断片日記

断片と告知

コロナの夏 6月18日から6月24日

6月18日金曜日

晴れ、曇り。昨日nにもらった文學カレー。玉ねぎの甘みが効いていて柔らかい味。Sが見たことないというのでユーチューブでマイケル・ジャクソンのスリラーを見る。洗濯。昨日、nに頼まれた題字描く。夕方うちに寄ると、届いていたはずの荷物が届いておらず、不在届けが入っている。当日配達も間に合わず、往来座でチャリを借りてサンシャイン60そばの本局へ行くも、受け取りは翌日からと気づきすごすご戻る。往来座で描き文字とSの版画を使って、明日のイベントでnが配る冊子表紙のデザイン。お礼にとnが本搾りおごってくれる。近所のsaさんとnとわたしとで明日の不忍ユーストでSがやるBスポーツのデモ試合をしてから帰る。夕飯は、母にもらったささみの味噌漬けとエリンギズッキーニのホイル焼き、島らっきょ、とろろ蕎麦。S家泊。

東京都の感染者数、453人。

 

6月19日土曜日

雨。干したままだった洗濯ものが濡れている。ミートソースパスタ。Sはユーチューブでまたスリラーを見てから往来座へ。nが鎌倉での映画のトークショーに出演のため、Sが一日店番。サンシャイン60そばの本局へ不在票の荷物を受け取りに。S家に戻って色校の確認をし、また梱包して本局へ出しに行く。世界堂で黒の厚紙を買い、うちに戻って片付け。終えて、往来座へ。厚紙を使い、明日からの京都行きの準備。Sは不忍ユーストで使う素材の準備。夜、二豊に鶏天定食の持ち帰りを買いに行くがすでに閉店。セブンイレブンでカレードリア、鮭のおにぎり買い、ローソン100で揚げたチキン買い、往来座に戻る。わたしがドリア、Sがおにぎりとチキン食べる。9時からユースト開始。Bスポーツはロングセラー文庫の刷り部数を当てる回。ゲストの亀貝さんが勝ち、負けたアヤシゲがアヒルの鳴き声をしてユースト終わる。明日早起きだから、とSを残して先に帰る。東京都は都主催の全パブリックビューイング井の頭公園日比谷公園、上野公園、東京都立大南大沢キャンパス、調布駅前、の中止を発表。一部接種会場になるとのこと。M家泊。

東京都の感染者数、388人。

 

