっと流れるのです。あんな風景はもうなくなってしまいました。

S家泊。

コロナの冬 3月15日から3月21日

3月15日金曜日

晴れ。暖かい。玉ねぎベーコン舞茸つぶつぶコーンのクリームパスタ。Sはらせん堂で買った『新居格 随筆集』を読み、完全にぼくの味方、と言いながら好きな箇所を朗読している。Sは往来座へ。遅れて出、M家に寄り椿絵を2枚持って往来座へ。2時過ぎにOさんが取りに来るのでSに預ける。アメリカの人が買ってくれたそう。絵が海を渡るのは3度目、シンガポール、オーストラリア、アメリカ。S家に戻り、絵。夜、M家に寄り母が作った手羽元とじゃがいも人参卵の煮物をもらい、セブンイレブンで絵をスキャンしてから往来座へ。お茶割り。miくん。青森行ってきたと話す。今日はよく売れた、とn。夕飯は、母にもらった手羽元の煮物、ごぼうさつま揚げ汁。らせん堂さんが文芸坐青函連絡船の汽笛を聞いたという映画「男はつらいよ 寅次郎相合い傘」を観る。善知鳥神社のお祭りで暦?を売る寅さん。参道と神社の位置がいまと違うように見える。寅さんの啖呵売のシーンは作中いくつか出てくるが、万年筆、チューリップハット、暦と毎回売るものが違う。仕入れはどこでしているのか、商品はあのトランクで持ち運びしているのか、と疑問が多い。いまあらためて寅さんを観ると、みなの達者さ、リリーとさくらの可憐さ、寅さんの身の引きかた、口に出さない表現、音楽など、一昔前のしゃれたフランス映画を観ているような気持ちになる。S家泊。

 

3月16日土曜日

晴れ。暖かい。玉ねぎ人参舞茸ひき肉のミートソースパスタ。あちこちオードリー、見る。Sは、今日市場行かなきゃ、と言いつつ往来座へ。確定申告の書類書き。やる気なく進まず。「男はつらいよ 寅次郎相合い傘」をところどころ見直す。夜、往来座へ。saさん。お茶割り。苦手な装丁。人物を描け、とsaさん。ハナマサで買い物。夕飯は、ごぼう春菊里芋油揚げ豚しゃぶ鍋。食べたりないSは残った鍋の汁にあおさを入れて飲んでいる。麦チョコを少し。眠くて早々に寝る。S家泊。

 

3月17日日曜日

晴れ。暖かい。玉ねぎ人参ミックスビーンズの肉なしカレー。ルーはマルエツオリジナルの中辛。Sは往来座へ。洗濯。確定申告の続き。目白駅前の三井住友銀行へ行き通帳記入。行く途中の家がここ1年でずいぶん建てかわっている。雑司ヶ谷の家もそう。夕方、往来座へ。明日、エアコン工事が入るため、工事にじゃまなものをどかしていく。棚のうえの本、機械室のダンボール、流しのそばのもろもろ。キャラメル食べてたら銀歯がどれた、とn。眼の前で手描きカレンダーが売れていきうれしい。お茶割り。sa1さん、ワインとスピリッツと氷を持ったsa2さん。ワインをもらって飲む。sa2さんちはクリスチャンで、ひいじいちゃんが新島襄の演説を聞いてそのままついて行ったことがはじまり、とのこと。nが取れた銀歯をゴミ箱に捨てていたことが判明。なんで捨ててんの、このままはめてくれるって知らなかった、と言い合いののち、ゴミ箱から銀歯を拾っている。大倉で買い物。夕飯は、ごぼう里芋春菊鶏肉の鍋。麦チョコを少し。明日早いので早々に寝たいがSがビリヤードの動画を見はじめる。早く寝なよ、と言うと、見たほうが寝られるんだよ、とS。S家泊。

 

3月18日月曜日

晴れ、強風。6時起き。具は玉ねぎとコンビニの冷凍野菜のシチューにチンした飯を入れたリゾットもどき。9時からエアコン工事のため、Sは8時過ぎに往来座へ。確定申告の続き。2時ごろSから電話。5時まで工事の予定がもう終わった、店がすごい暖かい、いい業者さんだった、とのこと。夕方、池袋西口の税務署へ。数人待って確定申告の書類を提出。びっくりガードを越えて豊島区役所へ。3階のカウンターで滞納していた区民税の支払い。これで戻ってくるはずの還付金のほとんどが消える。夜、往来座へ。白かったエアコンが黒になっている。店中が暖かくとても静か。ストーブつけてないんだよ、とn。MZちゃん、saさんと一緒に雲吉へ。すぐにS、nが来、生ビールを飲んでいるとru先輩もやってくる。昨年プロ野球の順位予想で1位をとったsaさんを祝う会。生ビール、焼酎の蕎麦湯割り、ごぼう揚げ、スパイシーポテト、焼き茄子、豆腐とアボカドのサラダ、明太チーズ、チキン南蛮、焼き鳥いろいろ、しめにざる蕎麦。みなで来年の順位予想を紙に書く。思い入れと感でマス目を埋める。隣りのまいばすけっとチョコモナカジャンボを買い、みなで食べつつ帰る。S家泊。

 

3月19日火曜日

曇り。玉ねぎピーマンミックスビーンズベーコンのトマトソースパスタ。便利な4分麺。Sは休日、布団に転がりブログを書いている。絵。設定を考えたら、とS。夜、Sと缶ビール飲みつつ高田のスーパーよしやへ。いつもと違うものがたくさん並んでいて楽しい。見たことのないレトルトのラーメンをいくつか買う。お茶割り飲みつつS家に帰る。夕飯は、ごぼう春菊里芋油揚げ水餃子鍋。春菊のみじん切りを入れた春菊水餃子にしたが、皮が弱くてぜんぶ破け、ただの肉団子になる。ru先輩が最後がなんとも言えないので観てほしいと言っていたスリラー映画「マリグナント」を観る。いわゆる人面疽もので、昔の怖い少女漫画にはよくあった設定で懐かしく思う。人面疽ガブリエルの暴れっぷりがすごい。S家泊。

 

3月20日水曜日

晴れ。昨晩よしやで買ったレトルト豚骨ラーメン。味玉チャーシュー万ネギをのせる。麺が粉っぽくてくっつきがち。かさかさに乾いたはっさく食べる、うまい。Sは休日、布団に転がりブログを書いている。絵。夕方、Sと池袋駅へ。丸ノ内線ホームでKOさん、ru先輩、uちゃん、nと落ち合い、本郷三丁目まで。降り出した雨のなか、湯島天神まで歩く。寒い。あちこちでru先輩が、天神さんには牛がいる、など説明してくれる。電気の傘も梅の形でかわいらしい。何重にも重なった合格祈願の絵馬の棚が境内のあちこちにある。境内には筆、包丁、文房具、新派の碑などもたっている。正面の鳥居をくぐりまっすぐ歩く。途中コンビニでスパークリングワインを買い飲みながら歩く。Sとru先輩はコロナビールの缶を買い飲んでいる。寒さに耐えきれなくなったnはカイロを買い背中に貼っている。裏手から入って神田明神へ。後ろが公園のようになっているとは知らなかった。正面に回ると、小さな馬小屋があるが奥に入りこんだ馬は見えず。6人でお参りし、EDOCCOとアルファベットで書かれた土産物屋で暖をとる。nたちは甘酒を飲んでいる。uちゃんがフロアガイドに書かれた、4階の間、を4、4階の闇、と空目。境内はどこもかしこもピカピカで遊園地のアトラクションのよう。寒い寒いと言いながら、聖橋から丸ノ内線を眺め、淡路町のアンコウ料理屋いせ源へ。KOさんとアンコウを食べる会。玄関の下足番に数字の入った札を渡され、階段のぼって3階の和室まで。係りの人に下足札を渡す。建物のなかは入り組んでいて千と千尋に出てきた湯屋のよう。広い和室の真ん中にテーブル、白いガスコンロが3っつ。部屋にはエアコンがなく、寒い、と中居さんに言うと、なにものっていないコンロに火をつけてくれる。asさんも合流し、みなで瓶ビールで乾杯。寒いのであとから熱燗も飲む。料理はコースで、焼きサザエ、大根おろしいくら、菜の花のおひたし、あんこう肝和え、あん肝、にこごり、唐揚げ、ひらめのわさび和え、あん肝入の鍋、おじや。おじやと雑炊の違いは、炊いた米のまま入れるのがおじや、冷めて洗った米を入れるのが雑炊、おじやは味の濃いアンコウに、雑炊は味の薄いふぐに、と中居さんに教えてもらう。asさんの転職祝いに手にはめる黒とチェックのアームカバーをおくる。KOさんに青森土産のほたてのアヒージョ渡す。アンコウは見た目からもっとむにむにグニュグニュして食べにくいものかと思っていたが、骨もなくクセもなく味は濃くてうまい。壁にかかっていた河童の日本画がとてもかわいらしかったが、画号が読めず。店を出るころS母からスマホに着信があり、Sに渡すと、そのまま深刻な面持ちで話しはじめる。漏れ聞こえる声からS母がラインで投資詐欺にあったもよう。Sはこれが詐欺であることを根気よくS母に説明し、こんどはS兄に経緯を説明し、と帰り道ずっと電話している。淡路町から丸ノ内線で池袋へ。タクシーで帰るKOさんを見送り、ミニストップチョコモナカジャンボ買い食べながら雑司ヶ谷に帰る。Sは帰ってからもS母S兄にずーっと電話している。母落ち込んでると思うから、責めないであげて、とS兄に言っている声が聞こえてくる。S家泊。

