断片日記

断片と告知

2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

林檎

竹橋の国立近代美術館へ。「現代美術への視点6 エモーショナル・ドローイング」展を見る。企画展を見ると常設展のチケットもくれるので、それも見る。ここの常設展は、学生の頃から何度も何度も見ている。水彩画や日本画などの劣化しやすいもの以外は、ほと…

虹の橋

西武池袋線の桜台駅で降りる。練馬と江古田に挟まれた小さな駅と小さな商店街のある町。とりあえず腹が空いたので、駅の周りを歩きながら飯屋を探す。はじめての町で、知らない飯屋に入るときの、その入る基準。店ののれんがきれいなこと、地元の人たちがひ…

手紙

倉敷の蟲文庫さんより蟲文庫文庫「夏の花」が届く。蟲文庫文庫は店主の田中さんが1冊1冊手作りで発行している冊子で、その存在は蟲文庫さんのサイトや、ナンダロウさんの文章などで知ってはいたのだが、こうして目にするのははじめて。ぴしっと折られた本文…

ナマステ・インディア

代々木公園イベント広場で行われている「ナマステ・インディア」へ。ナマステ・インディアとは、その紹介文に拠れば、今年で16回目を迎える日本最大級のインドフェスティバル、である。野外ステージからは、インド音楽が爆音で流れ、その前で人が踊り、それ…

街道

阿佐ヶ谷駅から中杉通りを歩き、青梅街道を右折。そのまま荻窪方面に歩き、JAの横を左折。古い家並みを道の両側に見ながら住宅街を歩くと電柱に広告が貼ってある。広告の指す方の路地に入っていくと門扉に看板が下がっている。門の奥には普通の古いアパート…

メガネ文士

「外市」のチラシデザインをしている旅猫雑貨店の金子さんから、そろそろ次回のチラシの絵をと言われ、毎回毎回何を描こうかかなり悩むのですが、今回は文士の顔でも描いてみるか、どうせ描くならなるべく面白い顔がいい、メガネ男子なんていうカテゴリーが…

外と内

副都心線に乗り、明治神宮前まで。青山のオーパギャラリーで岡野祥子さんの個展「折に触れる」を見て、そのまま六本木の森美術館まで歩く。六本木に行く途中、通り抜けた青山墓地は、家の近所ではすっかり鳴かなくなった蝉がまだ元気に鳴いていて、墓の隙間…

売れているらしい

神保町へ。三省堂書店と東京堂書店に納品した「死闘篇」。納品してから10日あまり。その後どうなったかしらと、こっそりと見に行く。まずは、三省堂の4階へ。担当のOさんの姿は見当たらず、怪しい人に見られないように、すばやく平台の前に立ち、すばやく在…

みんな夢の中

夢を見た。大阪の環状線の、あれは桜ノ宮駅に着くか着かないかしているとき、車窓から銭湯が見えた。そこがあまりに素敵そうだったので、慌ててホームに降り立ち、次に気づくと銭湯の前に立っていた。素敵そうに見えた銭湯は、目の前にするとそんなに大した…

地震

朝、地震があった。不思議なもので、地震の起こる直前に、いつも目が覚める。体の下の布団の下の家の下の地面の下のもっと下のほうから、不思議な違和感が伝わってくる。上を向いて寝ているときは背中をとおして、下を向いて寝ているときはお腹をとおして、…

おから

本を読むのは、電車の中と、寝る前と。読み終わった本を部屋の隅に積み上げて、さて今夜は何を読もうかと考える。我が家の、積んでは崩し、を見に行けば、一山の半分から、いい具合にぽきりと折れている。本を元通りに積み上げながら、目に付いた1冊を取り上…

妙々々々

渋谷の松涛美術館へ。「生誕100年記念 けとばし山のおてんば画家 大道あや展」を見る。大道あやさんは、丸木スマさんの娘。兄は原爆の図の丸木位里。位里の嫁さんは、女絵描きの丸木俊。そんな人たちに囲まれて、夫を亡くした1年後の60歳から絵を描きはじめ…

八重咲き

今日は、研ぎ猫さんの彼女・ゆうちゃんの誕生日。なので、金曜には1日早いけれど、日の出会なのであります。池袋駅の地下でプレゼントの花を選ぶ。やっぱりバラかな、という無難な心は、八重咲きのひまわりを見た瞬間に消し飛ぶ。すらっとのびた茎の先に、ほ…

親指

ここ数日、足の親指が痛い。歩きすぎか、外反母趾か、痛風か。そのどれもに思い当たる節があり過ぎて、怖い。痛風は女子にはなりにくい病気だとも聞くけれど、誰からも女子扱いされないような人間には、病気も女子扱いしてくれないような気がする。気が重い…

新宿

電車に乗りたくない日、そういう日もある。久しぶりに晴れた日、気持ちのいい風が吹いている日、体が歩けと言っている日、そんな日は、素直に歩くことにしている。 明治通りを南へ進み、新宿まで歩く。世界堂で画材を買い、紀伊國屋書店で「〈熱き時代〉の新…

