断片日記

断片と告知

食いだおれ

有楽町線に乗って月島へ。スーパーの2階にある銭湯「月島温泉」へ。入り口が目立たず一度通り過ぎ、商店街はずれの酒屋さんに聞いてやっと発見する。今まで行った銭湯の中で1番小さい。脱衣所も洗い場も小さく、その狭い場所におばちゃんたちがうわーんといて、ものすごく活気がある。おばちゃんたちが笑っていたエロ都々逸もどきをひとつここに。「後家さんたまにはするがよい。死んだ亭主の墓参り。」
月島から勝鬨橋を通り築地場外へ。路地のあちこちを覗く。いろんなへんてこなものが売っていて楽しい。おいしそうな卵焼き。揚げたてだよ、と言われて卵焼きのフライなるものも買ってみる。アツアツフワフワしていてうまい。高知県のアンテナショップなんてものもある。物色しているとレジのすぐそばに「ぼうしパン」が売っていた。高知新聞に連載している4コマ漫画「きんこん土佐日記」の中に何度か出てくる「ぼうしパン」。漫画の主人公の1人、おばあちゃんが周りだけ食べて中身を残す、という描写が何度も出てきて不思議でしょうがなかった。買ってみた。食べてみた。そしてわかった。外側はうまい。内側はすかすかしている。まさか築地の場外で高知のパンの謎が解けるとは思ってもいなかった。うれしい。せっかくなので寿司でも2つ3つつまむかと寿司屋に入る。昼から飲むビール、うまいなぁ。お寿司もぱくり、うまいなぁ。2つ3つつまんで出る予定が、おいしくて手が止まらない。結構な量を食べたのに値段も手ごろでうれしくなる。
歌舞伎座の前を通り、銀座、京橋、日本橋、神田、秋葉原、神保町まで散歩。昔からの小さなお店が残る街は歩くのが楽しい。途中、神田須田町万惣フルーツパーラーに寄る。もちろん頼むのは70年焼きつづけているというホットケーキ。テーブルにホットケーキの食べ方が記されている。2枚重ねのケーキをずらし、そのどちらにもバターをたっぷり塗り、また重ねて重ねたままナイフで食べやすいように切る。そして最後にシロップをたっぷりかける。なるほど。その通りに食べてみる。懐かしい優しい味がする。バターもシロップもたっぷりついてくるのもうれしい。お店が落ち着いた雰囲気なのもいい。
神保町から地下鉄に乗り曙橋へ。銭湯「塩湯」を目指すが目の前まで来て休みと気づく。仕方ないので四谷三丁目そばの銭湯「蓬莱湯」へ行く。古くて天井が高くてほとんど改装されていなくてすばらしい。こうゆう銭湯に入るとホッとする。珍しいのは女湯のペンキ絵が富士山だったこと。柱の木が塗装されていなくて木目のままだったこと。湯船が半円形だったこと。古いタイルもいい。明り取りの窓も大きい。今度は昼間にこようと思う。
新宿まで歩き、沖縄料理を食べて帰る。今日は良く歩き、食べ、お湯に入った1日だった。
月島温泉
蓬莱湯