2013-01-01から1年間の記事一覧
白山の交差点から団子坂に向かい、駒込高校の先、くらしのみち、と描かれた亀のマークの看板の前を左折。折れ曲がる路地を道なりに歩いて行くと、突き当たりに大きな銭湯「鶴の湯」が見える。銭湯の前にはベンチがいくつか並ぶだけの小さな公園があり、銭湯…
大阪本庄西のギャラリーiTohenさんの10周年記念作品展に、小さな絵を1枚、出展しています。西のかた、旅行で仕事で大阪に行かれるかた、ぜひお立ち寄りください。近くに気持ちのいい淀川の土手もあります。 *iTohen *開設10周年記念 作品展* 10th Anniver…
あのころ、本はわたしの窓だった。学校帰りの夕食までの数時間、池袋のリブロやアール・ヴィヴァンで、いくつもいくつも窓をひらく。地下に広がる回廊のような店内は、手のなかにだけ窓がある、暗くて明るい場所だった。 金はなく、時間は無駄にある日々に、…
早稲田・古書現世の向井さんが編集しているメルマガ「早稲田古本村通信」に「バイバイ、レンゲ畑」を書きました。メルマガを読んでいない方のために、こちらにも転載いたします。早稲田古本村通信の登録はこちらから:http://www.mag2.com/m/0000106202.html…
季刊『うかたま』の連載gohan×shikiの頁に柿の挿絵を描きました。9月5日発売です。うかたま.net [季刊 うかたま] 更新に不便なサイトから、更新しやすいサイトへ、と、絵の仕事用のサイトを作り直しています。日々のことや展示の告知はこのままこちらへ、絵…
向田邦子を教えてくれたのは、高校二年と三年の同級生だったA子だ。席が近かったのと、下から数えたほうが早い成績が近かったのとで、話すようになったのだと思う。将来文章を書く人になりたい、と言っていたA子は、学校の成績は悪かったがよく本を読み、…
昨年の夏、青山でヒッチハイクをしている若い男に出会った。よく焼けた肌、頭にまいた白いタオル、小柄な体にだぶだぶのTシャツを着、北へ、と黒のマジックで雑に書かれたダンボールを手に、246沿いに立っていた。 缶ビールを飲み酔っ払いながら歩いていた気…
陸前高砂駅から蒲生干潟までの七北田川沿い。川沿いの道から、小さな平屋の一軒家が見えた。波にさらわれた跡の残る、人気のない家が並ぶなかに、その一軒だけ、車がとまり、洗濯ものが干され、ひとの暮らしの気配が見えた。開け放された玄関から、周りを気…
目白のブックギャラリーポポタムでのグループ展、「おっぱい展」がはじまります。おっぱいをテーマにした作品ばかり並んでおります。あんなおっぱい、こんなおっぱい、作家たちのいろんなおっぱいを観にいらしてください。ちなみにワタクシ武藤は自画像を出…
目白のブックギャラリーポポタムの企画「赤い展示」が高知県ではじまります。会場は知る人ぞ知る沢田マンション。いつか必ず行ってみたい場所のひとつです。わたしより先に、まず赤い絵が、沢マンにお邪魔します。高知県のみなさん、旅行で仕事で行かれるみ…
目白のブックギャラリーポポタムでの個展「武藤良子 虫干し展」は、本日17日より開催です。みちくさ市に合わせて5日間だけの展示ですが、5日間だけではもったいないと思える、面白いものなりました。作品は即売で、日々壁の表情がかわっていきます。何度も足…
今週末開催の鬼子母神通りみちくさ市に合わせ、目白のブックギャラリーポポタムで個展をいたします。新作はもちろんですが、未発表作品から仕事で描いたものまで、幅広く展示いたします。日々変わっていくギャラリーの壁も楽しいのでは、と、作品はすべて即…
山形県の米沢で、林哲夫さんと二人展をすることになりました。お近くのみなさん、旅行で行かれるみなさん、よろしくお願いいたします。 林哲夫×武藤良子二人展 ■日時 2013年5月10日(金)から13日(月)まで ■場所 ギャラリーパセオ 山形県米沢市桜木町2-55 http…
『小説新潮』2013年4月号に掲載の、重松清さんの小説「あの町で」の扉絵を描きました。小説新潮 | 新潮社 『はじめてであう日本文学1 ぞっとする話』の各章扉絵と挿絵を描きました。こちらは、はじめての木版画での仕事てす。http://www.amazon.co.jp/%E3%8…
今週末の土日は、鬼子母神通りみちくさ市です。古本市、古本フリマ、トークショー、スタンプラリーと、もりだくさんの2日間です。雑司ヶ谷の熱い2日間、ぜひ遊びに来てください。 ***第20回鬼子母神通りみちくさ市*** 2013年5月で20回目の開催…
季刊『うかたま』2013vol.30春号の、結城登美雄さんの連載「gohan×shiki いのちの春」に、ふきのとうの装画を描きました。本屋さんでぜひ。うかたま.net [季刊 うかたま] 雑誌『文藝春秋』の名物コーナー「同級生交歓」の頁に、雑司ヶ谷小学校の同級生でいま…
高田馬場駅から早稲田通りを早稲田大学方面に向かって歩く。明治通りを越えたあたりから、道の両脇に古本屋が並びだす。グランド坂とぶつかるあたりで、早稲田通りは大きく右折する。その右折の角に、銭湯「松の湯」はある。 入り口はタイル張りのビルのよう…
2月24日に廃業する、世田谷区太子堂の銭湯「清水湯」へ行く。三軒茶屋駅から茶沢通りを抜けしばらく、左手にコインランドリーを見つけ、空に大きな煙突を見上げる。茶沢通りに面しているのは黄色い屋根のコインランドリーと男湯側の風呂の窓か。コインランド…
雑司ヶ谷のアトリエから小石川図書館に行くとき、よく前を通る。通るたびに屋根の上が気にかかる。銭湯「大黒湯」の屋根の上には、八角形の湯気抜きがある。銭湯の洗い場の屋根に突き出る部分を、湯気抜き、と言うのだとも、大黒湯の紹介文ではじめて知った…
先日、「みんなで決めた『安心』のかたち」(ポスト3.11の「地産地消」をさがした柏の一年)を編集した柳瀬くんと友人たちと、本のなかに出てくる柏周辺の場所を、いくつか訪ねて周った。 自然農園レインボーファミリーさんでは雪に埋もれた畑を見せていただき…
父は厭わない人だった。 わたしが子どものころ、山の好きな父に連れられ、家族でよく山登りに出かけた。春のはじめなら山菜を摘んで家に帰った。普段台所には立たない父だったが、採ってきた山菜を、洗い、あく抜きし、ときにはすり鉢ですりおろしていた。料…