6月20日日曜日

曇り。ヨーグルト。出かけに母が一万円くれる。8時ごろ家を出、目白駅へ。山手線で品川まで。小腹が空いたので駅構内のパン屋でサンドイッチを買うも、新幹線乗り場近くの駅弁屋に大船軒のサンドイッチを見かけ、しまったと思う。鏡花記念館のツイッターで知り、気になっていたのに失念していた。9時4分発、こだま711。6月30日をもちまして車内の公衆電話サービスが終了するとアナウンスが流れる。各駅のこだまは走り出したかと思うとすぐ駅で停まり、なかなか前に進まない。三島あたりで青空が見えだす。ホームに見える駅弁屋は閉まっているか時短営業か。岐阜羽島を過ぎたころKさんから電話。色校についてのもろもろ。12時34分、京都着。駅目の前の京都タワーへ。いつもどこからか見えてはいたが入るのははじめて。1階に入るとすべての店が休業中で、下へ行くエスカレーターも動いていない。張り紙を見ると展望台含めほとんどの店が閉めている。正面からビルの側面を左手にぐるっと回ったところの入り口から中へ、エレベーターで地下3階へ降りる。降りるとロビーのような場所に置かれた椅子に人が腰掛け待っている。細い通路の奥右手にタワー大浴場の入り口があるが閉まっている。夜行バスで朝京都に着き7時から営業しているここでひとっ風呂浴びてから街へ繰り出す、という話をよく聞いていたが、いまは時短営業中で昼1時からの営業になっている。10分ほど待つ間、地下をふらふら。階段をのぼり地下1階の飲食店街をのぞきに行くが入り口が閉まり中は真っ暗。地下3階の大浴場の奥の床屋は営業している。地下の通路は天井が低く、167センチのわたしの伸ばした手が余裕で天井につく。1時、先に待っていた人たちが途切れてから、通路の券売機で入浴券910円を買う。京都タワーホテルの宿泊者は400円とのこと。入ると、黄色いひとり掛けのソファが並ぶガラス張りのロビー、右手の受付で入浴券を渡し、手の消毒と検温。左手に下足ロッカー。正面右手に女湯の暖簾がさがる。入ると通路、抜けて右に折れると右手の壁沿いにロッカーが28個並び、左手の壁沿いに鏡の前にドライヤーが置かれた髪乾燥スペースが並ぶ。ドライヤーのほか、ローション、クレンジングなんか置いてある。髪乾燥スペースの途中に洗い場入り口の引き戸。洗い場は、長方形を「く」の字型につなけた形で、右手の壁沿いに大きなぬる目浅めの湯船がひとつあり、カランブースがふたり分だけある。左手は両壁沿いにひとり分に区切られたカランブースが並び、奥まで行くと右手に折れてそこにもカランがいくつか続く。湯船につかっていると後からきた初老の女が、湯船に面したカランの前に立ち、カラン回り、壁、床にシャワーの湯を念入りにかけはじめる。自分の体を洗い終えると今度は湯船に入り、たったいま湯から出た人がいたあたりの湯を桶ですくっては外に捨てを繰り返し、今度は湯船の端っこに移動しまた湯をすくって捨てている。女湯の入り口横には自販機が3つ並び右端は缶ビールの自販機だがいまは販売休止中。受付の女性にここはいつからですかと聞くと、57年前にこのビルができたときから、数年前に改装しているので中はまだ新しいんですけどね、とのこと。地上に出、烏丸通りを四条まで歩く。昼飯を食べる場所を見つけたいが惹かれる店もなく、四条の交差点の裏道をうろうろし、和定食あります、と看板の出ていた居酒屋に入る。鳥もも肉の照り焼き定食900円。鶏の照り焼き、玉子焼き、ナスの煮浸し、白滝のたらこ和え、ポテサラ、サラダが一緒にのったおかずワンプレート。赤出しのみそ汁を飲んだ瞬間、京都に来たことを実感する。交差点から少し歩いた四条通り沿いにあるスマイルホテルにチェックイン。カウンターで住所を書いていると、今日は東京からでお間違えないですか?と確認される。消毒、検温。部屋に荷物を置き、うんこをして、歯を磨いてからホテルを出る。四条通りを鴨川のほうにまっすぐ、鴨川を越えて八阪神社の前を左折し、東大路通りを北へ歩く。右手にアーケードが見えたので寄り道。古川町商店街。花屋以外のほとんどの店が閉めている。天井から淡い色の紙風船状の丸いぼんぼりがいくつもさがり風に揺れている様子かわいらしい。さらに北上して、京大病院前の全快地蔵を眺めつつ、京大の吉田寮前に出る。門を入ると、生活をしている場なので写真撮影禁止の貼り紙。寮の入り口には、立ち入り禁止、見学禁止の看板。引き返して吉田寮前の道に並ぶ立て看板を撮影していると若いカップルが前を通り過ぎる。女が看板を見つつ、吉田寮ってなに?とたずねると、男が吉田寮はねと軽くはじめた説明を聞き、大学生がぬるま湯につかってるだけじゃん、と吐き捨てるように女が言う。百万遍の交差点を右折。古書善行堂へ。「沼日」シリーズのうちの3枚を善行堂に飾ってもらう。ムトーさんの本を買ってくれたOさんがムトーさんが来たらサインして欲しいって言って本置いていったんだけどサインしてもらえる?