 

3月21日木曜日

晴れ。揺れはじめてから、スマホ緊急地震速報が鳴る。茨城で震度5。玉ねぎベーコンクリームパスタ。通訳一平さんの賭博問題のニュース。詳しく書いてあるニュースを探し朗読する。Sは往来座へ。夕方、Sと車で買い取りへ。ダンボール10箱ほど。お客さんの実家は元画材屋で、藤田嗣治が渡仏する前にうちで宴会やったんですよ、とのこと。S家に帰り、絵。夜、大倉で買い物してから往来座へ。asさん、ru先輩、ウイスキーとワインのボトルと氷を持参のsa2さん。最近10万円で買ったパステルで描いたという絵の写真を見せてもらう。閉店後、S、ru先輩とsa2さんを家の前まで送る。ファミマで買い物して帰る。夕飯は、ごぼう春菊油揚げ水餃子鍋。水餃子に春菊のみじん切りを入れ、今回は皮の種類を変えたが、やっぱり半分近く皮がとれ肉団子になっている。麦チョコを少し。調子最悪、昨日の母の件の疲れが今日来た、とS。ぐったりしている。S家泊。

コロナの冬 3月8日から3月14日

3月8日金曜日

雨、晴れ。早朝便所に起きると屋根に雪が積もっているのが見える。玉ねぎベーコン人参じゃが芋のシチューにチンした飯を入れたリゾットもどき。Sは往来座へ。絵。夜、往来座へ。Oさんから届いたダンボールをM家に運ぶ。伊予柑とO母さんが取っていた昔の包装紙がたくさん。うれしい。母に伊予柑渡し、母が買った焼き鳥もらう。往来座へ。asさん、ru先輩、saさん、miくん。本搾り。今週末、家にひとりなのでエマニュエル夫人を観るかどうか悩んでいるru先輩。ローソン100、弦巻通りのまいばすけっとで買い物。夕飯は、トマト、昨晩の鍋の残りにコンビニで買った豚汁の素を足した汁、母にもらった焼き鳥。最近本搾り3本で眠い。S家泊。

 

3月9日土曜日

晴れ。風が強い。玉ねぎ人参カリフラワーミックスビーンズひき肉のトマトソースパスタ。麺は太め短めの4分麺。ヤギと大悟、いきなりのレギュラー放送最終回で悲しい。Sは往来座へ。絵。夜、K会長宅に寄ってから往来座へ。ru先輩。お茶割り。Sとツルハで買い物。猫餌、猫砂、歯ブラシなど。夕飯は、豆腐とまいばすけっとで買った豚汁の具とファミマで買ったパクチーを入れた豚つくね鍋。麦チョコを少し。Sが動画で三上寛を見ており、見ていると歌いたくなりギターを弾いて歌う。映画「ザ・マジックアワー」最後まで観る。S家泊。

 

3月10日日曜日

晴れ。暖かい。玉ねぎカリフラワーベーコンのクリームパスタ。麺は太く短い4分パスタ。お笑い向上委員会、見る。ずん喫茶は、落合。パレットと舘。どちらもアルバイト先修行先の名前をそのまま使っている。Sは往来座へ。掃除、洗濯。空気を抜くのが面倒で空のまま放っていたフィキサチーフ缶100本近くをやっと空気抜く。あちこちマイペットで拭く。帳簿書き。夜、K会長に帳簿戻し、明日の土産にしようと赤丸ベーカリーを外から見るもラスクは売り切れ。金をおろそうと池袋駅前の銀行まで行くもカードを忘れて金をおろせず。往来座へ。ちょうどuちゃんが来たので一緒に池袋駅まで行き、明日の新幹線チケット上野新青森の指定席券を発券する。往来座に戻り、焼酎お湯割り。saさん。ハナマサで買い物。夕飯は、ごぼう小松菜油揚げ豚しゃぶ鍋。Sは鍋を食べたあと、お腹すいた、と言いながら納豆ひとつ卵ひとつをまぜて食べ、ミックスビーンズも食べている。麦チョコを少し。さま~ずのボードゲーム動画見る。自分の色が覚えられないふたりがひたすらおかしい。明日早いので早々に寝ようと思うも結局いつもとたいしてかわらず。S家泊。

 

