断片日記

断片と告知

あつあつを召し上がれ

『あつあつを召し上がれ』(小川糸さん著・新潮文庫)の装画を描きました。装画には、ななつの短編集のうちのふたつめ、親父のぶたばら飯、に出てくるしゅうまいを描きました。
「じゃあ、ビールを一本頼んで、しゅうまい食べて、その後ふかひれのスープで、最後に」
「ぶたばら飯ね」
中華街で一番汚い店なんだけど、と恋人に案内された店で食べる不揃いな形のしゅうまい。恋人が三個、私が二個食べ、本当は、一皿全部ぺろりと食べられそうだった、追加の注文をして欲しい気持ちをぐっと喉元で堪えている、と書かれたしゅうまいがあまりにもうまそうで、表紙には彼女の気持ちにわたしの食べたいを足して、文中よりもかなり多めにしゅうまいを描きました。
本屋さんでぜひ。
小川糸 『あつあつを召し上がれ』 | 新潮社