と言われ『銭湯断片日記』『をみなごのための室生家の料理集』「犀星スタイル』と、善行堂にあったわたしが装画を描いた古本にサインを入れる。入れ終わったころそのOさんがやってきてご挨拶。売り上げがだいぶさかった、でもみんな絵とか本とかに飢えてるやろ、また違うチャンスかもしれへん、なんでもやる、ワクチン打ったらワクチン2度打った店って紙たらそかな、お客も安心するやろし、とZさん。ちくま文庫『ビブリオ漫画文庫 』を買う。白川通りに出、浄土寺のホホホ座ねどことホホホ座へ。ジャンプ漫画のタイトルが古い商店街の看板に描かれているポスターを買う。作者の名前を聞いたが忘れる。店主のYさんが訪ねてきた亀好きの子どもに亀がたくさん見られる場所を教え、見たら感想聞かせてね、と言っている。白川通りを南下。馬場橋のとこから白川沿いの細道を歩いたりしながら琵琶湖疏水記念館まで。記念館の外をぐるっと回って右折すると大量の水。水の向こうには京都市動物園が見える。街中からそう遠くもないのにこれだけの水と緑がぶわーっとあるのは贅沢で気持がいい。向こうに檻は見えるが動物の姿は見えず、ブフォ、という鳴き声と、動物園の匂いだけが漂ってくる。疎水沿いの仁王門通りをまっすぐ歩き鴨川を越える。夜6時過ぎ、そろそろ飯を食わないと店が閉まるのではとあせるが、これといった店が見つからず。先斗町の飲み屋街を歩いていると、えー6時半で閉まったって、と路上に夕飯難民たちの声が響く。観光地に来て夕飯のコンビニ飯はできれば避けたい。新京極のスタンド前まで来るも当然やっておらず、目の前の回転寿司屋に入る。7時半。7時45分ラストオーダー8時閉店ですと店員に言われ、5皿食べる。不味くもないが池袋駅前で食べるのと変らない。せめて赤出しのみそ汁でもと頼むが、売切れです、と店員。やさぐれたまま店を出、一番近くのコンビニに飛び込み缶ビールを買い、道に出た瞬間にプルタブを開けぐびっと飲むがこれまたたいしてうまくもない。缶ビールで出たゲップでマスクの中が最後に食べた焼き鯖の押し寿司くさい。悲しくなってもう一本買い、飲みながらホテルまで帰る。荷物を放り出しベッドに寝転がるも、このまま夜が終わるのもやるせなく、銭湯に行くことにする。四条通りをこんどは鴨川と反対のほうへ。四条大宮の交差点を斜めに入ると餃子の王将の一号店が見える。右折ししばらく行くと三条のアーケード街に出、越えて北上したところにある銭湯「長池湯」へ。木造だろうか、古い銭湯で入り口には男湯は青地、女湯は赤地の、牛乳石鹸のUFO柄の暖簾がさがる。入り口右横にはお地蔵さんの小屋がある。暖簾をくぐると、柄物タイルの床。右手に女湯の下足箱。白っぽい目隠しのカーテンの奥に女湯の引き戸、開けると左手に番台がある。女将さんに450円払う。右手の壁沿いにロッカー、上三段が鍵付きのロッカーで、下二段は脱衣籠スペースになっている。ふかふかの布団の敷かれたベビーベッドがふたり分。左手の壁沿いに流しと体重計。流しの壁には黒い菱形のタイル。男湯との仕切りの壁の途中に太い丸柱が建ち、角丸の長方形の茶色い霜降りタイルで覆われている。壁の上にはテレビがのっている。洗い場に入る手前の天井には明り取りの窓が横長にどーんとある。洗い場。入ってすぐの右下にひとり分のカランスペース。右手の凹んだ場所に壁を緑のタイルで覆った立ちシャワーがひとつ。正面右手に青い文字で描かれた水が出ますという文字の下のボタンを押すと、正面の固定式シャワーから水が出る。左の赤い文字で描かれた湯が出ますという文字の下のボタンを押すと、左右に3つずつついたノズルから湯が中央に向かって噴き出す。中央に島カランが間を置いてずれて2列、島の中央に排水の四角い穴がある。島カランのどちらにも鏡はなし、シャワーはついているが伸ばしてぎりぎり肩に届くくらいのホースの長さ。三角形のカランは、水が上で湯が下。右手の壁沿いもカランが並びひとりずつ楕円形の鏡がつく。ビオレUの広告入りの赤い桶。右手の壁奥にサウナ。演歌が流れる。正面から、水風呂、緑のパスクリン、熱め深め、角にジェット付きの泡風呂、深めぬるめ、電気風呂、子供用の浅めぬるめ、と、正面から男湯との仕切りの壁に流れて小さな湯船がこまこまと並ぶ。これぞ関西の風呂スタイルと気分があがる。大きな四角い湯気抜きは天窓のようになっている。左手の壁沿いのカランの上に男湯と行き来する戸が唐突にある。床のタイルは白とグレーの六角形のタイルが花柄に組まれポンデリングのよう。湯船のタイルは縁が赤紫、中が水色、排水や栓の周りだけ昔の便所の床のような黒っぽい三角や楕円の霜降りタイルが貼られている。湯から上がり、女将さんにここはいつくらいからとたずねる。明治くらいからね、代替わりしてるけど、うちが買ったっていうの。帰りは三条のアーケードを端まで歩き、コンビニで買った酒を飲みつつホテルに帰る。スマイルホテル泊。

