断片日記

断片と告知

コロナの夏 7月23日から7月29日

7月23日金曜日

晴れ。暑い。昼までだらだら。納豆ご飯。新聞のテレビ欄で今日がオリンピックの開会式と知る。昼ごろ、ゴーっという耳慣れない飛行音。ツイッターには雲を引いて飛ぶブルーインパルスの写真があげられている。S家へ。掃除。ブログを書く。夜、往来座へ。PARTYICEで本絞り。長野土産にエーグルデゥースのクッキーセットを6個買ったら2万円以上した、とSが嘆いている。池袋で映画を観ようとしたら満席で入れなかったというS爺が来店。最近ゾラに凝っているそうで、ゾラの単行本と『龍潭譚』を買ってくれる。S爺のマスクはS夫人お手製の布マスクで、その下に市販の紙製マスクを重ねてつけている。白い布マスクに黒いガムテープで「アベスガタイホ」と貼ったのはS爺。ときどき点が落ちるそうで、テープのスペアも持ち歩いてるとのこと。写真撮ってもいいですかって聞かれたことあるよ、若いねーちゃんに、とS爺。夕飯は、サラダチキンと玉ねぎ水菜トマトのサラダ、ピーマンジャガイモ豚バラの炒めもの、とろろ蕎麦。開会式を見ながら、身体がでかい、この国知らない、あのユニフォームかっこいい、なにあれドローン?といちいちS。ツイッターを見ていると各地の古本屋に『龍潭譚』が入荷しはじめたようでうれしい。M家泊。

東京都の感染者数、1359人。

 

