断片日記

断片と告知

2009-01-01から1年間の記事一覧

よいお年を

編集者様とデザイナー様へ。今年1年、町を歩き、酒を飲み、銭湯に入るという人並みな生活ができたのも、仕事をくださった皆々様のお陰です。どうもありがとうございました。お金がなくなると途端に獣に戻りますので、来年も何とか人として生きていたいので、…

ジャイアニズム

飲む前に風呂だろ、と銭湯「大塚記念湯」に行く。ぬるめの泡風呂と熱めの薬風呂そして水風呂とを交互に入る。汗が出れば出るだけ酒は美味くなるだろう、といつもよりも時間をかける。のぼせた頭を風にさらして「わめぞ」忘年会会場の雑司が谷「アミ」へと歩…

踏む

すばしっこく生きていた子供時代、うんこを踏むやつなんか馬鹿だ阿呆だと思っていたが、大人になってから2度うんこを踏んだ。どちらも夜道で、どちらも缶ビール片手に酔っ払って歩いていたときだった。1度目のうんこは干からびて固く、踏んだからといってど…

絵に描いた餅

年末に見た展示。 青山のNOW IDeA by UTRECHTで、間芝勇輔さんの個展「往住 ism」を見る。間芝さんは昨年の4月、大阪のiTohenで出会った絵描きのひとり。普段大阪で活動している間芝さんの作品を、東京でまとめて見られることがとてもうれしい。NOW IDeA by …

詩ってなに

夜、大塚へ。Pippoさんが毎月開催している近代詩と詩人を紹介するポエトリーカフェ、の前日リハーサルに参加する。Pippoさんが今回紹介する詩人は、竹内浩三と左川ちかのふたり。近代詩が何かも知らず、竹内浩三は名前は聞いたことがあるがそれ以外知らず、…

うかれ下手

洋菓子屋の前でクリスマスケーキを買う行列に並ぶ人たちと、ここが最後尾ですと看板を持つ人たち。ちょっとしたブーケが安く買える花屋のレジに並ぶ、普段は見ないめかしこんだ男の人たち。クリスマスセールですと叫ぶ売り子たちと、疲れた顔の帰路の人たち…

東京の空

絵の学校に通っていた頃、東京で一人暮らしをする女性と親しくなった。北海道出身の彼女の口からはよく、東京の青空は青空じゃない、と智恵子のような言葉が漏れた。それなら今見ている空は何色なのかと聞けば、これはグレーだ、と言う。言われてみれば真っ…

ふくろ飲み

池袋の東急ハンズのすぐ裏側、美久仁小路と書かれた小さなアーケードをくぐると、バーや飲み屋の看板が立ち並ぶ、昭和の飲み屋街が現われる。その真ん中に安酒場「ふくろ」東口店はある。その場所で、仕事でお世話になった人とめったに会えない人とを招いて…

粘菌生活

次回の古書往来座「外市」は、来年の1月16日(土)、17日(日)の2日間。スペシャルゲストは倉敷の蟲文庫さんです。17日には往来座からほど近い、雑司が谷地域文化創造館・音楽室で、蟲文庫・田中美穂さんと飯沢耕太郎さんのト-クショー「粘菌生活」もおこな…

たまには貸切

都電の向原停留所から大塚停留所に向かって、線路沿いの坂道を下っていく。途中、右手に桜並木がある。唐突にあるその道がとても気になり、並木の下を歩くことにする。駅前から少し離れた住宅街のなぜここだけに桜の木が植えられているのか、歩いてもみても…

死闘篇の続き

所用を済ませて青山へ行く。HBギャラリーで牧野伊三夫さんの個展を見る。ギャラリーの閉店間際に滑り込み、知っている顔に慌てて挨拶をしながら、絵を見る。雑誌や書籍で見る牧野さんの仕事の絵とは違う、もっと自由な世界がここにはある。奥の壁には今さっ…

赤い風車

渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで「ロートレック・コレクション」展を見る。ロートレックの作品だけではなく、ロートレックと同じ時代に生きた人たちの作品も並ぶ。こうして並べて見てみれば、ロートレックの作品からはどこか違う匂いがする。同時代のシェ…

ミロ

御茶ノ水の画廊喫茶「ミロ」で、木村衣有子さんと編集者のMさんと待ち合わせ。時間よりも少し早めに着き、ひとり奥のソファに座り店内を眺める。広くもなく、狭くもない店内には、近所のおば様、スポーツ紙を読むサラリーマン、打ち合わせ中の男が2人、静か…

話の方程式

雨の中、千駄木の「古書ほうろう」へ、トークショー「本を売るだけが古本屋の仕事じゃない!?」を聞きに行く。酒持ち込み可、とブログに書かれていたのを思い出し、途中のコンビニで缶チューハイを2本買う。腹の足しにとおにぎりもひとつ買う。開場を待ちなが…

瀬戸さん

瀬戸さんを知らない人に、古書往来座の瀬戸さんってどんな人ですか、と問われれば、まだ30代前半の、古本屋の店主で、興福寺の阿修羅像にも似たいい男です、と答えます。ですがその短い言葉だけで語れるほど、瀬戸さんは解りやすい男ではありません。郵便配…

