断片日記

断片と告知

鴨川

個展の搬入、トークショーのほかに、何も予定を立てていかなかった。少しの古本屋とギャラリーを周り、夜に誰かと飲んでしまえば、ほかにすることがなかった。京都にいる間、宿泊先の清水五条から出町柳のあたりまで毎日、鴨川の右岸と左岸を歩いてばかりい…

松尾様

個展で京都を訪れたさいのこと。東京から遊びに来た女友達と、仕事で関西に来ていた男友達と、夜に落ち合い、飲む約束をした。しかし目当ての酒場は満席で入れず、地理に疎い街でほかに行く当てもなく、夜の川端通りに立ち尽くし、女友達の広げるガイドブッ…

萎むハワイ

はっちこと、橋本倫史くん編集の「hb paper」003号に、文章と挿絵を描きました。店頭に並ぶのは8月11〜13日頃だそうですが、すでに予約は受け付けています。今なら送料無料だそうです。HugeDomains.com - Shop for over 300,000 Premium Domains 下記は、短…

仙台へ

盛岡から帰ってきたばかりのような気もしますが、明日から3日間、仙台へ行ってまいります。仙台の本に関するイベント、Book! Book! Sendaiでの一箱古本市に、今年も参加いたします。古本市を口実に、毎年、いろんな街のいろんな人に会いに行けるのが、とても…

明日から小布施へ

小布施の図書館まちとしょテラソで行われる古本市にわめぞで参加いたします。わめぞは、かんてんパパ、という寒天屋さんのお蔵をお借りして古本を売ります。高円寺・ハチマクラさんのかわいい雑貨も売ります。長野のみなさん、他の町から遊びに行くみなさん…

ただいま食事中

アトリエの冷蔵庫を開けると、秋味、と印刷された缶ビールが2本入っていた。しばらく前、差し入れに貰ったまま、飲まずに忘れていたものだ。1日仕事のゲラを読み、食べものがたくさん出てくる話だからか口寂しくなり、夕方、冷蔵庫を開け、缶ビールの爪にカ…

鹿児島へ

今日から8月6日まで、個展に合わせて鹿児島旅行に行ってまいります。メール等が見られなくなります。急ぎの連絡は携帯電話までお願いします。

6月の仙台は本の月

仙台の本のイベント「Book!Book!Sendai」が今年も開催されます。「わめぞ」は昨年第二回目の「B!B!S」に参加し、サンモール一番町の商店街で古本を売りました。その前年は「火星の庭」と「マゼラン」の店先を借り、古本や雑貨を売りました。 「わめぞ」…

上田六文銭の旅その2

朝9時、ロビーで待ち合わせ。コンビニで朝飯を買い、千曲川の土手に行く。4人で土手に座り、黙って朝飯を食べ、黙って朝の千曲川を見る。川の向こうの太陽がまぶしい。東京に比べて上田の太陽はやけに大きくまぶしく見える。 Kさんの家に行き、Kさんの家の…

上田六文銭の旅その1

10時過ぎの新幹線で、上野を出る。荒川を越え、高崎までの平らな地面を、新幹線が走る。平らの地面の向こうに、遠く薄く見えていた山が、トンネルをいくつか抜け、近く濃くなり、上田に着く。駅前は、整備されたきれいなロータリー。マクドナルド、ローソン…

中落ち仙台2日目

チェックアウトは11時とゆっくり。朝風呂に入り、ぼんやりとテレビを見てから、ロビーにおりる。ソファにはすでにパロパロ向井の姿。ドラマの「ママはニューハーフ」を見ていたと報告すると、パロパロ向井は時代劇の「あばれ八州御用旅」を見ていたと言い、…

中落ち仙台1日目

朝8時半起床、9時半に家を出る。池袋駅の山手線のホームに着くと、この旅の同行者、古書現世のパロパロ向井が人待ち顔で立っている。パロパロ向井は「火星の庭」の前野さんたちに会いに、わたしはさらに、前回の仙台行きでうまくて悶絶したマグロの中落ちの…

倉敷滞在記まとめ

今さらですが、倉敷滞在記、書き終りました。さかのぼって読んでいただけるとうれしいです。 瀬戸内海またぐ:倉敷滞在1日目 用水路と花崗岩:倉敷滞在2日目 赤かぼちゃ:倉敷滞在3日目その1 あれがアートや:倉敷滞在3日目その2 「I♥湯」:倉敷滞在3日目…

さよなら倉敷:倉敷滞在4日目その2

蟲文庫に戻り、赤福を食べたり、亀のツブを眺めたり。ツブは、体の大きくなった今も、子どもの頃に通れた隙間を通り抜けられると信じている。狭い隙間に頭を突っ込み、甲羅が邪魔してそれ以上入ろうとしても入れず、だが諦めず、押された何かがツブと一緒に…

亀も猫もみな歩く:倉敷滞在4日目その1

川の字の中で、誰よりも早く寝た魚雷さんが、朝、誰よりも早く起きている。7時ごろ、散歩に行ってきます、と外に出て行くのを、布団の中から見送る。なんとなく目が覚めたわたしは、布団の上で、昨晩までの出来事を、ざっくりとノートに書いていく。掛け布団…