7月24日土曜日

晴れ。暑い。ヨーグルト。出かけに母が一万円くれる。往来座でSと合流。車に荷物をのせて出発。車内でセブンイレブンで買ったサンドイッチを食べる。長野まで遠いのでSはたくさんCDを用意していたが、カーステレオの調子が悪く、ラジオは流れるがCDを入れても作動しない。山手通りを初台に出て高速に入ろうとするも、オリンピックの規制中で入れず。しばらく高速の高架下を走り、永福あたりで規制が解除されていたので高速に乗る。天気がよくて気持ちがいいが、八王子ジャンクションで大渋滞につかまる。トンネル抜けるまで渋滞のまま。カーステレオは昔のテレビのように叩くとCDがかったりかからなかったり。談合坂サービスエリアで便所に行き、昼飯を食おうと飯屋をのぞくが食べたいものが見つからず。カルピスのアイスだけ買って車に戻る。と、車のライトがついている。エンジンかからず。Sが車検をお願いしているPに電話。この暑さとライト点けっぱなしでバッテリ—があがったのではないか、とのこと。サービスエリアの端にエネオスが見えたので、Sが聞きに行き整備士とともに戻ってくる。エンジンをいじり、なんとか動いた車をエネオスに入れる。待っているあいだ、エネオスの入り口に並んでいた水槽をのぞく。水槽に大きいメダカと、小さなカップに子メダカが泳いでいる。からだが透明で背の部分だけ青銀色の変ったメダカだ。直らない場合を考え路線図を調べると、談合坂から歩いて51分のところにJR中央本線四方津駅、そこから大月に出てなんとか目的地の辰野までたどり着けそうだができればやりたくない。バッテリーの交換、エアコンのクリーニングなどもろもろしてもらい車が動くようになる。ガソリンスタンドのある大きいサービスエリアでよかったね、とSと言い合う。釈迦堂サービスエリアで昼飯。わたしは醤油ネギラーメン、Sは醤油らーめんと半チャーハン。なんてことない小さな食堂なのに、ラーメンがすごくうまい。食堂の外には縄文遺跡のモニュメント。縄文時代を偲ぶ、とプレートには書かれており、想いを馳せるの間違いではないかと文句を言う。車の故障で時間がなくなり、寄るはずだった諏訪湖サービスエリアにある共同浴場「ハイウェイ温泉諏訪湖」に行けず。伊北インターチェンジから降りてSの父親の実家のある辰野の本家へ行く。Sの父親の墓問題をどうするか、本家のTおじさんと、Sの父親が生前親しくしていた石屋のOさんに相談する。墓問題は明日寺で詳しく聞いてからということになる。辰野周辺に石仏が多いこと、コレクターがいるらしく盗まれていることなど、語尾に「ら」がつく長野弁で話し続けるふたりを見る。本家の庭に転がっている、Sの父親が生前墓石にして欲しいと言っていた石を見る。ところどころ削られているが2メートルくらいありそうな大きな自然石だ。本家の庭には点々とピンクのネジバナが咲いている。土に蘭の菌糸がないと育たないらしい。この花の白はとても珍しく、もしあれば1万円はすると、また長野弁でおじさんたちが話している。本家のTおじさんにリンドウと野菜をもらう。田舎に来ると荷物が増えるら、とおじさん。ブルボン辰野にチェックイン。部屋に荷物を置き、廊下にあった缶ビールの自販機でロング缶を買い飲みながら、Sの父親と祖父の彫刻が建つ公園へ行く。一昨年来たときにはまだ建てたばかりで彫刻の回りの土がむき出しだったが、いまは夏草に覆われていい風情になっている。ここにもピンクのネジバナがたくさん生えている。天竜川に出、川に足をつけ缶ビールを飲む。つめてー、ここ最高じゃない?と言いながら、Sはまた川面の動画を撮っている。辰野駅方面に歩き、Sの父親がよく行っていた居酒屋Tへ。入り口に県外の方はご遠慮くださいの貼り紙があるが、Sが顔を出すと、いいよ、入んな、と入れてくれる。山芋、山賊焼き、わらびの醤油漬け、瓜の漬物、肉とネギの入った温かい付け汁で食べるひやむぎ。Sと店主は、なになにさんは元気?だれそれさんはもう亡くなった、など昔の人たちの話しをしている。雨が降り出すがじきに止む。店のテレビではオリンピックの柔道が流れている。客はわれわれ一組みだけ。瓜の漬物を土産にもらう。歩いてブルボン辰野まで。いくつかあるスナックの扉には県外の客お断りの貼り紙。あちこちでカエルの声がする。とても涼しい。Sが床に荷物を広げ、Tシャツに沸いた塩をホテルのタオルで拭いている。目薬、ムヒ、歯磨き粉、さらさらシートなど家で使うもの一式を入れたポリ袋をかかげ、ゆうちゃんドラッグ便利でしょ、とS。エルボン辰野泊。

東京都の感染者数、1359人。

長野県の感染者数、8人。

 

