断片日記

断片と告知

2014-01-01から1年間の記事一覧

アンデルセンの小さな15冊の本展

アンデルセンを題材にしたグループ展に参加します。絵描きとデザイナーが組み、1冊の小さな本を作ります。わたしは「もみの木」という話を選び絵を描きました。年末らしい華やかなグループ展になりました。ぜひご来場ください。原画と小さな本、どちらも販売…

ひめりんごの枝

アトリエとして借りているアパートから歩いて五分もかからないくらいだろうか。いくつかの駅に歩いても行けるが、どこの駅からも少し不便な場所に、小さな商店街が生き残っている。 この地域で一軒だけ残る銭湯をほぼ真ん中に、肉屋魚屋八百屋パン屋惣菜屋飯…

BOEES 2014/09/06 in 夏葉社まつり

9月に行われた夏葉社まつりでのBOEESライブの様子、youtubeにupいたしました。あの日の熱気、あの日の空気。こうしてきちんと記録に残るのがとてもありがたいです。 赤いスイトピー以外の2曲はBOEESのオリジナル曲です。2曲目の函欠帙欠は丸三文庫・藤原主任…

THE CAT DAYS

秋田での猫を題材にしたグループ展に参加いたします。わたしは秋田川反の野良アイドル猫、キモスイを描きました。Tシャツ、トートバッグなどにシルクスクリーンでプリントし、お持ち帰りできます。色柄サイズも選べます。猫好きのみなさんのたくさんのご来場…

夏葉社まつり

夏葉社まつりに、あの噂の、妄想の、幻の、放送事故の、都市伝説のバンド、ボエーズが出るんです!!! ***夏葉社まつり*** ひとり出版社の先駆け、夏葉社さんが8月31日で5周年を迎えます。 それにともない9月6日(土)、阿佐ヶ谷と荻窪の2駅をまたいで…

夢行脚 - 俳人・諸九の恋

『夢行脚 - 俳人・諸九の恋』(浮穴みみ著・中公文庫)の装画を描きました。江戸時代に実際にいた俳人、諸九の生涯を追った一冊です。装画は昼顔を描きました。8月23日発売です。本屋さんでぜひどうぞ。 Amazon CAPTCHA

猫の歳月

路地の奥に建つ風呂なしアパートをアトリエとして借りてから三年と少し経つ。路地と空き地と古い家が建ち並ぶこの辺りには、人だけではなく、人の暮らしの隙間に猫がたくさん住んでいる。野良も首輪をまいたのも、車も人ものんびりしていると知っているのか…

隣りの引越

こんにちは。こんにちは。彼女は洗濯ものを干しながら、わたしは鍵穴へ鍵を差し入れながら挨拶をかわす。いつもはそれだけで終わるはずが、今日、彼女は口ごもりながら先を続けた。 あの。転居するの。 彼女は引越先の町の名前を言ったようだが、小さな口か…

オレンジページ

雑誌「オレンジページ8/2号」の巻頭特集、「やせ素材」でほぼ100kcal台おつまみ!、にイラストと文字を描きました。手軽に作れて美味しそうなつまみばかりです。本屋さんでぜひどうぞ。http://www.orangepage.net/books/919 NHK連続テレビ小説「花子とアン」…

東京ベンチ

砂金一平さんとは佃島の相生橋のたもとにある福祉施設で出会った。古本屋の友人たちが参加する、あいおい古本まつりの会場が、一平さんの働くその施設だったからだ。 リーゼントに細身のスーツを着て働く一平さんも、運河沿いに建つ見晴らしのいい建物も、福…

asta*

ポプラ社の月刊PR誌「asta*」の絵封筒のコーナーをご存知でしょうか。毎月いろんな方が封筒を自作し、誰かへ宛てた手紙を書き、その手紙をポプラ社気付で送ります。 わたしは2014年7月号に、10代を過ごした大切な友人、ゆみえさんへ宛てた手紙を書きました。…

タイムマシン

4月の中旬に秋田へ、5月の連休に長野の山へ行った。東京ではとっくに散ったソメイヨシノが、秋田では咲きはじめ、長野の山ではちょうど散るころだった。 秋田ではよくツクシを見かけた。道路や駐車場の脇にこれでもかと生えていたが、採る人は見かけなかった…

BOEES通販

3月にポポタムで、4月に秋田の6jumbopinsで開催し好評だった妄想ロックフェスが通販で帰ってまいりました。秋田の6jumbopinsさんのサイトで、いろんな作家さんの妄想上のバンドTシャツを買うことができます。お申し込みは下記のサイトから。 ワタクシ武藤はB…