3月11日月曜日

晴れ。5時15分起き。日がのぼりかけの空を見、きれい、とS。納豆ご飯。Sは納豆ふたつ卵ふたつツナ缶ふたつを飯にかけて食べている。Sと池袋駅へ、改札前でuちゃんと落ち合い、山手線で上野まで。uちゃんがメルヘンでサンドイッチを買い、新幹線改札内ニューデイズで缶ビールを買い、乗る前にベンチで乾杯。新幹線はわれわれと同じJR東日本1日1万円乗り放題のキュン旅でほぼ満席、ギリギリでとれた3人ばらばらの指定席で新青森まで行く。わたしの隣りは少し年上くらいだろうか、女ともだちふたりのキュン旅。便所の場所を教えたことから会話がはじまる。いまどの辺かしら、本読んでたのにごめんなさい、お客さんに聞いたのよ、味噌ミルクカレーラーメンが名物なんだって、あとのっけ丼、うちは床屋床屋、大谷くんは奥州よね、この辺からあんなこが出るなんて、彼女の顔もネットに出ちゃって、弟の顔まで出ちゃって、新青森から青森に出る電車が2両しかないのにキュン旅の人たちで満員で地元の人たちが怒ってるんですって、こないだネットで見たばっかりなのになんで探せないのかしら、たまにはこうしてどっか行かないと、前頭葉が縮むとボケるんですって。ふたりは、仙台か盛岡で降りてみようか、と迷っていたが電車賃を計算し、青森まで行かないといっぱい得しない、と結局新青森まで一緒に行く。前列に座っていたuちゃんに、3人旅みたいでしたね、と言われる。新青森のホームからは駅前ロータリーとまばらに建つ住宅、道の端に積まれた雪山が見え、店らしきものはなにもない。ふたりが言っていたように、満員の2両のディーゼル車に乗り換え青森まで一駅。車窓からとんがった屋根のブックオフが見える。青森駅新幹線改札内に縄文ねぶたの模型とりんごの鈴型オブジェが並んでいる。青森駅は新しい駅ビルを普請中。3人とも青森ははじめて、いままで旅したなかで一番の北限になる。昼飯はSが事前に動画で見ていた魚彩センターののっけ丼を目指すが、外まで伸びた列を見てあきらめる。駅正面に建つ市役所や図書館の入るビル・アウガの地下の新鮮市場へ。魚介から食堂、文房具まで小さな屋台のような店が賑やかに並んでいる。S、uちゃんが魚屋でその場でむいてもらったカキを食べる。東京で食べると、カキです!って味がするけど、ここのカキはさりげなくカキだ、めちゃくちゃうまい、とS。カキ殻をむきながら、キュン旅は基本日帰りの人たちが多く遠くまで行けないので駅近くの店が賑わっている、と教えてもらう。魚屋の向かいの丸青食堂へ。ふたりがカキを食べてるあいだに食べたかったまぐろの中落ち丼が売り切れになる。瓶ビールとまぐろづくし丼、Sとuちゃんはぜんぶの魚貝がのった「神」を注文。まぐろうまい。Sとuちゃんはエビのあたまを味噌汁につけ、ミソを出し切った汁をすすりお互いに、うまい、うまい、とうなずいている。海沿いに出てデッキを歩く。町と海がこんなに近いとは思わなかった。陸奥湾は波もなくとろっと青い油のよう。水は澄んでおりテトラポットにへばりついたカキ殻、赤いヒトデ、ウニが見える。謎の巨大三角ビル、海沿いから駅を越えるでかい吊橋も見える。正面に見えるでかい雪山が八甲田山なのかなんなのかわからず。アートホテル青森にチェックイン。5階の窓から丸に赤字の「は」の看板と海が見える。雨が降ってきたのでセブンイレブンでビニ傘を買う。冷蔵の棚に見たことないほどたくさんのシードルが並んでいるので1本買って飲む。うまい。八甲通りの古書らせん堂へ。陸奥湾のような青いテント、高い天井まで重ねられた本棚に古本と新刊がぴちぴちと詰まっている。間口の大きさからは想像していなかった店の深さ高さ。若き日のらせん堂さんが雑司ヶ谷の辻会計の裏手のアパートに住んでいた話から、「水もれ甲介」に出てきた雑司ヶ谷の銭湯「富士の湯」の前に焼き鳥屋があったこと、弦巻通りにあった寿司屋とスナック、本納寺の前の蕎麦屋にいたら久しぶりだなぁと言いながら入って来た客が未来から来た自分じゃないかと思ったこと、文芸坐に寅さんを観に行ったらちょうど青森の青函連絡船の汽笛が鳴るシーンだった、などらせん堂さんの思い出がとまらず楽しい。『恩地孝四郎 装本の世界』「ぼくの浮き世風呂』を買う。また海沿いに出、公園を歩いていると明治19年明治天皇が立ち寄った記念碑がいくつも建てられている。海沿いを歩きいまは記念館になっている青函連絡船・八甲田丸へ。外からぐるっと眺める。船まで線路がのび、列車ごと船で運んでいたとはじめて知った。「津軽海峡・冬景色」の石碑があり、彫られていた歌詞を見ながらみなで歌う。すぐそばのAファクトリーで土産とここのオリジナルシードルを買いまた飲む。辛口でうまい。でかい黄色いアルファベット「AOMORI」が置かれた人口ビーチ。ゴミ一つない砂浜に迷彩模様みたいに雪が残っている。仕事を終えたらせん堂さんから連絡をもらいらせん堂前へ。筋子巻きがうまいという三九鮨はいっぱいで入れず、おでんと蕎麦がうまいという飲み屋「横丁」へ連れていってもらう。座敷で生ビールを飲んでいるとNNさんもやって来る。おでんの盛りあわせ、まぐろヤリイカの刺身、粒胡椒とオイルがかかったキャベツ、焼きつぶ貝、角煮、ざる蕎麦。おすすめの日本酒、八仙、も飲む。うまい。らせん堂さんとNNさんは酒だけを飲みほぼ料理に手を付けず。皿に少しだけ残る遠慮のかたまりの話から、青森県民の遠慮深さを「津軽衆」というと教えてもらう。らせん堂さんが池袋で働いていた本屋と青森に戻ってから定年まで働いた本屋、そのあとにはじめた古書らせん堂、池袋の馴染みの定食屋で納豆定食を注文したらすぐあとに来た人も納豆定食を注文したが売り切れでかわりにおにぎり定食を食べていた人の顔を見たら石原吉郎だった話、など。地元のひとは刺し身をあんなにのっけない、1種類でいいよね、刺身はのっけないけど本はのっけるんです、とらせん堂さん。中学の先生に文章が面白いと言われたことが書くきっかけだった、とNNさん。カウンターに全身パンダの着ぐるみのひとがいる。閉店後まで飲み雨のなか、手を振るふたりと写真を撮り別れる。セブンイレブンで買い物してホテルに帰る。アートホテル青森泊。

 

3月12日火曜日

雨。ヨーグルト。10時チェックアウト。早起きして喫茶マロンで珈琲とケーキを食べてきた、とuちゃん。読み方が難しい善知鳥(うとう)神社の池の亀、鯉、出はじめのふきのとう、目が描かれた不思議な看板など見てから、らせん堂で昨日買い忘れた『棟方志功 装画本の世界』を買い、瀬戸さんに飲んで欲しいとらせん堂さんが言う日本酒・赤武をいただいてから、青森駅のロッカーに荷物を預ける。昼飯は一八寿司へ。Sに並んでもらっているあいだにuちゃんと甘精堂本店へ。土産とシュークリームと火曜日限定のエクレアを買い、一八寿司に戻る。すでに数組待っており、11時半に店が開くとすぐに満席になる。瓶ビール、特上鮨と鉄火巻き。Sは特上の1.5人前と筋子巻きを食べている。ぜんぶうまい。貝が苦手なのでふだん食べないホタテまでうまい。こんどはカウンターで好きなネタを心ゆくまで食べたい。住宅街を歩いて棟方志功記念館へ。青森は、青いトタンの屋根が目立ち、屋根が平らな家についている雪下ろし用のはしご、金沢の雪吊りとはだいぶ違う雪から樹木を守るための板の囲い、などさりげなくめずらしいものが多く歩いていて楽しい。記念館は老朽化耐震性の問題で三月末で閉館とのこと。階段の踊り場に貼ってある棟方志功の写真がとてもかわいらしい。ザ棟方志功な色付きの版画は裏から色をつけていたとはじめて知った。色付きよりも黒一色で刷られたものが好きで、なかでも晩年の作品「ベートーベンチェア」が一番好きだった。作品の下に書かれたサインと題名表記がどれもすこぶるかっこいい。『板極道』の版木と出版物が絵が反転しておらず、なぜだかわからない。11匹のねこグッズを探しに青森中央郵便局へ行くも探しているコップは見つからず。NNさんに、棟方志功が青森のセーヌ川と書いた、と教えてもらった堤川を見に行く。水が日本画の緑青のようでやっぱりとろっとしている。雨のなかさっき買ったシュークリームを食べながら歩き、銭湯「トド湯」へ。銭湯が苦手なSを残し、uちゃんと入る。二階建て、正面2階に赤い文字で大きく「トド湯」、手前が駐車場。入ると左手に下足箱、正面に長靴用の大きいサイズの下足箱、右手にガラス戸。入ると左手にフロント、右手にロビー、正面奥にも畳敷の休憩スペースがある。畳敷きのほうにはほぼ漫画本ばかりの本棚が置かれていて楽しげ。フロントで入浴代480円払う。フロント右手に女湯の赤いのれんが下がる。広い脱衣所。真ん中に畳二畳分の腰掛け、右手にロッカー、洗い場手前に古い体重計と木製の身長計が置かれている。洗い場。左右の壁にカラン、真ん中に島カランが一列。右手奥手前に、湯が濃いピンク色をした寝ジェットの湯船、その奥に水風呂。左手奥手前が、泡とジェットがついた大きめの超音波風呂、ブラックシリカ風呂、ミストサウナ。ブラックシリカ風呂は、買い物かごのようなものに真っ黒な石が詰められ湯船のしたに沈んでいる。サウナには腰掛けの段差はなく、プールかなんかで見るプラスティック製の白い椅子が6つ置かれている。サウナの壁の上部分には男湯まで広がるペンキ絵で、磯のような海辺にトド3匹が描かれている。男湯との境の壁は半分からうえがガラスブロックで出来ている。壁の真ん中あたりには公園や街灯にありそうな棒の先が蝶の触覚のようにふたつに別れその先にまん丸のガラス玉がついた電灯になっている。フロントの女将さんに名前の理由を聞く。初代のおじいちゃんがはじめて、わたしたちは三代目なんだけど、おじいちゃんが樺太やもっと北でトドやアザラシを獲る漁師で、はじめはトド漁師だけの湯だったんだけど、戦争でこのあたりも焼けちゃって、それから一般のひとも入れるようになったの、いまで77〜78年くらい。外に出ると、ここ莨(たばこ)町だって、と莨の由来が書かれた看板の前でSが待っている。看板はなぜか面した道ではなく、敷地の塀の内側を向いてたっており、これも津軽衆かと思う。Sは待っているあいだに近くのスーパーユニバースへ行き、見たことない惣菜のなかから枝豆と数の子を和えたものを買って食べたそう。3人でユニバースに行き、枝豆数の子を眺め、土産、シードル、栓抜きを買う。栓抜きでシードルをあけ飲みながら歩く。青森にいるあいだに全種類のシードルを飲もうと思っていたが、種類が多すぎて無理なよう。がらんとしたスナック街を抜け海から見えていた三角の謎ビル、アスパムへ。1階の土産物屋でいろいろ買い、陸奥湾に別れを言い、夕飯は昨晩教えてもらった「ゆうぎり」へ行く。おまかせコースしかないとのこと。新幹線の時間を告げると大丈夫と言われ、ストーブの置かれた奥の座敷に通される。カウンターも奥の座敷もストーブも女将さんたちもなにもかも、青森を絵に描いたような店でうれしい。瓶ビール、日本酒の八仙、おまかせは、アンコウのともあえ、きんぴら、白滝のたらこ和え、ヒラメの刺身、ホタテのバター醤油焼き、粕汁。どれもしみじみうまい。ホタテの貝紐がこんなにうまいとは。青森のホタテとは和解した、とみなに告げる。ロッカーから荷物を出しまた満員のディーゼル車で新青森へ。あきらめきれず新青森売店でまたシードルを買い新幹線車内で飲む。新幹線は新青森から上野まで1本で行ける指定席がとれず、仙台で乗り換えてばらばらの席で上野まで行く。池袋から明治通り雑司ヶ谷に帰る。S家に帰り、たまっていた猫のクソを便所に流すと便所がつまる。いっぺんに流し過ぎでしょ、加減ってもんがあるでしょ、とS。ぶつぶつ怒りながらSが便所をカッポンしている。S家泊。