通販できます

東京、大阪、仙台、倉敷以外のみなさま、お待たせいたしました。「死闘篇」、ついに通販開始です。北は北海道の宗谷岬から、南は波照間島のみなみな様まで、どうぞよろしくお願いします。 通販の詳細、お申し込みは、こちらの「わめぞブログ」をどうぞ。わめ…

空模様

夏の気配が残るうちに、ここの大きな露天風呂に入りたかった。ひばりが丘の銭湯「みどり湯」へ。まだ日も高いお昼過ぎ。念願の露天風呂につかり、高い塀に切り取られた四角い空を見る。青空に、雲が右から左に流れていく。いつまで見ても見飽きない、夏と秋…

アミ

はじめましてのKさん、三省堂の「死闘篇」担当のOさん、立石書店の牛さん、古書現世の向井さん、そして雑司ヶ谷小学校の同級生で現版元のHくん。この不思議なメンツで、今日は飲む。副都心線の雑司が谷駅1番出口で待ち合わせ。そこから歩いて1分ほど。住宅街…

骨まで愛して

朝と夜が涼しくて、蝉の鳴き声が細く弱い。いくら昼間は暑くても、今年の夏ももう終わりか。 アトリエそばの住宅地に出没する野良猫たち。こちらを見て、にゃー、と鳴く、愛想のいい猫の腹を撫でてやる。長い毛に隠れた体は、思ったよりも肉が薄く、体を撫で…

まけまけ

目白のポポタムで、「きんこん土佐日記」の作者・村岡マサヒロさんに会う。「きんこん土佐日記」は高知新聞で連載している4コマ漫画で、現在1巻から3巻まで単行本が出ている。新聞連載とは思えない毒と笑いを含み、作中の会話は全て高知弁、という異色の4コ…

一期一会

「死闘篇」を持って「わめぞ」を歩く。往来座、立石、現世、旅猫、と雑司が谷と早稲田を往復しながら、納品を済ませる。小さく薄い本とはいえ、100冊近く持って歩くとさすがに重い。それでも文句も言わず納品して周るのは、自分の本だからだ。明日ぐらいから…

いつか信太郎を買う

有楽町線の有楽町駅で降り、改札を出て地上に上がる。何度見ても見慣れない、この駅前の変貌ぶり。あのピカピカツルツルしている建物には近寄る気にもなれない。仕方なく、また下を見て歩き、数寄屋橋交差点のところまで来て顔を上げる。自分の中の銀座がそ…

帯を巻く

「死闘篇」を持って神保町を歩く。三省堂書店と、東京堂書店に、納品するためだ。まさか自分の本を持って、靖国通りとすずらん通りを歩く日が、人生の中で訪れようとは思ってもいなかった。本の神様、どうもありがとう。三省堂では4階の地方・小流通出版コー…

印税のばか

外市、2日目。晴れ。今日も朝から暑い。日曜日の朝は、いつもゆったりとはじまる。マニアの方たちよりも、近所の人、通りがかりの人、そして初日に来れなかった人たちが、ゆっくりと本を見ていく。初日の、これぞ古本市、といった雰囲気も悪くないが、2日目…

阿吽の呼吸で

外市、初日。晴れ。じっとりと暑い。古書往来座の瀬戸さんに作ってもらった外市専用機「チョモランマ」。本を入れると、重い、道の段差を越えられない、と1人で運ぶのが無理なので、退屈くんに家まで来てもらい、一緒に往来座まで押していく。ゴロゴロと言…

バカボン

恒例の「外市」前日搬入作業。7時過ぎから参加するも、ほとんど終わっている。往来座代表・瀬戸さんの動きがいつもと違う。無駄な動きがほとんどない。いったい何があったのか、と思うほど、あっという間に搬入し終わる。そして、これまた恒例の前日なのに打…

はらまき

「死闘篇」に帯をまく。いろんな色紙で作った帯たち。カラフルな腹巻を巻きつけられているようで、残暑戻った今日この頃、本たちが暑くないかと心配になる。 「大阪京都死闘篇 武藤良子関西旅行記 完全版」が、東京以外の場所でも買えるようになりました。 C…

前書き

文章とか、本とか、そういうものは、頭のいい人が書くものだと思っていた。頭のいい人が書いた文章を、、頭のいい人たちが読む。私のような、ちょっと足りない人間は、そのおこぼれを拾って読む。そういうものだと思っていた。 そんな私がなぜか今、毎日この…

岐阜県

高田馬場へ。雑誌「WiLL」編集部の川島君と、古書現世の向井さんと、打ち合わせ兼飲み会。川島君の出身地・岐阜県の場所がよくわからず、笑われる。家に帰ってから岐阜県について調べる。日本列島のほぼ真中なんですね。海がないんですね。へー長良川、…

銭湯に未来はあるか

赤羽を歩く。腹が減ったので、とりあえず中華料理屋に入る。厨房と店員の中国語が飛び交うなか、サラリーマンのおじさんに囲まれ、鶏肉のカキ油炒め定食750円を食べる。なかなかおいしい。腹も満たされたので、荒川土手まで散歩する。こないだ歩いたルートと…