大掃除のち海鮮丼

副都心線雑司ヶ谷駅3番出口で待ち合わせ。何度か訪ねているはずなのに道がわからないというAさんを引き連れて、目白台の銭湯「月の湯」へ行く。銀杏の葉が黄色く染める目白通りを踏みながら踏みながら。 今日は1年に1度の、古本市でお世話になっている「月の…

酒の友

農文協さんの雑誌「うかたま」2010年1月号に挿画を描きました。今号の特集は「酒の友」。それに合わせて、イカ、しめ鯖、表紙の題字「酒の友」などを描きました。自分の描き文字が雑誌の表紙を飾るのはまことにうれしく。そして、自分にぴったりな特集で絵が…

江古田ブル会

昼過ぎ、古書往来座で瀬戸さん、王子と待ち合わせ。来年古本屋を開業する王子に付き添い、3人で不動産屋巡りをする。数年前にいくつかの不動産屋を回り南池袋で古書往来座を開業した瀬戸さんは、わめぞ近辺の不動産屋巡りの熟練者だ。顔見知りの不動産屋へ、…

名古屋か谷根千か

トークショーの告知です。今週末に名古屋でナンダロウさんと古書現世のパロパロ向井のトークが、来週末には千駄木の古書ほうろうでナンダロウさん広瀬さんそして古書往来座の瀬戸さんのトークがあります。名古屋の方、名古屋近郊の方、「わめぞ」のジャイア…

板橋に牧場があった頃

池袋の北口にある六ツ又ロータリー、その六ツ又のうちのひとつ明治通りを飛鳥山方面に向かって歩く。大正大学の手前、道路標示に堀割とある小さな十字路を左折する。住宅街の中の、右手の路地の奥に見える煙突に向かって歩けば、銭湯「稲荷湯」がある。見た…

みつを

研ぎ猫さん宅の日の出会へ行く。みちくさ市へも遊びに来てくれた木村衣有子さん、仕事が忙しいはずなのになぜか毎日どこかで飲んでいるNEGIさん、いつものわめぞ民、とそれらに混じり、鬼子母神のそばでステンドグラスの工房をひらいている「時屋」さん、来…

ノラへ

毎月我が家には、月刊誌の「WiLL」が届く。右翼と左翼の違いもよくわからない私の元へなぜ届くかといえば、古書現世の向井透史の連載「早稲田古本劇場」の題字を描いているからだ。連載「早稲田古本劇場」には古本屋とその周辺の日々のことが、淡々とした文…

祝いの日

前日のブログに書いたように、朝はゆっくりと起きてまったりと「みちくさ市」を楽しもう、そして午後からは友人の結婚式に行くのだわとても楽しみ、と朝寝を満喫しているところに、「みちくさ市」の打ち上げをやる居酒屋の電話番号を教えろ、という嫌がらせ…

明日は「みちくさ市」

明日23日は、「みちくさ市」です。今年最後の開催ですので、なんとか晴れて欲しいものです。そしてワタクシ武藤は、友人の結婚式の日と重なりましたので、今回出店はしておりません。そのかわり結婚式がはじまる夕方までの時間、お客さんのひとりとして「み…

キク薬局ガレージにて

「みちくさ市」を開催している鬼子母神通り商店街のキク薬局さんから、ガレージの扉に絵を描かないか、と言われたのは9月の終わりか10月のはじめか。面白そうだからと引き受けたものの、絵柄を考え、屋外の鉄扉に合う画風と画材を考えているうちに、気づけば…

竹輪

たまに行く豚カツ屋の横には広めの駐車場があり、野良猫たちの溜まり場になっている。或るとき見れば、子猫たちが4匹か5匹か、車の間を駆け回り、落ちていたペットボトルのキャップを前足で転がしては追いかけ遊んでいる。そばにいる母猫は、どしりと寝転が…

蛇女

妬み嫉みの感情が、体に黒く溜まっていく。動物園の片隅の、爬虫類館の水槽の中で、何匹いるかわからないほどねじり固まり蠢く蛇を思い出す。いっそのこと、おまえなんか大嫌いだと、声に出せば少しはすっきりするのか、よけい惨めか。そんな話を人にすれば…

わめぞ生誕祭

「わめぞ」の人々との関わりはあまりにも濃く、数十年来の友人たちのように日々会い、飲んで遊んで仕事をしているわけですが、ふと思い出せばまだ3周年なわけです。2006年11月9日に西池袋の中華料理屋「蘭蘭」で飲んだのが全てのはじまり。なのでその日を記…

外市2日間とテロ発言の行方

古書往来座「外市」へのご来場、誠にありがとうございました。天気に恵まれ、お客様に恵まれ、気持ちの良い2日間を過ごすことができました。以前書きました、王子とU-SENの売上対決ですが、8500円差で王子が勝利を収めました。初日はほぼ倍近くの売上差があ…

今日は外市

本日7日(土)と明日8日(日)は、古書往来座の「外市」です。外市前夜、棚に並べられた本たちを見て、これはいつもと確実に違う、と皆の気合に萌えました。もろもろの勝負の行方、さてどうなる。 「外、行く?」 第17回 古書往来座 外市 〜軒下の古本・雑貨縁…