断片日記

断片と告知

コロナの春 4月30日から5月6日

4月30日金曜日

晴れ。小松菜ネギうどん。Sは往来座へ。仕事の絵。Sから電話、予感はあったんだけどさ、いま揚羽堂さんから電話が来た。夜、往来座へ。本搾り。Sの片付け終わらず、大倉で買い物して先に帰る。夕飯は、トマト、エシャーレット、ゴーヤチャンプルー、ざる蕎麦。所さんの開かずの金庫を開ける番組で室生洲々子さん登場。1分くらいで開いた金庫のなかから出てきたのは、きんつばで有名な和菓子屋の包装紙が1枚。西川美和監督「ゆれる」観る。最後にバス停でオダギリジョーに向かって見せた香川照之の表情。S家泊。

東京都の感染者数、698人。

 

5月1日土曜日

曇り。キャベツミックスビーンズひき肉のカレー。ルーはカレーの壷とジャワカレーを合わせたもの。TVerで相席食堂、ワッキーザブングル加藤の回。加藤は気仙沼にある食堂と銭湯を一緒にやっている鶴亀の湯で飯を食い湯に入っている。漁師たちが仕事終わりに入れるよう作られた銭湯で、冬場はやっていないが特別に沸かしてもらった、とのこと。大漁旗をかがげた船の絵が湯船のうえの壁にある。Sは往来座へ。仕事の絵。そう難しくないだろうと思っていた絵が描けず、難しいだろうと思っていた絵がすんなり描ける。夜、大雨、雷。雨が小雨になったころマルエツへ買い物に行く。Sは9時過ぎに帰る。夕飯は、トマトアボカド新玉ねぎにマルエツで買ったローストポークをのせたサラダ、食堂でもらった唐揚げをトースターで温めたもの、ミョウガ蕎麦。死にかけの苺に無糖のヨーグルトとハーゲンダッツをのせたパフェもどき。NHKのストーリーズで「たどりついたバス停で〜ある女性ホームレスの死〜」を見る。「去年11月、東京・渋谷区内のバス停で休んでいたホームレスの女性が男に殴られて命を落とした。当時、所持していた現金はわずか8円。生活苦の末に行き場を失い、事件に巻き込まれた。『彼女は私だ』、『彼女は社会に殺された』。いま大勢の女性たちが被害者にみずからを重ね、SNSなどを通して声を上げ始めている。事件が社会に問いかけるものとは何か。女性のたどった人生と女性たちへの取材から明らかにする。」何人もの人たちが終バスが出た後、ベンチとも言えないバス停の突き出た小さな板にうつむき腰掛ける女性を見ている。池袋には昔から浮浪者やホームレスと呼ばれる人たちが街に多くいて、昼は公園や駅構内で座り込み、夜は公園や閉店後のデパート、銀行のシャッターの前に段ボールを敷き寝る姿をいまも昔も数えきれないほど見ている。わたしは一度も彼らに声をかけたことがない。ホームレスの女性もわたしなら、声をかけずただ見ていた人もわたしだった。うちさ昔店の前にベンチ置いてたんだよ10年間くらい、バス停の横と三角形の凹んでいるとこにふたつ、新宿の近くで6千円で売ってたごついベンチでいいなぁと思って、でもさ、そこで吐く人、毎日焼きそば食って全部吐いてく人、ベンチをゴミ捨て場だと思っている人、びちょびちょのなにかを放置してく人、座りながら酒をあおってうちの買い取りが安いとか本なんかいらねーって叫び続けるやつ、そんな人がほんと多いのよ、よくベンチに仕切りを付けて寝られないようにしてとか、意地悪なデザインとか言って怒るけど、ベンチのすぐそばに長期間実際にいてみるとさ、ほんと難しいよ、とS。邪魔だと言って殴り殺した男もわたしたちなんだろう。S家泊。

東京都の感染者数、1050人。

 

5月2日日曜日

曇り。ベーコンブロッコリーパスタ。ドキュメント72時間奄美大島海上タクシー。人に優しい人がたくさん出てくる。ここにあの女の人がいたら、どうしただろう、とS。きっと声をかけられただろう。Sは往来座へ。仕事の絵。夜、ジュンク堂書店へ、ちばてつや『回想短編集あしあと』を買う。現金の方はこちらへどうぞとセルフレジに案内され、機械の前でどこにバーコードをかざせばいいかわからず、バーコードリーダーを手に持ちバーコードに当ててみるも読み取らず、さてどうしようと固まっていると、こちらにかざしてください、と店員に案内され、タッチパネルを押しているうちに会計が終わる。ジュンク堂横の東通りのいきなりステーキに閉店の貼り紙。往来座へ。めずらしいことりのHちゃん、Hちゃんが帰ったあとにmiくん。miくんに白壁屋の柏餅もらって食べる。餡は味噌餡。ファミマでサラダチキン買う。夕飯は、母にもらった豚肉の味噌漬けとピーマンの炒めもの、トマト、冷奴、ざる蕎麦。『回想短編集あしあと』読む。S家泊。