東京都の感染者数、376人。

京都府の感染者数、16人。

 

6月21日月曜日

晴れ。暑い。ヨーグルト。10時過ぎ、チェックアウト。いつも鴨川沿いばかり歩いているのでたまにはと、四条から烏丸線で松ヶ崎まで。一乗寺を目指して歩くも、間違えて逆の北山へ。20分くらい歩いたところで間違えに気づき、一本裏道をまた松ヶ崎に向かって戻る。北山通りはつるつるとした今時のマンションが建ち並び、目白通りの先の練馬区辺りの景色に近いが、一本裏に入ると新旧の大きな家が建ち並ぶ高級住宅地のよう。左手には宝池と書かれた小山、正面も山、高級住宅地がこんなに山の近くにあることが東京と違って面白い。京都工芸繊維大学の前を通り、高野川を越える。橋のうえから川をのぞくと川底を大きな亀が上流に向かって歩いているのが見える。一乗寺恵文社へ。澁澤や合田佐和子装画の作家たちの本がうやうやしく飾られていて、ここにいると自分が学生のころ本屋に入り浸っていたときの気持ちがよみがえる。ちくま文庫の『温泉まんが』買う。昼飯は近くのエスニック飯屋でガパオライス。そこからはじめて行くマヤルカ古書店へ。奥の右手壁沿いに銭湯のロッカーを使った本棚。2階で郷土玩具の写真展をしている。気になる画集があったが重くて断念。野球のレトロゲームを買う。曼珠院道に戻り、叡山電鉄一乗寺駅を越えたあたりで暑さにやられ、昔ながらの喫茶店でレモンのかき氷とアイスティーのセット490円をやりつつ休む。レモンソースは自家製なのか、甘すぎずうまい。買ったばかりの『温泉まんが』を読みつつ、ときどき窓から外を見る。商店街を自転車で抜けて行く人、かき氷、温泉まんが、歩く人、かき氷、温泉まんが、とやっていると、こういう時間に飢えていたんだとしみじみ思う。レモンの量少なかったら言ってくださいね、足しますから、と食べる前にマスターに言われ、レモンの量大丈夫でしたか?とお会計のときにも言われる。大丈夫です、すごくおいしかったです、と伝える。用水路沿いを北上し、適当なところで右折、白川通りを越えてしばらく行った先の銭湯「雲母湯」へ。銭湯の向かいは畑と田んぼと用水路。入り口にツバメの巣がありツバメたちが忙しく行き来している。入り口左手は就労施設で、木を切る人たち。のれんをくぐると正面の両脇に下足箱、正面右手に女湯の引き戸がある。入ると左手に番台。入浴代450円。右手にカーテンがさがりまた引き戸、開けると脱衣所がある。右手にロッカー、ここも上3段が鍵付きロッカー、下2段が脱衣籠スペース。ふとん付きのベビーベッドがふたり分。男湯との境の壁の上には「井筒湯」から贈られた宝船の額。洗い場。左手すぐの凹んだ部分に茶色い薬湯の湯船。壁は緑の長方形のタイル、ところどころ角丸、が細かく並んでいてかわいらしい。左手の男湯との壁沿いに、カランがいくつかと、電気風呂、深め熱め、ジェット、とまた小さい湯船が並ぶ。昨晩の長池湯もそうだったが、電気風呂のびりびりが関東よりも強い気がする。右手の壁沿いにもカランの列。鏡なしの島カランが真ん中に一列と、そこから離れて両面にふたり分のみの小さな島カラン。洗い場の壁のタイルは基本は白だが、ところどころ青い丸や、青い線がぐーっと延びて大きな四角を描き、猪熊弦一郎の抽象画みたいでとてもモダン。正面の壁にもところどころに青丸と、竹のような緑の筒状のタイルが竹薮のようにわさわさ貼られている。正面の壁は一旦仕切られ、ドア型の穴の向こうにまた風呂とサウナスペース。入って右手に、浅い湯船と打たせ湯、ボタンを押しても上から湯は出ず、みんな下にたまった湯をかけ湯のようにして使っている。正面奥に広めの水風呂、左手にサウナ。天井は一面天窓になっておりとても明るい。カランに荷物はあるものの人の姿があまり見えないと思っていると、みな奥のサウナと水風呂とを行ったり来たりしている。水風呂につかっていると、サウナから出てきた老女が、水風呂を背に縁に腰掛けたかと思うとそのまま背を倒し、スキューバダイビングで背中から海に入るときのように、水に突っ込んでくる。膝から下は縁にかけたまましばらく水風呂に沈み、そこから腹筋だけでぐいっと上半身を起こし、なにごともなかったかのようにまたサウナに戻る。