 

3月13日水曜日

晴れ。ファミマで買ったレトルトのバターチキンカレー。Sは休日、動画を見つつ布団に転がりブログを書いている。NNさんが棟方志功のことムナシコって書いてる、と可笑しそうなS。絵。夜、M家に寄り、母に青森土産を渡す。往来座へ。大量の買い取りがあったようで店番tがでかいダンボールに埋まっている。tに土産渡し、缶ビール。Sも少し仕分けを手伝ったのち缶ビール飲みつつ、大倉へ。買い物。豚ひき肉がなく、また缶ビール飲みつつ豚ひき肉を探して目白通りピアゴマルエツ、高田のスーパーよしやへ。どこも豚ひき肉なく、あきらめてよしやで鶏ひき肉を買い、お茶割り飲みながら帰る。夕飯は、豆腐舞茸里芋鶏ひき肉のパクチー水餃子。ギター弾きながら津軽海峡・冬景色を歌う。飲みすぎて起きていられず。早々に寝る。S家泊。

 

3月14日木曜日

晴れ。暖かい。ローソン100に売っていた長野のラーメンチェーン店テンホウのレトルトラーメン。野菜を炒めてスープを作るのが面倒だが麺がつるつるでうまい。これうまいよ、とS。Sは往来座へ。絵。夜、世界堂で画材を買ってから往来座へ。asさん、ru先輩、saさん。お茶割り。みな青森土産のせんべいや塩辛をつまみながら飲んでいる。asさんが中高生のころ寺山修司のはしかにかかり、青森を訪ねた話。確定申告がまだ終わらず疲れているsaさん。ローソン100で買い物。夕飯は、冷凍シュウマイ、玉ねぎピーマン舞茸ベーコンミックスビーンズのトマト汁。飲みすぎて早々に寝る。S家泊。

コロナの冬 3月1日から3月7日

3月1日金曜日

晴れ。玉ねぎカリフラワーベーコンのクリームパスタ。早ゆで4分のパスタをはじめて使ったがぷりぷりしてうまい。アメトーーク、ガムシャラ芸人、見る。Sは往来座へ。サンシャイン通りユニクロ、西武の無印をもう一度見るが、昨日今日の暖かさでダウンを買う気が失せ無印で靴下のみ買う。S家に帰り、洗濯。絵。夜、M家に寄り母が作った野菜の肉巻きをもらう。往来座へ。ru先輩、sa1さん、sa2さん、miくん。sa2さんは持参したスピリッツの酒瓶と氷でロックを飲んでいる。本搾り。nはかんぺ配りで早々に離脱。sa2さんがカホンを、Sがギターを弾き松田聖子の「制服」を歌って録音したいときかないので、早々に片付けさせ少しだけ歌う。閉店後、スピリッツを飲み、へべれけになったSがsa2さんの家に行くと言い張り、ru先輩と3人でsa2さんちの前まで行くと、Sが隣りの人の家のピンポンを押し、往来座のものですけどー、と酔っ払って叫んでいる。隣りの家の人に謝り、Sを引きづって帰る。ru先輩が自転車をS家まで押してくれる。夕飯は、母が作った肉巻き、昨晩の鍋の残りにけんちん汁の素を足した汁。Sはさんざん騒いだあと、つぶれて寝ている。頭に来て朝6時までいらいらして眠れず。やっとうとうとしだした7時ごろにSが起きだし、便所に行ったり猫の便所を片付けしたりでうるさくて眠れず。S家泊。

 

3月2日土曜日

曇り。微妙に残って冷凍していたキーマカレーと業務用スーパーの辛口カレーに、玉ねぎを足してバーモントカレーのルーを足したカレー。昨日は本当に頭にきた、と言うと、Sはあやまりつつも布団に篭って出てこず。Sは往来座へ。夕方、往来座へ。Sと車で近所まで買い取りへ。オリコン3つほど。映画「パーフェクトデイズ」のなかで役所広司が読んでいるカバ欠の絶版文庫がAmazonで12000円になっていた、とお客さん。終えて、往来座に本をおろす。池袋駅で明日の新幹線のチケットを発券、東池袋マルエツで買い物してからS家に帰る。夜、往来座へ。9%のロング缶を飲み酔っ払ったYBさん。本搾りプレミアム。うまい。YBさんに鬼子母神マーケットが載っている冨田均の『東京私生活』を教えてもらう。定点観測のすごさ、とYBさん。なくなった景色の写真にそえられた、消失、の文字。PSさんとHIくんが暮らす七曲りのアパートが取り壊しのため、PSさんが引越し先を探しているとのこと。最近こういう話ばかり聞く。千鳥足のYBさんと鶴巻通りを帰る。夕飯は、ごぼうほうれん草豚つくね鍋。麦チョコを少し。はっさく。さま~ずのユーチューブは桃鉄3年決戦。見ているとやりたくなる。明日早いので早々に帰る。M家泊。

 

