断片日記

断片と告知

2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

校正

校正というものをはじめてした。ゲラ刷りを何度も読み返し、訂正する箇所に赤字をいれていく。おかしなことに、はじめの赤字を直すと、次のゲラではまた違う赤字が見つかる。永遠に終わらないのではと思われる作業の積み重ね。編集者の人たちは、本を出すた…

やるじゃないの庶民も

青山のHBギャラリーで久村香織さんの個展「夏の味」を見る。近くのオーパギャラリーで5人展「アニマルジャンボリー」を見る。 HBギャラリーに行って思い出したことを1つ。グループ展をしたときに、鎌倉の名物だという押し寿司を差し入れでいただいた。押し寿…

写真

朝から、古書往来座へ。急遽、顔写真が必要になり、美術書の棚の前に立ち、デジカメで瀬戸さんに写真を写してもらう。あーいい、いいですねー、となにやら怪しい撮影でもしているかのような瀬戸さんの掛け声に顔が笑ってしまう。笑わないで、口開けないで、…

阿佐ヶ谷住宅

秋には取り壊されてしまうという、阿佐ヶ谷住宅を見に行く。阿佐ヶ谷駅から15分ほど歩く。青梅街道を越え、さらに細い道を下っていくと大きな給水塔が見えてくる。それが目印だ。夏の木が繁る中に、玄関や窓を板で塞がれた、阿佐ヶ谷住宅が顔を覗かせる。塀…

猫の気持ち

部屋と部屋の間に、通行の邪魔になるように寝転がる。弱気な猫たちは、私の頭と壁の間数10センチのところをすり抜け、強気な猫たちは、私の腹の上を越えていく。まるで単なる障害物のように、のしのしと私の体を踏んづけていく。そのまま腹の上で寝転がり甘…

夏休み

猫と遊び、漫画を読む。今日1日それしかしていない。夜、遠くの空で花火の音を聞く。

復活

久しぶりに日の出会が復活した。主催者・研ぎ猫さんが腰痛のため、しばらくお休みしていたのだ。このところの「わめぞ」は、腰痛だ、腹痛だ、風邪だと、厄災続き。私が風邪で死んでいるとき「食えば治る」と言っていたのは、この病いで倒れたメンツではなか…

猫に、ご飯

古書往来座の瀬戸夫妻の家へ、夕飯をご馳走になりにいく。古いマンションの最上階に、付け足して作られたような瀬戸さんの家は、周りに高い建物がないせいで、360度見晴らしがよく、空も良く見えれば、風も良く通る、居心地の良い素敵な住まいだ。飼い猫6匹…

大塚女子アパートメント

昼過ぎ茗荷谷へ。改札を出て春日通りまで出る。同潤会の大塚女子アパートメントのあった場所が、更地になっている。取り壊すとは聞いていたけれど、本当になくなってしまったのか。見なければよかったと少し思う。見さえしなければ、私の頭の中の茗荷谷には…

セレクト本屋

いつ乗っても空いている副都心線に乗って明治神宮前まで。青山のオーパギャラリーとHBギャラリーを覗き、渋谷の東急文化村の「青春のロシア・アヴァンギャルド」展を覗く。ニコ・ピロスマニの鹿と白熊の絵がおもしろい。 東急の裏の方に出来たという新しい本…

トーキョー絶滅危惧種、その2

あれから自販機が気になって仕方がない。どの自販機でも良いわけじゃない。エロ雑誌、もしくは普通の週刊誌の売っている自販機だ。自分の町、よく行く町、めったに行かない町を歩きながら、目は自販機を探している。それなのにどこにもない。30数年生きてき…

梅酒

tricoterさんにもらった梅酒。小さな瓶に「07.6.14 梅酒」と書かれた手書きのラベルが貼ってある。焼酎ではなく、ブランデーで漬けたという琥珀色の液体と、大きな梅の実が1つ、その中に入っている。冷蔵庫でよく冷やし、大きな氷をグラスに入れ、ロックで飲…

ワガママな本

アトリエで「大阪京都死闘篇」の挿絵を描く。ヘロヘロな絵を描きたいと思う。ヨボヨボな線で描きたいと思う。人の本でやったら怒られるような絵を、あえて描く。普段やれないようなことを、自分の本ではやりたいと思う。

夏限定

かえる食堂で、いつものみどりのカレーを食べる。デザートは、夏限定のカキ氷を食べる。シロップは「自家製梅酒シロップ」にしてもらう。真っ白いカキ氷と、蜜色の梅酒シロップを良く混ぜて食べる。カキ氷というよりは、上等な梅酒のシャーベットを食べてい…

散髪

髪を切った。20センチほど切った。短い前髪は、さらに短く。そして毛先のパサパサとは、もうおさらば。頭が軽い。快適である。今日の美容師さんは、さばさばとした女の人。寡黙で、でもちゃんと私の欲望を理解して切ってくれる。こうゆう美容師さんは好きだ…