家のご飯:倉敷滞在3日目その4

8月11日。倉敷滞在3日目その4 直島銭湯「I♥湯」に入り終え、直島へ来た目的は済んでしまったが、フェリーの時間にはまだ間がある。せっかくだから「はいしゃ」も見て行こう、と島の反対側の本村まで歩く。「はいしゃ」は港から歩いて20分ほどの、本村の入り…

「I♥湯」:倉敷滞在3日目その3

8月11日。倉敷滞在3日目その3 昼飯を食って、港で海を見て、足元で揺れるミルククラウンのような海月を見て、港の警備の人に海に落ちないようにと注意されて、正面に見える三角の島の名前が知りたくて聞きはぐって、その向こうに二往復した瀬戸大橋が見えて…

あれがアートや:倉敷滞在3日目その2

8月11日。倉敷滞在3日目その2 売店で缶ビールを買い、直島上陸を祝って乾杯する。今日一杯目のビール。船着場の喫煙所で煙草を吸う王子の横で、瀬戸芸のTシャツを着たスタッフのおじさんも煙草を吸っている。このおじさんに、どこか安くて美味い昼飯屋は、…

赤かぼちゃ:倉敷滞在3日目その1

8月11日。倉敷滞在3日目その1。 8時半、ホテル1階のバイキングへ行くと、すでに王子が朝飯を食っている。今日行く直島の飯屋状況がわからないから朝飯はしっかり食べよう、と昨晩誓っていた気もする。バイキングには毎日違ったスープが出るが今日はミネスト…

用水路と花崗岩:倉敷滞在2日目

ホテルの1階でバイキングの朝飯を食べる。まだ寝ているのか、朝飯の場所に王子の姿は見当たらない。スクランブルエッグ、ソーセージ、をバターロールにはさみ、オレンジジュースで飲み下す。10時、ロビーで王子と待ち合わせ。岡山駅まで、また桃太郎大通りを…

瀬戸内海またぐ:倉敷滞在1日目

出かけるときの雨ほど嫌なものはなく、それが旅立ちの朝ならなおさら嫌だ。やむ気配もなく、仕方なく折り畳み傘をさし、待ち合わせの場所・古書往来座に向かう。朝5時。時間に少し遅れて黒い傘をさした王子が現われる。今日から4日間、倉敷・蟲文庫へ、個展…

松島、塩竈、国分町、仙台の1日目

早朝5時15分、古書往来座前で雑司ヶ谷住民の、瀬戸さん、王子、U-SENと待ち合わせ、6時22分発の新幹線に乗るため上野を目指す。池袋まで4人でゆらゆらと歩く。長い髪をバサリとおろした王子、せんとくんのような仏像顔の瀬戸さん、この2人が並んで歩く姿は漫…

仙台へ

今年もまた仙台へ行きます。古本市に参加してまいります。仙台の方、お近くの方、19日土曜は仙台のサンモール一番町商店街へ。わめぞ民が古本売ってます。どうぞよろしく。 《Book ! Book ! Sendai 2010》 ■Sendai Book Market わめぞ、仙台へ! 日時:6月19…

先走りじゃない仙台4日目

昨晩買っておいた朝飯を食べる。ヨーグルト、バナナ、パンにお茶。畳んだ布団に寄りかかりながらもぐもぐと食べる。食べているうちに目が覚めてくる。リコシェの豆ちゃんが、名前通りのマメさで、風呂場の排水溝に絡まる陰毛掃除をしている。この誰が誰だか…

先走りじゃない仙台3日目

古本縁日、初日。すでに仙台入り3日目だが、おかしなことにまだ初日なのだ。書本&cafe magellanでの販売組みは、すでに合宿所を出ている。火星の庭での販売組みは、ゆっくりと家を出る。どこかで朝飯をと火星の庭近辺を歩き回るが、喫茶店ひとつない。定禅…

先走りじゃない仙台2日目

メグたんを起こす健一さんの優しい声と、ぐずってなかなか起きないメグたんの声で目が覚める。前野さんちのベランダから、目の前に広がる山並みと広瀬川を見る。このベランダは朝でも夜でも本当に気持ちがいい。 10時過ぎに前野さんの家を出て、仙台駅前に…

先走りじゃない仙台1日目

早朝、家を出る。7時10分上野発、9時仙台着の新幹線に乗る。仙台に着くと小雨が降っている。思った以上に肌寒い。 9時半には火星の庭に着き、厨房にいた健一さんに挨拶をする。大きなダンボールで送っておいた絵はすでに箱から出され、壁際に並べられて…

松島塩釜計画

6月7日におこなわれたシークレット・ワメトークの模様はこちらをどうぞ。http://d.hatena.ne.jp/wamezo/20090614http://d.hatena.ne.jp/beniya/20090607書肆紅屋さん、ありがとうございました。 先走り仙台一人旅のあとがき。あまりにも突然仙台に行ったた…

日の出会だ

久しぶりの日の出会へ。研ぎ猫さんちの開けっ放しの玄関を覗くと、1階の食事処には誰もおらず、なぜか2階の部屋から歓声が降ってくる。断わりもなく我が家のように上がりこみ、2階に通じる階段をのぼる。2階の小さな6畳間が、いつのまにかビリヤード場…

前歯

サンシャイン60の近くを歩いていると、口からダラダラと血を流して呆然と立っている若い女性がいた。女性の前には年のころ同じくらいの若い男性が向かい合って立っていた。さらに、その2人のそばには、フリフリの洋服を着たおばさんなのか若いのかよくわか…