3月3日日曜日

晴れ。ヨーグルト。8時過ぎにM家を出、池袋駅へ。山手線で上野まで。メルヘンで玉子とカツのサンドイッチを買い新幹線改札内へ。いつも寄る便所のスロープの角にあった靴磨きコーナーがなくなっている。流しの折り紙コーナーはそのまま。折り紙コーナーに、わたしたちの取り組みです、感涙です、などと書かれた貼り紙。便所の向かいのニューデイズで茶のペットボトルを買う。ふたつあった本棚がひとつになり、ほぼ雑誌のなかに健康系の実用書と漫画、文庫が少しだけささっている。構内のあちこちに福井までのびる新幹線のポスターが貼られている。軽井沢あたりで雪が見えだす。長野を越え富山に入ると、左手に立山連峰が見えます、のアナウンスが流れる。金沢駅の少し手前で屋根にかかるブルーシートを見、どきりとする。金沢駅で降り、あんとのなかを抜け、いつも通り線路沿いを歩いてKさんちへ。ふたりとも変わらず元気そうでうれしい。K妻さんは2月で長年努めていた仕事を卒業したそうで顔が明るい。会社のお別れ会は1週間続き飲みきれないくらいお茶っ葉をもらったそう。いつ来ても在庫が入った段ボールが山積みだったテレビの周りがスッキリしている。聞くと、老後に向けてリフォームしたとのこと。階段下にぴったり入る本棚が出来、窓も二重サッシになっている。Kさんの羽咋の実家は地震で壁、屋根が崩れ、置いていた在庫が少しダメになったそう。誰も住んでいない実家はいつかは壊さなきゃいけないが、在庫をどこに置くか問題があるとのこと。Kさんが車で羽咋に行く途中に見た液状化の町。埋立地はだめ、となんどもKさん。Kさん宅も玄関にヒビが入り、入れたばかりの階段下の本棚も少しずれた。当日は夫妻でブックオフにいて地震にあった。ものすごい揺れで本棚から本がバラバラ落ちて、みんなあわてて外に出て車止めとかにつかまって、この人だけ店の奥に行っちゃって店員に連れてきてもらって、歩いて帰ってきたら崩れた本で書庫の戸が開かなくなってて、どうせならちゃんと並べたいと思ったまま、端に寄せただけでなんにもしてない、大事にしてたんだけど落ちている本を見たらただの物なんだなって、とKさん。Kさんの周りに集まる変わったひとたちの話。昼過ぎ、Kさんちを出るころ雨が降り出し、以前来たときに置いていったビニ傘を借りる。Kさんと長町のすみれハウスへ。DIYされたアパートの部屋に飲食雑貨本屋が入居している。本のある場所、6号室で側溝の冊子と、町なかの禁止表示を集めた冊子を買う。久しぶりのTさん。40年前に行った店しかわからないと言いつつ、せせらぎ通りの中華、竜さん、へ。天津麺。KAさんは昔よく食べていたという中華飯。あんかけの肉野菜炒めが飯のうえにのっている。しきりに、こんなきれいな店じゃなかった、でも味はそのまま、と繰り返す。雨かと思うと雹になり、激しくかわる天気のなか滑り止めの藁が敷かれた坂をのほって工芸館へ。いまは予約なしで入れるが、以前はネット予約のみだったそうで、そういうのが苦手なKさんははじめて来たとのこと。昼飯も工芸館も、いいから、いいから、喫茶店のおばさんみたいなことしない、と言いつつKさんが金を払ってくれる。「印刷/版画/グラフィックデザインの断層 1957-1979」を観る。かっこいい。図録が無料でうれしい。古い人間のせいかこの時代のデザインにぐっとくる、ほんとにねー、と言い合う。外に出るとさっきまでの雨雹がやんでいる。香林坊でKさんと別れ、東横イン金沢兼六園香林坊にチェックイン。カードキーを受け取ると5階のはじの部屋だったので眺めを期待していたが、窓の一寸先が隣りのビルの駐車場の壁で薄暗く、何も見えず独房のよう。荷物をおろして室生犀星記念館へ。展示は「むかし、女、ありけりー犀星の王朝小説ー」。雑誌『婦人の友』の編集者に言われたことがきっかけで王朝小説を書きはじめたそうで、わたしもいま『婦人の友』で挿絵を描いていることがどこか繋がっているようでうれしい。地震からあまり眠れなくなったというMさん。古いマンションなので引越しを考えているそう。犀星記念館の地震の被害は庭の灯籠の頭が落ちただけだったが、休館日でお客さんがいない日でほんとうによかった、とMさん。竪町から新竪町を歩くがオヨヨ書林はやっておらず。6時に待ち合わせの紙屋市べゑへ。奥のテーブルにMさん、Kさん、sさん。生ビール、シャンディガフ、焼きレモンサワー、選べるお通しは野菜のさつま揚げ、刺身盛り合わせ、ネギ塩豆腐、厚揚げ、へしこ豚バラ焼き、ポテサラ、焼き枝豆、明太子パスタ。著作権者探しとお役所仕事のひどさ、次に出る本、それぞれの老い、地震の被害。Mさんちは本が入ったまま本棚がずれたそう。40年ぶりに来た、とKさんが言うと、ここ出来て25年です、と店員さん。ホテルの部屋が独房みたい、と言うと、ムトーさんが泊まる部屋だいたい独房みたいだよね、とKさん。sさんはバスで帰り、MさんKさんと香林坊で別れ、ローソンで買い物してからホテルに帰る。部屋が寒い。便座が冷たい。Wi-Fiのパスワードがわからずフロントに電話、テレビの画面にありますと教えてもらう。東横イン金沢兼六園香林坊泊。

 

3月4日月曜日

外が見えないので天気がわからず。1階ロビーにおりて雨だとわかる。無料の朝食。キャベツの千切り、カボチャサラダ、玉子焼き、甘酢唐揚げ、白飯、味噌汁。ザ冷食といったおかずでどうにも味気がない。部屋に戻り野菜生活100とペットボトルの茶を温めて飲む。10時にホテルを出、犀川大橋から犀川沿いを歩く。ところどころ咲いてる桜並木、ときどき護岸工事、向かいに自由の女神、大きなグランド、マラソンするひと。くだるにしたがい川幅が広くゆったりしていく。風に潮の匂いがまざりはじめる。赤土大橋から右手にそれ、その昔K夫妻が結婚式をあげた大野湊神社へ。途中、道沿いに戦争関係の石碑がぽつぽつ建つ。陸軍中尉、海軍なんとかなど階級と名前が彫られている。神社に着き大きな能舞台のある境内に入る。苔むし顔もわからない狛犬、色塗り修理中の白馬、地震で倒れた灯籠がごろごろしている。境内を抜けると池のある公園に出、金沢街道を渡り、小さな川沿いを歩く。雨が降り出し急いで歩く。川沿いに黄色いでかい建物が、と見たら銭湯「金石荘」。そのまま通り過ぎて、昨晩Mさんに教えてもらったお味噌汁食堂そらいろへ。食券機で、季節の定食を選び、おにぎりは、焼きたらことツナくるみ味噌、味噌汁はれんこん白味噌にする。真ん中の相席テーブルに座る。小鉢にヒジキと切り干し大根の和え物、すりおろしたレンコンの味噌汁には鶏肉、白玉、舞茸、春菊が入り、おにぎりはまん丸の球体でのりが巻かれうえにちょこんと具がのっている。米うまい、味噌汁うまい。窓に日がさして来たのを見て店を出る。思ったより小さい金石港をちらっと見、また犀川沿いを歩いて日本海まで。砂浜がでかくなかなか海まで辿りつかない。防波堤に釣り人がひとり。浜辺には真っ黒な帆立のような貝殻、ストライプ模様の大きな巻貝、スカシカシパンがひとつ転がっている。水晶のように見える石をひろう。住宅街を抜けて海月寺へ。海月寺は犀星が若いころに下宿をしていた尼寺で、昨晩sさんに、犀星も金石街道を走っていた馬車鉄道にのる金を節約して実家からここまで歩いていた記録がある、と教えてもらった。寺は被災し見ると壁と柱に隙間ができ、墓石が波打って倒れている。犀星の句をよんだ石碑が建っている。寺の前の道をまっすぐ歩いて銭湯「金石荘」へ。3階建てくらいの大きなクリームイエローのビル。駐車場はほぼ満車。入り口は金沢でよく見る二重扉でだるま模様ののれんがさがっている。入ると赤いベンチが置かれ、金石荘オリジナルの白いのれん、大きな玄関、左手から正面にかけて下足箱。戸はなく、鍵もかからず。そのまま玄関に置いてある靴も多く、あがった場所に敷かれたブルーシートにも靴が並んでいる。右手のドア入り、左手奥にフロント。フロント右手にロビー、左手に券売機。入浴代490円。スタンプカード持ってないですか?と聞かれ、押してもらう。金石荘オリジナルカードもあるそうでそれも作ってもらう。フロントでは金石荘オリジナルチャリティーTシャツを販売している。ロビーのあちこちに、被災者用の服、食品などが置かれ、次々来る被災者にフロント前で書類を書いてもらっている。ロビー左手に女湯の入り口。脱衣所。壁沿いに籠の入ったロッカー、古い体重計、洗い場手前右手に流しがふたつ。洗い場の入り口もガラス戸の二重扉。右手に立ちシャワーがふたつと水風呂。正面から左手の壁真ん中まで「く」の字型の大きい湯船。源泉掛け流しで薄茶色い湯が湯船を越え洗い場まで流れ出ている。左手の壁真ん中に外への扉。出ると長さ10メートルくらいはある大きな半露天風呂、こちらの湯も薄茶色。中の湯は熱めだが、露天はぬるめ。どちらの湯も塩っばい。正面の壁下部分はガラス窓で竹と岩のある庭が見える。上部分にはなにかの祭りの絵がかけられている。壁は一部タイルだか、湯船の上部分はステンレスのような銀色の板が貼られている。左手はほぼ窓で、昼時のいま洗い場に日が入り明るくて気持ちがいい。水風呂と半露天を繰り返し入る。フロントでペットボトルのお茶を買う。ロビーにあった「かなざわおふろ旅新聞」をもらう。2022年9月に出たもので、特集は「松の湯」再生プロジェクト!。なかほどに金石荘の記事、長く休んでいた素泊まりが復活したとある。ロビーの壁には泉質の良さや源泉ランキングなどがが貼られている。大野湊神社の参道を抜け金石街道へ、金沢駅に向かって歩く。参道も大きな灯籠がごろごろ倒れている。途中K夫妻が地震のときにいたブックオフがあったのでぐるっと棚を見る。セットの漫画が安く、レコードもあり、カードゲームの対戦テーブルもある。ちょうど帰宅時間なようで学生服の子たちが声をあげながら金石街道を金沢駅に向かって歩いていく。金沢の住宅街を歩いているとあまりにも人がおらず、声も音もしないので、道に人の姿を見てほっとする。線路をくぐり、金沢文甫閣に行こうと思うも間に合わず、別院通りを歩き角の蒸しパンワタナベヤで紅茶とラムレーズンの蒸しパンを買う。明日行こうと思っていた夜木の前を通ると今日明日休みの張り紙。夕飯は、あんとのなかの黒百合へ。すぐカウンターに通されたが、90分でお願いします、と言われる。生ビール、日本酒、いいちこの出汁割り、菜の花の昆布締め、ふきのとうの旨煮、丸干しイカ、おでんは卵とちくわと車麩。車麩は半分に切られ、おでんもこんなに高かったっけ?と思う。出汁割りははじめて飲んだがとてもおいしい。帰り道、予想以上に高かった会計を思いながら朝飯用に買った紅茶蒸しパンを歩きながら食べてしまう。新天地に飾られた森山大道の写真、中央味食街をながめてからホテルに帰る。スマホの万歩計を見ると教1日で、22.2キロ、37000歩、歩いている。東横イン金沢兼六園香林坊泊。