7月25日日曜日

晴れ。涼しい。すぐ横を流れる天竜川の音がする。冷蔵庫を開けると昨晩もらった漬物でペットボトルまで漬物くさい。Tおじさんにもらった野菜に入っていたプチトマト食べる。チェックアウト。車で辰野美術館へ行くが展示替えで休館中。Sは土産で買ってきたクッキーセットに手紙をつけてポストの中に入れている。入り口外にはSの父親と祖父の彫刻が一体ずつ置かれている。朝飯兼昼飯で、以前来ておいしかった「らーめんじゃげな」へ。営業時間に少し早く、駐車場に車をとめて近くを散策。白い百合、オレンジの百合、あじさい、カンナ、ひまわり、畑や田んぼの脇にこれでもかと夏の花が咲いている。用水路沿いを歩いていると、トランペットでスターウォーズのテーマ曲を練習する音が聞こえてくる。音に呼ばれて近付いて行くと大きな杉の木に囲まれた諏訪神社が現われる。古いお堂と杉林が圧巻だが、境内に点々とパターゴルフ用の赤い旗が立っている。本堂右手に絵馬堂があり、入ると壁にはたくさんの絵馬、机にはご自由にどうぞと無地の絵馬とペンが置かれている。Sと1枚ずつ絵馬に文字を書き壁にぶら下げる。むちょすの絵馬、写真撮ったよ、とS。らーめんじゃげなに戻り、わたしは辛ねぎ味噌ラーメン、Sは爆盛チャーシュー麺を食べる。Sの父親が墓所を買っていた寺に行く。檀家にならないと墓は建てられないこと、近く本堂の建て替え工事があり、檀家になると多額の寄付金を納めなくてはならないこと、辰野という場所にこだわるなら町営の共同墓地があることなど、まだ若い坊さんがあけすけに丁寧に話してくれる。石屋のOさんも来てくれ一緒にSの父親が買った墓所の場所を確認する。よく考えなさいと坊さんに言われ、墓の話は一度東京に持ち帰ることにする。Oさんに案内してもらい近くにあるSの祖父の墓へ行く。辰野の町はあちこちに石仏、石碑が建っているが、Sの祖父の墓がある墓地の向かいは、大きな庚申の石碑と、小さな馬頭観音がたくさん建てられている。このあたりは西側の墓は東向きに、東側の墓は西向きに、真ん中を流れる天竜川に向かって建てられている、とOさん。車で箕輪町へ。本家の家業であるリンドウ栽培の事業所に行きSのいとこのKくんと会う。Sも学生時代にここでアルバイトをしたことがあるという。またリンドウもらう。中央アルプス花の道を走り、大芝公園のあたりを左折し伊那北まで。このあたりの道は田んぼと畑と山と空がどーんと見えいつまでも車窓から見ていられる。飯田線伊那北駅の目の前に建つファインデイズホテルにチェックイン。Tシャツなど洗濯。Sは荷物を床に広げ、またTシャツに沸いた塩の跡を拭いている。スナックや飲み屋が点在する道を伊那市駅方面に歩き、小沢川のほとりに建つ黒猫へ行くがやっていない。窓からのぞくとがらんとしており、縛った本が見える。もう一店舗あるはずとスマホで調べて通り町商店街にある黒猫へ。アーケードのかかる古い商店街で、看板建築と呼ばれる商店が道の両脇にいくつか残る。黒猫は、半分がレコードなどの音楽関係が並び、もう半分は古本が並び、オリジナルのCDや本の販売もしている。店主のTさんにご挨拶。Tさんはたまに東京に戻ってくると往来座をのぞき、新刊の案内をしてくれる。古本を担当しているTaさんにも会いたかったが不在。本とCDと黒猫オリジナルバッグを買う。店の奥ではレコードが大きな音で流され、若者たちが作業をしている。Tさんが小沢川沿いの黒猫を案内してくれるというので着いて行く。中に入ると蕎麦屋だった名残と、その前のダンスホールだった名残がまざり、いかにも蕎麦屋な桟敷席の横に白い丸柱が建つなど不思議な仕様になっている。以前は本を並べていたが床が不安で、いまは店として開けておらず、本とレコードプレイヤーの置き場として使われている。1階も2階もとにかく古いがとにかく広く、改装のしがいがありそう。賃貸料を聞くと安くて驚く。あっちの店の向かいの建物も借りているんですよ、二笑亭みたいに不思議な建物なんです、と通り町商店街にある黒猫の向かいも案内してくださる。元紙問屋だったお蔵付きの建物。お蔵にはレコードプレイヤーがたくさん置かれ、紙問屋だけあって1階の店舗、お蔵、3階の屋根裏とあちこちに丈夫な棚が設置されている。階段を登ったかと思うと奇妙な部屋があり、開かずの引き戸があり、いらない扉があり、家のなかを歩いていると方角がわからなくなってくる。ここも家賃がとても安い。Tさんもさっき店にいた若者たちもここに住んでいるそうで、住む場所があって、仕事があって、面白い店主がいて不思議な場ができている。Tさんは部屋だけでなく、開けっぴろげにいろいろ見せて話してくれる。商店街の黒猫の斜め向かいはニシザワという元デパートで、取り壊してセブンイレブンとマンションになるらしい。デパートの横には古い銅葺きの商店建築の酒屋があり、ここもなくなるかもしれないとのこと。町に飲み屋が多いのは元赤線だから、と教えてもらう。辰野の人たちも伊那は遊びに行く場所だと言っていた。銅葺きの酒屋で缶ビールを買い黒猫に差し入れ。Sと1本ずつ飲みながらすぐ近くの天竜川へ。Sは、つめてー、と言いながらまた川に足をつけている。Tさんにもらった伊那市の飲屋街マップを見ながら晩飯の店を探す。手描きのマップで、ひとつひとつあけすけに飲み食いした感想が書かれていて面白い。悩んだすえに黒猫そばの居酒屋Mへ。生ビール、冷奴にワラビのおひたし、納豆の天ぷら、焼き鳥、馬のモツ煮。店のママさんにどこから来たのか聞かれ、県外お断りの貼り紙はなかったものの、とっさに辰野からと答えてしまう。心苦しく、墓問題で東京と辰野を行ったり来たりで、と微妙に訂正。ママさんはつまみを持ってくるたび手をテーブルにつき、そのままそこで話しはじめる。あたしいくつに見える?若かったときは老けて見られたの、でもこないだ同窓会に行ったら、なになにちゃーんって声かけられて、ぜんぜん変ってないからすぐわかったよって。昔イルカさんが来たとき、店に流れていた音楽を消してくださいって言われて消したのよ、そんとき一緒に伊勢正三もいたの。壁には色あせた色紙がいくつも貼られ、イルカの色紙もその一番下の列に貼られている。店のテレビではオリンピックの柔道が流れ、兄妹が金をとるかとらないかで騒いでいる。それを見たママさんが、これに勝ったら金か銀よねと言い、これに勝ったら金しかないです、とSがツッコミを入れている。ずっとママさんの話しを聞かされて終わる。食べたりなく、ホテルそばのローソンでカップの豚骨ラーメン買いホテルで食べる。ファインデイズホテル泊。