ほかの老女は、サウナから出てくると水風呂の水を桶に汲み、修行僧のように自分の体にかけている。窓からサウナの中をのぞくと仁王像が並んでいるように見えて入るのをやめる。湯からあがり、番台の派手なシャツを着た兄さんに銭湯の名前の由来を聞くと、いや自分座ってるだけだから、と言われて聞けず。外に出るとちょうど小学生たちの帰宅時間のようでランドセルを背負った子たちが道々にいる。近くに雲母漬けと書かれた看板のさがる漬物屋もあったので、雲母はこのあたりの地名なのかもしれない。白川通りに出て南下。ラーメン屋の天下一品、餃子の王将が並んでいるあたりで、今年はじめての蝉の鳴き声。昨日と同じ道もなんなので、今度は京都市動物園の手前を右折。閑静な住宅街に見えるがラブホテルが2軒ある。二条通りに出て鴨川を目指していると、個展「沼日」でお世話になったユニテの前に出る。扉は閉まったままで、空き物件のよう。赤垣屋の前を通るも閉まったままなんの貼り紙もない。鴨川を越えて寺町通りへ。もう帰るだけだしと、100000tアーロントコで『誰も寝てはならぬ』全17巻を買う。重いですよ、大丈夫です、と言ったものの、持った瞬間はいけると思うが3分もさげて歩くと道に置いていきたくなる。胸に漫画17冊をかかえ、5時半、新京極のスタンドへ。カウンターに通され生ビール。生とはこんなにおいしいものだったかと痺れる。牛筋煮込み、シュウマイ、オムレツ、と追加で生ビールにレモンハイにレモンハイ。これがやりたかったと気持ちが止まらず飲み続ける。オムレツに入っている小さく切ったハムの縁が赤くて、これだよ、とうなずく。後から来て斜め向かいに座った男が、やっとですね、待ちました、と店員に話しかけている。はじめからいた向かいの初老の女は茶色いプラスティックの灰皿をコースター代わりに白ワインのグラスを置き、頼んだ野菜炒めにこれでもかと塩をかけ、端がこげた野菜だけを丁寧に皿の端に寄せている。野菜炒めを食べ終わると今度はサラダ、サラダを食べ終わるとタコ刺し、と、1品食べ終えては1品注文し、そのたびに白ワインも空いている。なにを食べても眉間にしわを寄せ、いやいや食べている顔をするが、焦げたとこ以外きれいに食べる。ときどき腕時計をみるように手首を見るが、両手首には焦げ茶色の髪ゴムが何重かに巻かれているだけ。後から来た斜め向かいの男は、さらに後から席を移ってきた中年女ふたり組に話しかける。ひとりの女はわりと乗り気で、もうひとりの女は乗り気でない。乗り気な女が、酒飲めんかったら絶対損してると思うんですけど、そんなこと言ったら絶対あかんねんけど、それは言ったらあかんねんけど、ひとりで飲み来たん?女ひとりだとなかなかな、わたしらより一回りくらい下や、ほんまにサラリーマン?こんなサラリーマンおらんけど、鼻高いし、目もきれいし、と話し続ける。乗り気な女のことばをつまみに、もう一品と店員さんを呼ぶ。自家製コロッケと豚天どっちがいいですかね?と聞くと、手で大きく輪っかを作りながら、うちのコロッケ大きいのふたつだから、と店員さん。豚天を頼む。7時手前でお会計。飲んでいると目に入るあの赤黒い鳥の絵ってどなたのですか?と会計の店員にたずねると、いしいやいちろう、と教えてもらう。石井弥一郎かと思いつつ、そう言えば前に来たときも聞いたような気がしてくる。スター団地と京都タワーの見える路地を京都駅まで戻る。駅前まで来るときれいな夕焼け。京都駅のエスカレーターをのぼると展望台のような場所に出る。京都タワーと夕焼けを撮る。構内の土産物屋でせんべいと漬物を買い、帰りは奮発して新幹線のぞみで帰る。行きはなかったが、帰りは車内販売がある。さっき撮った京都タワーの写真をインスタグラムにあげていると、いろんな人がいろんなところの夕焼けの写真をあげている。今日は夏至。品川から山手線で目白まで。11時過ぎ、Sが目白駅前まで迎えに来ている。先日往来座で撮影した動画のデモが送られてきたそうで、これが面白いのよ、傑作、と興奮している。疲れた、早く帰って寝たい、と言うも、ちょっとでも見て、と法明寺の参道の石に座らされ、ユーチューブをちょっと見せられる。確かに面白い、けど眠い。明日ちゃんと見るよ、と法明寺前でSと別れる。M家泊。