 

3月5日火曜日

外が見えないので天気がわからず。昨日買ったラムレーズンクリームチーズ蒸しパン。冷蔵庫に入れていた野菜生活100が凍っていたので流しでお湯につけて戻す。10時チェックアウト。せせらぎ通りから鞍月用水路に出、途中、映画を観に行くというK妻さんとすれ違い、金沢駅まで歩く。あんとで母の土産にきんつばを買い、ロッカーに荷物を預ける。エコノホテルの前の道から住宅街を浅野川に向かって歩く。中島大橋から右岸を歩く。中の橋についていたプレートを見ると、主計町側が左岸らしく、いつもと見える景色が違って楽しい。営業時間前のこぼし湯、くわな湯、の前を通ると、金石荘と同じだるまののれんが出したままさがり、壁には被災者支援入浴の貼り紙。浅野川大橋まで歩き、小橋まで引き返して釜飯の福わ屋へ。開店直後に入ったが、すてに店内は大賑わい。いつもは庭が見える大部屋だが今日は個室で景色が見えずさびしい。瓶ビールと豚バラ味噌釜飯を頼む。抹茶とお菓子、大根の田舎煮が突き出しで出る。通路はさんで向かいはサラリーマンの4人組。なにかご一緒できたら、と仕事の話と、週末は能登にボランティアに行ってる話が聞こえてくる。漬物、鳥つくねほうれん草豆腐の味噌汁、豚バラ味噌釜飯、杏仁豆腐にあずきがのったお菓子とドクダミ茶。浅野川大橋から森八の裏道を兼六園まで。兼六園沿いの茶屋が並ぶ高台から坂をおりていく。兼六園と城のあいだの道はよく歩くがいつも下の道ばかりだった。パワースポット金城霊澤でみんなの幸せを願う。来た道を戻って21世紀美術館へ。ショップでサイコロふたつ買う。新竪町のオヨヨ書林をのぞき、犀川沿いの右岸、犀川大橋渡って左岸を歩く。左岸にある銭湯「あわづ湯」に行こうと思うも雨のなか歩いたためにジーパンがぬれ、風呂に入ったあとまたこのジーパンをはくのかと思うと行く気が失せ、右岸に渡って金沢文甫閣へ。ぐるっと見るも買えず。夕方、KさんちでK夫妻と茶を飲んでいると確定申告の書類を持ったYAさんがやってくる。毎年来ていた確定申告の種類が今年は地震のため来なかったそう。YAさんが撮ったのと鉄道の写真集を観せてもらう。編集装丁は龜鳴屋で、表紙にはのと鉄道で使われていた硬券を模した紙が貼られている。これも手作業で一枚ずつ貼ったそう。特装本は布装で、織られた糸が浜辺の色のようできれい。Sに頼まれていた『徳田秋聲俳句集』を2冊買う。4人で大黒屋へ。瓶ビール、熱燗、ゲソ天、唐揚げ、舞茸てん、さつま揚げ、しめにカレー鍋うどん。思ったより高かった黒百合の卒業、体を使ってやり切りたいこと、ブログに書かれた悪口、龜鳴屋の副社長、写真の構図。YAさんは毎月能登に写真を撮りに行っているそうで、昨年末29日も能登に行っていた。撮っていたいくつもの景色が地震でなくなったそう。大黒屋の前で3人と別れ、金沢駅で土産を買い新幹線はくたかに乗る。上田、軽井沢で雪、東京に帰ると雨。金沢で入った公衆便所は屋外にあってもすべて便座が温かかったが、上野駅の便所は便座が冷たい。金沢の東横インも便座が冷たかった。山手線で目白駅へ、改札にビールのロング缶を飲んでいるSの姿。Kさんたち元気だった、と、金沢での出来事をばーっと語ると笑っている。ファミマで買い物してS家に帰る。Sは、ファミマで買ったザバの塩焼きと、冷奴を食べている。『徳田秋聲俳句集』を渡す。1冊はSの恩師T先生にあげるそう。S家泊。

 

3月6日水曜日

曇り。納豆ご飯。Sは金沢あんとで買った焼き鯖棒寿司と納豆ご飯を食べている。お笑い向上委員会、相席食堂、見る。Sは休日、布団に転がりブログを書いている。夜、Sと往来座に寄ってからP'パルコ前へ。パルコ並びのマクドナルドが入っているビルのうえに大きな鐘がふたつついており、6時ぴったりにゴーンゴーンゴーンと鳴っている。知らなかった。n、KOくんと落ち合い、歩いて六又ロータリー先にある沙漠之月へ。6時半に予約していたが店が暗い。電話すると7時からだと思ってたとママさん。横のリコスで缶ビール買い飲みながら待っていると、慌ててママさんがやってくる。青島ビール、ウーロンハイ、パクチーサラダ、干し豆腐、麻坊豆腐、ニラ豚肉の水餃子、豚軟骨玉子厚揚げの煮物、ビャンビャン麺の陽光麺。島から帰ってきたKOくんのおかえりなさい会。車の運転が向いていない、東京から来た人たちが東京から来た人たちだけで固まっている、芋掘り、島のおばちゃんたちに囲まれた笑顔の写真。麺がつるつるすぎてうまく絡めなかった、もう少しいろいろ経験して縮れ麺になれたらまた島に行きたい、とKOくん。プロ野球の順位予想。池袋駅でKOくんnと別れ、Sと雑司ヶ谷に帰る。S家泊。