また別のY字路

もうずいぶん昔の話だ。 中学高校の六年間をすごした友人から電話があった。卒業してから数年、彼女から電話がくるのははじめてのことだった。誘われて会うことになった。彼女の指定した待ち合わせ場所は、青山の骨董通りの入り口にあるマックスマーラの前だ…

あつあつを召し上がれ

『あつあつを召し上がれ』(小川糸さん著・新潮文庫)の装画を描きました。装画には、ななつの短編集のうちのふたつめ、親父のぶたばら飯、に出てくるしゅうまいを描きました。 「じゃあ、ビールを一本頼んで、しゅうまい食べて、その後ふかひれのスープで、最…

微々

秋田で小さな展示です。小さいので名前は「微々」としました。新作と旧作を合わせていくつか持って行きます。搬入を兼ねて、18・19・20日の3日間、秋田へ行きます。秋田の桜開花日は4月19日だそうで、昼間は半袖でも過ごせる東京から、桜が咲く前の秋田へ、…

コンビニの彼女

清澄白河で演劇を観た帰り、駅前の居酒屋で、同じく演劇を観に来ていた顔見知り数人と飲むことになった。どうしてその話題になったのかは覚えていないが、ひとりの男が、チェーン店やコンビニで働く人たちはみんな同じに見える、マニュアル通りにしか話さな…

酒屋の猫、夕方の酒

確定申告の升目を埋め終えて浮かれていた。冷蔵庫の豚バラと白菜と、あと一品、もやしでも買って鍋にしよう、とアトリエを出た。面倒を片付け終えた夕方、スーパーまで手ぶらで歩くのは寂しかった。近くのコンビニは重宝だが、缶ビールがいつもぬるいのが腹…

週末の過ごし方

今週末の2日間、まだ予定のないかた。雑司ヶ谷と西池袋周辺を歩きませんか。 ***3月22日土曜日*** 推奨散歩コース:ポポタムからココナッツディスク池袋店へ ■妄想ロックフェスin西池、開催中! 秋田のTシャツ工房・6jumbopinsによるシルクプリント実…

妄想ロックフェスin西池

一昨年、秋田のシルクスクリーンTシャツ工房「6jumbopins」さんで大好評だったイベント、「妄想ロックフェス」が西池袋のポポタムにやってまいります。作家の妄想上の、架空バンドTシャツ、架空バイオグラフィーがポポタムの壁面を飾ります。お気に入りの妄…

アートフェア東京2014

かっちり形のある絵を描く仕事が続くとそうでない絵が描きたくなる。色や線の配分を追いかけて紙のうえで遊びたくなる。サーカスみたいに愉快でいかがわしくて寂しい絵は描けないものか。なにが描いてあるのかわからないのに、ずっと見ていたくなるような絵…

固有名詞

年の近い友人たちとの会話の途中、たびたび言葉につまるようになった。ほら、こないだのあれ、えーと、なんだっけ。そんな言葉が会話の途中にいくつも挟まる。作家や有名人の名前、本や映画の題名、店の名前や地名など、友人もわたしも、会話につまづくこと…

夜の一ぱい

毎月、雑誌の目次ページに、季節の野菜や果物を描いている。次号は春らしいものを描こうと、八百屋で千葉産の菜の花を買ってきた。しおれた葉をもどすため、描く前にまず、水を張ったコップに投げ入れしばらく置いた。 絵を描くあいだに葉が伸びてきた。描き…

見立て遊び。料理と野球。

料理の本ばかり扱う古本屋が近くにできたと聞き、知人と訪ねることにした。一軒家を改装したという店は、店というよりも、本棚の並ぶ居心地のいい住まいのようだった。棚を眺め、安く飲める昔ながらの食堂を紹介した本と、はやりの店主が簡単に作れるつまみ…

遠くの枝

家が近くだから、同じクラスだから。そんな子どものころの大雑把な輪と違い、年を経てできた友人たちは、どこかいまの自分と似ている。理科の教科書に載っていた生物の進化図みたいに。海からあがった生き物が、虫になり鳥になり獣になり人になり、さらに細…

魚の絵

昨年末に出版された2冊、『魚料理のサイエンス』と『バイオリニストに花束を』です。どちらの文庫も装画を描きました。今年もたくさん絵の仕事ができますように。よろしくお願いいたします。 http://www.shinchosha.co.jp/book/125611/ バイオリニストに花束…