東京都の感染者数、236人。

京都府の感染者数、0人。

 

6月22日火曜日

曇り。納豆ご飯。母に京都土産の水茄子渡す。食堂アルバイトへ。終えて、S家へ。昨晩少しだけ見た、往来座が取り上げられた動画を見る。面白くない?と何度もS。夜、Sと本搾り飲みつつ、サンシャイン60成城石井西友で買い物へ。歩きつつ、往来座の店内で断り無く撮影されたと思われる写真が企業のカタログに使われていたことが最近わかり、どうするかを話し合い。うちの店はフリー素材じゃねぇって丁寧に言えば、とわたし。夕飯は、オニオンスライス、葉ショウガ、トマト、ブルーチーズのパスタ。映画「ジョーカー」観るも途中で眠気に耐えられず帰る。M家泊。

東京都の感染者数、435人。

 

6月23日水曜日

曇り。納豆ご飯。今日コロナ2回目、こないだヒヨちゃんが自転車のとこに下がっていた細いヒモを取ってったのよ、ペアで、今日はユスラウメ食べにきてる、と母。ヒヨちゃんはヒヨドリのこと。あさいちの「みんなごはんだよ」で油揚げを使ったコロッケ。それを見た母が、大鳥神社のとこの関根って覚えてる?あそこのおじさんどうしたかしら?と母。小さいころあった肉の関根にはよくコロッケを買いに行った。コロッケが揚がるあいだ、ミンチされた肉が小さい穴からシャワーのように出てくるのを見ているのが好きだった。もう食べられない思い出の味。どっと降ってきた雨、すぐ止む。食堂アルバイトへ。賄いのオムライスにケチャップでハートを描きみんなに喜ばれる。大嫌いなパーテーションを拭く仕事をしつつ、ハートって素晴らしいな、LOVEってなんていいことばだろう、いろんなものにハートを描くような人生を送りたい、と考え続ける。終えて、往来座へ。tが新聞小説の切り抜きの整理をしている。S家へ。動画のこと考えてると頭ぱんぱんで何もできない、とS。夕方、Sと西友で買い物。途中にある串カツ田中やかぶら屋に電気がついていてうれしい。夕飯に何を食べたか忘れた。入谷コピー文庫「僕の、私の好きな先生」届く。M家泊。

東京都の感染者数、619人。

 

6月24日木曜日

晴れ。納豆ご飯。コロナ2回目は体中痛い、と昨日2回目の注射を終えた母。食堂アルバイトへ。パートのsさんに道の駅で買ったという枝豆もらう。終えて、大倉で買い物してからS家へ。洗濯。ブログ書く。夜、往来座へ。Sとnと、往来座で撮影した動画を、往来座に張った大型スクリーンで見直しつつ訂正箇所を出し合う会。本搾り。画面にも本搾りが何度も映る。この日いなかった店員tが一度も画面に出ないので、せめて写真だけでもどっかに入れてもらおう、と昔の写真を漁っていると、みんな若くて細くて目眩がしてくる。夕飯は、ツナをのっけたオニオンスライス、ブロッコリーローソン100で買ったスモークサラダチキン、大根の千切りをまぜたざる蕎麦。大根蕎麦うまい。S家泊。

東京都の感染者数、570人。