 

3月7日木曜日

曇り。玉ねぎカリフラワーツナのクリームパスタ。Sは往来座へ。たまったブログ書き。絵。夜、往来座へ。ru先輩、uちゃん、saさん。本搾りプレミアム。金沢で買ってきた能登塩のポテトチップス食べる。来週行く青森でやりたいことのすり合わせ。筋子巻き、魚彩センター、トド湯、らせん堂、青函連絡船、海、県立美術館など。ローソン100で買い物。夕飯は、ごぼう人参小松菜豚つくね鍋。つくねに水を切った豆腐も入れる。糖質ゼロチョコを少し。映画「マジックアワー」観るも途中で寝落ち。もう映画観ないからね、とSが文句を言っている。S家泊。

コロナの冬 2月23日から2月29日

2月23日金曜日

雨。ベーコン玉ねぎカリフラワーのクリームパスタ。米粒写経のユーチューブ、見る。紙切りの正楽師匠の訃報を伝えている。正楽師匠が寄席だった、と居島さん。新宿の末広亭でおこなわれた小沢昭一の随談ライブ、トリは小三治師匠、ヒザが正楽師匠。立花家扇遊の尺八を磨くネタからの正楽師匠のハサミ磨き、小三治師匠の扇子磨きの流れのエピソードを語る。昨年、@ワンダーで開催した山ぐるみさんのワークショップに参加したさいテーブルの向かいの参加者が正楽師匠のお弟子さんだった。古書探訪は、古書ソオダ水。早稲田で目当ての店があったんだけどいつ行ってもやってない店として三楽書房の名前があがる。Sは往来座へ。掃除。夕方、Sとジュンク堂書店へ。TAちゃんの誕生日プレゼントで手塚の漫画いくつかとドラえもん、おばQ、はてしない物語、など買う。店内もレジも大賑わい。本屋がこんなに賑わっているなんて、とSと言い合う。東上線で大山まで。Sが赤い靴下を買いたいと言い出し、大山のアーケード沿いの靴下が売っていそうな店をひとつひとつ見て回る。赤い五本指ソックスを100円で売っている店を見つけSが2足買う。セブンイレブンで缶ビールを買い、Yくんの家へ。おいらだよ、と言いつつ部屋に入ると子どもたちが、おいらー、と言いながら抱きついてくる。缶ビール飲みつつ子ども3人と、風船バレー。興奮すると手加減なしの頭突き、パンチが飛んでくるので、降参するまでくすぐりまくる。TAちゃんの誕生日で手巻き寿司、Yくんファミリーが好きなときわ台のケーキ屋のショートケーキ。末っ子のHくん3歳が、のりのうえに飯をのせサーモンをのせて巻く、をひとりで延々繰り返しこれでもかと食べている。食べている姿が開高健みたいだといつも思う。Rくんは握った寿司をみんなに振る舞ってくれる。Rくんは手織りのバッグを、Hくんは折り紙で作った雛人形を、YくんNさん夫妻はバランスボールをプレゼントしている。TAちゃんにジュンク堂で買った本を渡す。漫画を買ってくれる人まわりにいない、とのことで、ビニールをぴっと破りブラックジャック3冊抱えて部屋に消えていく姿がうれしい。塩がふいた古い梅干しで焼酎のお湯割りをみなで飲む。うまい。12時近くまで飲み話し、東上線で池袋へ。ミニストップで買い物してS家に帰る。帰り道、雑司ヶ谷霊園の公衆便所の脇を通ると水仙が暗闇にぽんぽん白く咲いている。S家そばのミモザも満開で黄色い花がこぼれている。飲みすぎて風呂場から出てこないSを起こして布団に寝かせる。S家泊。

 

2月24日土曜日

晴れ。玉ねぎカリフラワーコーン人参ベーコンのシチューに冷凍飯を入れたリゾットもどき。飯が半人前くらいしかなく、ほとんどがシチュー。アメトーーク、せっかち芸人見る。Sは往来座へ。洗濯物が溜まっていたので2回洗濯機回す。夕方、ポポタムへ。ピンチヒッターで数年ぶりのポポ番。ひとりでは不安なのでYちゃんと6時まで、残り1時間はひとりで過ごす。ポポタムの判子を袋に押しつつ、Yちゃんに絵の描き方を聞く。思っていた描き方とだいぶ違い、知れてうれしい。ポポ番しつつ、スケラッコさんの『ここは鴨川ゲーム製作所』2巻を買う。サイン本でうれしい。ギャラリーの展示は、イ・キュテさんの個展。アニメーションの絵のかわいらしさと物語の寂しさにぐっとくる。締め忘れ消し忘れがないかあちこち確認し、7時過ぎに閉めて出る。往来座へ。缶ビール。めずらしく誰も来ず。店のパソコンでは映画「生きる」が流しっぱなしになっている。「生きる」の前は「砂の器」を流していたとのこと。大倉で買い物。M家に寄り、母が買ったチキンカツをもらいS家に帰る。夕飯は、ポテトサラダの残り、むかごの甘辛炒め、チキンカツ、ごぼうネギ汁。「ゴットオブウォー2」続きやる。難しくて前に進めず、攻略動画を見てすすめる。知ってみればものすごく簡単なことで、どうして思いつかなかったのかと毎回思う。S家泊。

 

2月25日日曜日

雨。Sが洗濯ものを慌てて取り込む。玉ねぎ人参ミックスビーンズ豚肉のカレー。ルーは食堂のtさんにもらった業務用スーパーの辛口カレー。うまい。辛いのが苦手なSは生卵をのせて食べている。ニチーノに予約の電話。Sは往来座へ。絵。夕方、東上線ときわ台まで。ときわ通りを上板橋に向かって歩く。先日閉店した高田書房の前を通ると、外の均一棚がすべて空になっておりさびしい。水久保公園に面してある銭湯「アクアセゾン」へ。ビルの1階の銭湯。入ると両脇に下足箱。靴を入れボタンを押すと鍵が回る式、ははじめて見た。左手に券売機。520円の入浴券買う。正面にテーブル椅子大型テレビが天井からさがる大きなロビー、右手に女湯と男湯の入り口、その先にフロントがある。入浴券を渡して女湯へ。脱衣所。島ロッカーがひとつ、壁沿いにロッカー、一部大型ロッカー、流しがふたつ。洗い場。左手に立ちシャワーがひとつ、壁に男湯に抜けられる扉がついている。左手壁沿いにカラン、奥に大きな水風呂、正面の壁左手に別料金のサウナ、右手の奥にぬる湯。真ん中に半面だけの島カランが途切れて1列。島カランの背に都内ではめずらしいかけ湯がついている。右手の壁沿いはすべて湯船。手前からジェットが3つ、電気風呂、座泡がふたつ、座ジェットがふたつ、浅め、が大きな湯船のなかにパイプで区切られ並んでいる。ジェットはどれも勢いがゆるめ。奥に円形のシルキー風呂。先日行った「ヘルスよしの」と同じくらい大きく、ぐるっと腰掛けがついている。円形風呂の先に外に出られる戸がついており、あけると塀に囲まれた屋外、ベンチが見え、右手にプールがある。7〜8メートルくらいありそうな大きなプールで奥に向かって浅くなっており、壁に「歩行浴」の看板。声が響き近隣の迷惑になるので19時まで、子どもだけの入浴禁止、の旨の貼り紙。プールゾーンにはもうひとつ扉があり、通路を挟んでぬる湯の前に出られる。どの湯船もとても大きく、奥に行くほどいろいろ出て来て遊園地のよう。天井も高く、男湯との境の壁はゆるく波打っている。両壁に窓があるのはよくあるが、正面の壁上部にも窓があるのがめずらしい。シルキー風呂でよく体を温めてから、誰もいないプールにえいやっと体を沈め、歩行、平泳ぎ。水温は水風呂と同じくらいだが屋外なのでとても寒い。がしばらくすると慣れてくる。シルキーと水風呂を繰り返し入る。フロントで銭湯遍路の判子をもらう。フロントのカウンターは左手正面まで伸び、見ると生ビールも販売している。悩んだが、これから飲み歩きたいので缶ビールを買う。ここ?昭和28年から、建て替えたのは平成10年、ぼくは千住の宝湯にいてね、ここはおじさんがやってたんだけど、話すと長いんだけど、まぁ交換して、建て替え前はタカラ湯って言ったの、カタカナでタカラ。池袋から来たと言うと、狭い業界だからと言いながら、妙法湯はじめあちこちの銭湯の名前が出てくる。湯船が大きくてびっくりしました、と伝えると、いやー、あちこち壊れてて直さなきゃいけないんだけど、とうれしそうに笑う。缶ビール飲みつつ、上板橋まで歩く。閉店するというヨーカドーの1階をぐるっと回る。SがS父の介護をしていたころ、週3日は上板橋に通い夕飯を作っていた。買い物はヨーカドーかベルクスのどちらかで、ヨーカドーのほうが値段は高いがここにしか売っていないものもあった。すみれの箱型のレトルトラーメンを買い、週に一度は豚骨ラーメンを作っていた。予約していたイタリアンのニチーノへ。2階でスパークリングワインを飲んでいるとSが来、しばらくするとS母も来る。金柑と生ハム、白身魚カルパッチョ、レバームースとバケットの盛り合わせ、フルーツトマトと新玉ねぎのマリネ、ルッコラとマッシュルームのサラダ、トリッパと牛すじ肉のトマト煮込み、カルボナーラモンテビアンコピザ。いつも元気なMさんが元気がない話、アトリエ、S兄の昔話。帰りにMさんのアトリエを見る。S実家に行くときよく通る道だが、路地奥にこんな古いアパート群が残っているのを知らなかった。東上線で池袋まで。JRの改札でS母と別れ、明治通りで帰宅途中のnとすれ違い、まいばすけっとで買い物、往来座に荷物を置いてからS家に帰る。Sは先日コンビニで買ったにんにくの醤油漬けを一袋ぜんぶ食べている。「ゴットオブウォー2」を最後まで。操作は楽しいが、話の筋がどうなっているのかよくわからず。これがプレステ2でやる最後のゲームなので、プレステ2に感謝しつつSが握手を求めてくる。S家泊。

