断片日記

断片と告知

わめぞ忘年会

今年の「わめぞ」の忘年会は、西池袋の中華「蘭蘭」の別館。いつも使う西口本店も良いのだけれど、店長に、カラオケあるよ、2次会に行くてまはぶけるよ、と別館の地下の個室をすすめられた。
予約の時間より少し早く別館に行く。前を歩いていた退屈くんをつかまえ、一足早く個室に落ち着き、生ビールで乾杯をする。地下の個室は定員20人くらいの、壁に薄いテレビが2台の、パソコンもつなげそうなアンテナのたつ、中華風の飾りにいまどきの設備が混ざった不思議な部屋で、飲み食べるよりも、悪い人たちが内緒で悪い相談をするのが似合う。
少しずつ集まる「わめぞ」民。乾杯はとりあえず瓶ビールでする。厨房にひとり、フロアにひとりだけの今日の別館は、注文をしたものが思ったように出てこない。そのたびに、「アミ」にいるつもりで、ここは「アミ」だから、と、大人数で押しかけると必ず慌てふためく「アミ」のママさんを思い出し、それなら仕方がない、と笑う。
個室で周りに迷惑がかからない分、話題はいつも以上に過激に走る。パイプカット、伊藤リオン、海老蔵、永嶋ヒロ、ネオナチ。出る話題に脈絡がなく、どれもひどいが馬鹿馬鹿しく楽しい。4時間以上飲み続け、三本締めで解散をする。外市みちくさ市の打ち上げに来られない人たちも参加する忘年会は、年末の気分に特別が加わり、飲むのはいつもと同じでも、やはりどこか気分が違う。
電車で帰る人たちを駅まで見送り、いつの間にかその他の人々とははぐれ、歩いて雑司が谷に帰る4人で、西池袋の東武百貨店に沿って歩く。退屈くんが、そう言えばあっちの通路って雑司が谷ガードって入り口に書いてあるんですよ、と、池袋の西と東を結ぶ、WEロードを指して言う。雑司が谷よりのビックリガードならともかく、北池袋のWEロードが雑司が谷のわけがない、と早く帰りたがる女子を無理に引き連れ、4人でWEロードを見に行く。西側の入り口にかかるプレートの、雑司が谷ガード、の文字を見て、退屈くんが、ほらっ、と言い、通路の真ん中あたりの壁に貼られた、雑司が谷隧道、の文字を見てまた、ほらぁ、と言い、東口に抜けた場所に貼ってある、雑司が谷ガード、の文字を見てまた、ほらほらぁ、と言う。
コンビニでアイスが買いたい、と3人が言う。散々飲んで食べたのに、と思うが口には出さず、モナカアイスを頬張る3人と雑司が谷を歩く。法明寺のあたりで、ふたご座流星群の話になり、街中よりも少しは暗い寺の境内で4人空を見上げるが、ふたご座がどちらにあるのかわからない。