東京都の感染者数、879人。

 

5月3日月曜日

晴れ。Sがファミマのサラダチキンがごろごろ入ったカレーが食べたいと言うので、ナスブロッコリーとサラダチキンのカレー、ルーはバーモント。炒めても肉を炒めた匂いというものがなく、鶏から出る出汁的なものも一切なく、ルーに絡むこともなく、カレーのなかでもサラダチキンはサラダチキンのまま独立している。Sは休日でツインピークスを見直しながらごろごろしている。仕事の絵。夕方、西武の地下で差し入れの飯を買い、立教通りを抜け、セブンイレブンで酒を買い、椎名町のta先生の家へ。先生のパソコンを使い、先生のはてなブログ「一朴洞日記」を開設する。終えて、先生のうちの台所で飲む。西武の地下で買った柿の葉寿司、豆腐のおかず、鶏のからあげ。先生が作ったかぼちゃの煮物、人参とさつま揚げの煮物、先生が燗してくれた日本酒。ビックAで一番下から2番目くらいに安い日本酒を買う、一番安いのはありゃ料理に使うやつだろ、と先生。文芸批評がいやになったときの話、先生の好きなユーチューバーの話。また歩いて雑司ヶ谷に帰る。ミニストップで買い物。S家泊。

東京都の感染者数、708人。

 

5月4日火曜日

晴れ。ツナブロッコリートマトパスタ。ヒルナンデスで、あさこさんと大久保さんの茨城旅。大久保さん50歳記念旅とのこと。ひたち海浜公園ネモフィラ畑。Sは休日、ごろごろしながらブログを書いている。仕事の絵。夜、Sとイケサンパーク、ハンズを見つつ西友まで散歩。ハンズで絵の資料の蓋付き保存便を買う。西友で買い物。夕飯は、豚肉の味噌漬けとジャガ芋ピーマンの炒めもの、トマト、カイワレのせた汁なし油そば。「新感染ファイナルステージ」観る。ゾンビ映画というよりマッドマックスの世界。S家泊。朝方、Sの寝言で起きる。「ドスカラス、メスカラス、オスカラス」と言いながらしーしー笑い、しばらくして「ドスカラスいないんだよな」と言いながら今度は「ドスカラス、メスカラス、マスカラス」と言う。「いわしの骨、持っていけるかねぇ」と言いながらまた静になる。

東京都の感染者数、609人。

 

5月5日水曜日

曇り、雨、大風。肉ネギうどん。ヒルナンデスで、阿佐ヶ谷姉妹の浅草散歩。西インドカレー店。西インドではナンは食べず、カレーをのせたコロッケをパンで挟んで食べるとのこと。仕事の絵。Sは夕方往来座へ。夜、往来座へ。本搾り。もう自分の作る味に飽きた、味の素がいっぱい入った店の味が食べたい、自分ちで味の素入れても思い切って入れられない、と店番t。大倉で買い物。夕飯は、トマト、山芋のざく切り、自作の汁なし油そば油そばブーム来る。U−NEXTで「ラストクルーズ」観る。「『ラスト・クルーズ』は、2020年2月に新型コロナウイルス(COVID19)の大規模な集団感染が起きた大型客船ダイヤモンド・プリンセス号で、混乱を極めた船内に迫るHBOオリジナルのドキュメンタリー映画。」乗客と船で働く人たちがスマホで撮った映像を繋げて編集したもの。船のなかで起こっていたことが、いま日本全体で起こっていることに見えて怖い。M家泊。

東京都の感染者数、621人。

 

5月6日木曜日

晴れ。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。終えて、S家へ。仕事の絵。夜、往来座へ。本搾り。asさんと『回想短編集あしあと』の話。ちばてつやは優しい。ちばあきおも優しい。ちば家は優しい。大倉で買い物。夕飯は、トマト、ゴーヤのツナ和え、汁なし油そば。M家泊。

東京都の感染者数、591人。