おばあちゃんのトマト

青山にあったナディフが、恵比寿に復活した。サイトを見て、頭に地図を入れる。副都心線で明治神宮前まで行き、そこから散歩しながらナディフを目指す。歩いている間中、ずっと眠かった。パトラッシュ、なんだかとっても眠いんだ、とつぶやきながら歩く。軽…

氷いちご

最近あまり歩いていないなと反省しつつ散歩する。早稲田を歩き、目白を歩き、アトリエまで行く。 途中、早稲田の古書現世に寄る。店の中を覗くと大きなパンダがいる。人の顔を見てうれしそうに手招きしている。芸達者なパンダだ。コンビニで買ったカキ氷アイ…

無理

今を逃してしまうと、おそらくこの先一生読まないであろう本「蟹工船」を読む。せっかくならば気分を出してと、ほるぷ出版の名著復刻版で読む。パラフィン紙が、ガサガサとずれて読みにくい。 蟹工船には乗りたくない、この時代の北海道・樺太の開拓民にはな…

トビ鍋

旅猫雑貨店の金子さんが、「大阪京都死闘篇」の宣伝フラッシュを作ってくれた。わめぞブログのトップ画像がそれ。繰り返し見て、繰り返し笑う。これを見ていると、なんだかトビを捕まえられそうな気がしてくる。おにぎりをエサにして釣って、近くまできたら…

トーキョー絶滅危惧種

物干し台が好きだ。物干し台で真っ白い洗濯ものが風に吹かれて揺れている姿を見るのが好きだ。これはたぶん小さいときの記憶。昔の、建て直す前の家の記憶のせい。昔の我が家には、物干し台があった。1階の屋根の上にちょこんと乗るようにして、鉄製の物干し…

わめぞ文庫創刊

以前この日記で書いた関西旅行記「大阪京都死闘篇」が、わめぞ文庫001号として創刊されます。8月17日のコミケでの初売りを目指し、汗水たらして作っております。まさか、自分で書いた文章が本になり、それを担いでコミケに売りに行くなんてことが、30をはる…

もうISBNはいらない

グループ展にナンダロウさんが訪ねて来てくれたとき、なぜか自販機本の話になった。ナンダロウさんのトークショー「ぼくが『HEAVEN』の住人だった頃」の話からそうなったものと思われ。「HEAVEN」は、80年代初頭に自販機で売られていた、自販機本なのにエロ…

HBギャラリー特別賞展のおしらせ

グループ展、最終日。今日もエスニック弁当を買ってからHBギャラリーに行く。この弁当をギャラリーの裏の小部屋で食べることが、期間中の楽しみの1つだった。1週間の間、狭い部屋で一緒に過ごし、大人数でご飯を食べながら、下らない話しをし、笑っていると…

明日、最終日

今日も午後からHBギャラリーへ。ギャラリーに行く前に、車のワゴンで販売しているエスニック弁当屋に寄る。600円から750円くらいで、エスニックなお惣菜が選べご飯にカレーをかけてくれる。そのどれもが辛い、そしてうまい。この弁当屋が近所にあればといつ…

高級お稲荷さん

七夕。東京の天気は小雨と曇りだけれど、地球のどこかには晴れている場所があるわけで、そもそも宇宙はいつも晴れてるわけで、なので織姫と彦星は毎年ちゃんと会えるのだ。 昼過ぎ、副都心線に乗ってHBギャラリーへ行く。おいしいと評判のお店で弁当を買い、…

ホースの水

家と道路の間、1メートルくらいの幅のスペースに、母が無計画に植えて茫々としている草花に、ホースで水をやる。葉陰から大きな蛾が慌てて飛び立ち空に舞う。虫たちの小さい薄い体なんか溶けていきそうなほど今日も暑い。 外市2日目。朝9時過ぎに往来座に行…

朦朧

外市、初日。昨日にもまして、晴れ、そして暑い。朝9時過ぎに古書往来座へ。手伝っているのか、邪魔をしているのか、解らない。みんなの周りをただうろうろとぐるぐると。そんなことをしている間に、11時になり、開店の時間を迎える。いつもより朝イチでいら…

グループ展、初日。

いろいろあリ過ぎた1日は、言葉がうまくまとまらない。 グループ展、初日。晴れ、そして夏。オープニングパーティ、そして二次会。見に来てくださった方、ありがとうございました。差し入れもありがとうございました。楽しくて、うれしくて、言葉がちゃんと…

明日のために、その1

昼過ぎ、青山のHBギャラリーへ。明日からのグループ展の搬入作業。はじめて会う人たちに挨拶をして、絵を展示していく。全く絵柄が違うのに、全体を見回すと不思議と統一感がある。黒色を使っている人が多いせいか。貼り終わって、ホッとする。重い肩の荷か…

独りはねつき

描いている途中になくなっては嫌だなと思う画材を買い込み、かえる食堂で英気を養ってから、アトリエに行く。黒いオイルパステルを握り締め、絵を描いていく。指先が、手のひらが、手の甲が、黒いパステルで染まっていく。そんな手をしていることも忘れて、…