断片日記

断片と告知

2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

羽鳥書店まつり、その後

2月11日から14日までの4日間、駒込大観音で開催された「羽鳥書店まつり」。その打ち上げに呼んでいただき、夜、西日暮里へ行く。大きな居酒屋の大きなテーブルを3卓、羽鳥書店、しのばず、そしてわめぞが埋める。カセットコンロの上にはキムチ鍋が置かれ、…

ことほぎギャラリー

鬼子母神の手前にはけやき並木の参道がある。都電の線路を背にして歩けば、右手に「キアズマ珈琲」があり、その数軒先に気になる家がある。玄関の扉の横に奥行きのあるガラス窓があり、それはどうやら小さなギャラリーのようで、月ごとに展示が変わり、けや…

よその国

あまり飲みに行かない町で、あまり飲む機会のない人たちと、お酒を飲んだ。千駄木で、吉祥寺で、大塚で。いつもと違う町、いつもと違う人たち、はじめて入る店、はじめて食べる料理。ほんの少しの緊張をお酒でほぐす。そして目の前に座る人の、いつもと違う…

瓦礫の向こう

ブログ「谷根千ウロウロ」さんが撮ってくれた、谷中の銭湯「世界湯」の最後。瓦礫の向こうに小さな富士が見える。この場にいたら、たぶん私は泣いていた。bakyung.com - 小林秀雄 庄司薫 倉多江美 矢作俊彦 望月三起也 リソースおよび情報

東京堂書店ふくろう店

お世話になっている東京堂書店の畠中さんが、東京堂書店神田本店3階から、すぐ近くの東京堂書店ふくろう店に移動にされます。それに伴い畠中さんが担当している、地方小出版やリトルプレス、自費出版もふくろう店に移動になります。どんなお店になるのか、と…

熱帯魚

よく歩く道に熱帯魚屋がある。ガラスの引き戸越しに見える店内は蛍光灯で明るく照らされ、店内を埋める水槽も水槽用の明かりでひとつひとつ丁寧に照らされている。しかし、この店で水槽の中を泳ぐ魚を1匹も見たことがない。水槽を売る店なのかとも考えたが、…

丸三文庫

酔っ払った瀬戸さんから、羊三ちゃんのお店に遊びに行こう、と電話があったのは数日前のこと。羊三くんは、丸三文庫の名前で古書往来座の「外市」にも参加している、古本屋を目指す「わめぞ」若手ホープのひとり。その羊三くんがいま、来月3月の店舗兼事務所…

羽鳥書店まつりの日々

2月10日から14日までの4日間、駒込大観音境内で、ひとりの人間の20年分の蔵書1万冊を処分するための古本市、がおこなわれた。この前代未聞の古本市は開催前からあちこちで話題になったが、話題になればなるほど、この古本市を心配する声が周りからはあがって…

廃業と絶筆

地元のよく行く銭湯でない限り、いつ銭湯が廃業するかを事前に知るのは難しい。ある日突然どこかで廃業の知らせを見るか聞くかし、慌てふためき、どうして行かなかったのかと悔いる。 谷中の銭湯「世界湯」の廃業の知らせを事前に知ることができたのは、そこ…

羽鳥書店まつり

絵を描く人間ならば、昨年出版された山口晃さんの『すゞしろ日記』を記憶している人も多いはず。この『すゞしろ日記』を出版したのが千駄木の団子坂上に新しくできた出版社「羽鳥書店」。そしてこの「羽鳥書店の社長、羽鳥和芳氏のおよそ20年分の蔵書」を整…

活版つるぎ堂

不忍ブックストリートで「秋も一箱古本市」を担当している青秋部のおふたりと、荒川区にある活版印刷所「つるぎ堂」の見学へ行く。雑司が谷とはまた違う入り組んだ細い路地の奥、古い建物の入り口に「活版剣堂印刷所」と小さな表札が出ている。引き戸を開け…

ぽつり、と在る

北浦和の埼玉県立美術館で、企画展「小村雪岱とその時代」を見る。資生堂時代デザインした香水瓶、泉鏡花と出会って生まれた装丁の数々、「おせん」「高橋お傳」等の連載小説の挿絵、いずれも楚々として無駄がない。同時代の作家として紹介されている竹久夢…

豆まき

小学生で受験し、中学から私立の女子校に通うことになった。小学校で仲のよかった友人たちはみな近くの公立の中学校へ通い、私ひとり電車に乗り少し離れた女子校に通った。通学の途中、家から駅までの道のりですれ違うとき、ただひとりだけ彼ら彼女らとは違…

炬燵と夕めし

料理研究家が書いたものではなく、それ以外の人たちの書いた料理の本を見るのが好きだ。この人はこんなものを食べているのか、作っているのか、とページから透けて見える生活を見て楽しむのが好きだ。宇野千代の料理本、高峰秀子の料理本、檀一雄の料理本、…

あったか介護・看護のための用語集

大きな書店で働いていたとき、私の担当は、医学・看護・福祉、という専門書だった。担当になったばかりの頃、棚入れして、と言われ、目の前に積んである本が、基礎なのか、内科なのか、外科なのかもわからず、さらにその中の細かく分かれた分野のどこに入れ…