 

2月26日月曜日 

晴れ。納豆ご飯。Sは納豆ふたつ卵ふたつにツナを入れたもので1杯目を食べ、Nさんにもらったわさび漬けで2杯目を食べている。「ゴットオブウォー」の物語の入ってこなささ。結局クレイトスはゼウスの息子なのかな?と聞くと、さっぱりわからない、とS。夕方、Sと都電の鬼子母神前から新庚申塚まで。三田線に乗り換え蓮根まで。中学高校の同級生だったUさんちを探す。Uさんちには当時1〜2度しか行ったことがない。駅からそう遠くない路地の右手のしゃれた一戸建てで、玄関と逆側に小さな庭がついていたはず。駅前の3ブロックほど見るがそれらしき家はない。坂下3丁目児童遊園のそばにイメージに一番近い家を見つけるが、こんな大きな家じゃなかったはず、とも思う。一軒の家の前で、なんですか?とママチャリ子連れの女性に声をかけられる。中学高校時代の友人の家を探しています、とわけを言うと、義母がここのひとだから聞いてきます、と家のなかに入ってきいてくれる。わからないとのこと。礼を言ってまた探すが見つからず。まいばすけっとで缶ビールを買い、飲みながら蓮根駅に戻る。荒川が近いせいか風がものすごく猛烈に寒い。「災難」を持ってくるのを忘れたのでセブンイレブンまで行きプリントアウト。6時過ぎに駅に戻ると仕事終わりのmiくん。目当ての太陽軒は満席で入れず、駅を通り越して「そば処あさひ」へ。瓶ビール、もつ煮、コロッケ、オニオンスライスとおかかがのった冷奴。miくん発行の「災難」一号の打ち上げ。女将さんに、ご無沙汰してます、とmiくん。仕事帰りに駆け込むドリームコーヒー。そろそろ太陽軒があいたかもと見に行くがまだ満席で入れず。miくんの会社の前を通り、志村まで歩き居酒屋「巴」へ。広い。ずっと演歌がかかっている。ウーロンハイ、ふきのとうの天ぷら、唐揚げ、刺し身盛り合わせ、焼き鳥、塩焼きそば。マスターに、友だちです、とmiくんが紹介してくれる。巴はもともと別の人がやっており、いまのマスターはもと店員だった2代目。昔はトッパンとその下請けがいっぱいあり賑やかだったそう。来月青森に行く話。新河岸川沿いを歩き、長後さくら橋を渡って埼京線の浮間舟渡まで。赤羽でmiくんと別れ、池袋に帰る。ミニストップで買い物。早々に寝る。S家泊。

 

2月27日火曜日

晴れ。強風。電線がひゅーひゅー鳴いている。ベーコン玉ねぎ冷凍揚げナスのトマトソースパスタ。こたつのなかに乾いた猫のうんこが落ちている。Sは休日、布団に転がりビリヤードの動画を見ている。絵。夕方、SはYくんとビリヤードをしに西口のロサ会館へ。夜、Sから電話をもらい東通りの硯やへ。SとYくんが先に飲んでいる。生ビール、焼酎お湯割り、梅干し、菜の花、じゃがバタ、唐揚げ、まぐろミズダコなど刺し身いろいろ。いつもと同じ、Sが負けたビリヤード、Yくんの子ども、車、競馬、の話。Sがファミマでしじみの味噌汁を買いグリーン大通りからタクシーに乗るYくんに渡している。ミニストップで買い物して帰る。S家泊。

 

2月28日水曜日

晴れ。玉ねぎ鶏ひき肉卵の親子丼もどき。「ゴットオブウォー2」の攻略動画を見る。すべての隠し扉をあけているやつで、取りはぐれたものも多いと気づく。そんなのわかんねーよ、とSと言い合う。夕方、Sと明治通りを歩くと、焼き鳥母屋の壁面のペンキ絵がなくなりペンキ絵があったところすべて電光スクリーンになっていて驚く。Sは昨日納品に来たKIさんと池袋まで歩いているときに気づいたそう。池袋から丸ノ内線御茶ノ水まで。文房堂で額装をお願いする。額は、銀色とチーク材とで悩んだがチーク材に決める。マットも薄い色付きにする。チーク材の額はオーダー制で3月半ばの出来上がりだそう。3月から1.5倍に値上がりするそうで、よかったですね、と店員さん。飯田橋まで歩き、有楽町線で一駅先の江戸川橋まで。缶ビール飲みつつ江戸川橋公園へ、胸突坂をのぼり目白台まいばすけっとで買い物。缶ビール飲みつつ帰る。夕飯は、白菜の水餃子ごぼう春菊舞茸の鍋。映画「イコライザー ザ・ファイナル」観る。シリーズのなかで一番非情、死神みたいで、ぐっとくる。S家泊。

 

2月29日木曜日

曇り。先日のKO会でasさんが教えてくれたイカスミソースでパスタ。トマト缶ひとつを加熱し無印のイカスミパスタの素2人前を混ぜたもの。黒いソースが鍋から飛び散りコンロ周りが黒の点々になる。トマトの酸味がいい。おいしい、とS。Sは往来座へ。絵。大谷くん結婚のニュース。夜、サンシャイン通りユニクロ、西武の無印へ行き、旅行用の薄いダウンを見る。往来座へ。asさん、疲れているru先輩。本搾り。ru先輩が行きたかった石川近代文学館は当分休館とのこと。来年の名画座手帳の人選など。大倉で買い物。夕飯は、ごぼう人参里芋小松菜油揚げ鶏つくね鍋。麦チョコを少し。はっさく。鍋を食べ終えたSがお腹すいたと言いながら、納豆1パックを食べている。ru先輩おすすめのホラー映画「X」見る。最近の映画だが、若ものグループが田舎に行き、いかにもな池や地下室でひどい目にあい、ひとりで行動しないほうがいいのにする、という一昔前のホラー映画を思い出す作り。怖いところで怖そうな音楽流して怖がらせるの当たり前じゃん、とホラー映画が苦手なSがぶつぶつ文句を言っている。S家泊。