断片日記

断片と告知

お年玉くじ付き年賀状と廿世紀浴場

今年の自家製年賀状には自家製「お年玉くじ」を付けました。無地の紙にネズミの絵を刷り、宛名面には年始の挨拶と自分の住所を刷ったのですが、何か物足りない。考えていると、昨年友人からもらった年賀状で2等のふるさと小包が当たったのを思い出しました。これがとてもうれしかったのです。なので、自分の作った年賀状にも、自分のお年玉くじを付けてみようと。そして、これがとても好評でした。絵よりも、宛名面の方が好評というのもちょっと悲しいのですが、でもうれしいです。がんばって作った甲斐がありました。
なるべく自分の意思とは無関係に番号を選びたいと思いました。通りがかりのNさんにちょっと聞いてみました。好きな数字は何ですか?「・・・3・・・と・・・7・・・。」と言うわけで、今年の栄えある1等賞は「037」の方です。おめでとうございます。番号の控えは一切とっていないので、この番号が誰宛の年賀状かわかりません。もし、こちらを見ていたらm.rまでご連絡ください。1等賞と書きましたが、2等賞以下はありません。ごめんなさい。ちなみに1等賞の商品は、ミニミニ原画(額付き)です。ハワイ旅行とかでなく、申し訳ないです。左上のリンク集m.r.factoryのHPからメール送ることができます。当選連絡、おまちしています。
上記の文章を書いた後、電話がありました。「ラジオで聴いたんだけど、廿世紀浴場が昨年末で廃業したって。」ぎゃーーーーーーーー。廿世紀浴場と言えば都内最古のアールデコ銭湯、銭湯マップを買う前そして買ってからも憧れの銭湯no.1のところだったのに。いつか行くぞと楽しみにしていた銭湯だったのに。あんな歴史的建造物がこんな目の前でなくなるなんて思ってもいなかった。悔しくて涙が出る。いてもたってもいられなくて、とりあえず電話してみる。「はい、廿世紀浴場です。」あの、昨年末で営業を辞められたとか・・・。「はい、12月31日で廃業しました。」えーっと復活イベントなんかはないのでしょうか。「廃業しましたので、そのようなものはありません。」中を見せていただくことは・・・。「引越しの作業中なので、見せれる状態ではないんですよ。」それではあの建物は?「近いうちに取り壊す予定です。」がーん。忙しい最中に電話にでていただいて、しかも親切に対応していただいてありがとうございます。でもこの苦しさをどうしてくれよう。部屋で暴れていてもしかたがないので、行動することにする。銭湯マップを鞄に入れ、都営荒川線に飛び乗り終点、三ノ輪で降りる。そこから歩いて10分、路地の奥に廿世紀浴場を発見する。あぁ、いい。ものすごく、いい。どうして去年来なかったんだろう。どうしてみすみす入りそこなったんだろう。自分の情けなさに腹が立つ。建物の周りをぐるぐると回りながら写真を撮る。入り口のガラス戸の隙間から少しだけ中が見える。「殿方」「婦人」と書かれた入り口、傘入れに、靴箱が見える。これより先に入れないのが、悔しくて、悲しくて、涙が出る。このラジオで話していたのは、あの町田忍さん。どうして今なのよ。どうせなら廃業する前に教えてよ。数週間前まで入ることができたなんて、余計悔しくて悲しいじゃないの。そのラジオによると、都内の銭湯は1週間に1軒の割合で廃業しているらしい。こうしている間にも、どこかの銭湯がのれんを閉まっているのかと思うと、いてもたってもいられなくなる。そうゆう話をしているときに、残念だね、もったいないね、などと話すだけの人にはなりたくない。とにかく1つでも銭湯に行く、お金を払う。なくなって欲しくないものには、自ら行動する。とりあえずみなさん、近所の銭湯に行ってみませんか?
廿世紀浴場