東京都の感染者数、1763人。

長野の感染者数、10人。

 

7月26日月曜日

晴れ。ホテル1階でバイキングの朝食。千鳥のやつみたいだね、とS。カレー、スクランブルエッグ、キャベツ炒め、サラダ、味噌汁、牛乳。Sは、おにぎり、大量のスクランブルエッグにソーセージ、白飯にまたスクンブルエッグのせ、と大量に卵を食べている。補充している店員に、うれしいです、いっぱい食べます、と訴えている。米は伊那産と貼り紙がある。チエックアウト。伊那北から高速に乗り、上りの諏訪湖サービスエリアの端っこに建つ「ハイウェイ温泉諏訪湖」へ。入り口横に喫煙所があり、サービスエリアに寄った人たちが煙を吹かしている。建物はバブルっぽいというかロボっぽい近代っぽさでゴツゴツしている。入ると右手に男用の下足箱、正面のフロントで入浴代600円払う。靴を脱いであがると、フロント左手に男湯にいく階段、その横に閉鎖中の小さなソファスペース、左手に女湯の下足箱がありスリッパに履き替える。下足箱の先に階段、さがったりのぼったりして通路の奥に便所、その左手奥に女湯の扉がある。入ると左手の壁にロッカー、正面に流し、右手に洗い場の引き戸がある。いずれもこじんまりしている。ロッカーの扉には1台に1枚ずつ、盗難事件の詳細が貼られている。何年何月どこそこのサービスエリアの共同浴場で、鍵から目を話したすきに貴重品が盗まれたと書かれている。洗い場。右手の壁沿いにシャワーと一体型のカランが6つ。左手に円の4ん分の一型の湯船。作家もののような洒落た獅子像の口から湯が出ている。洗い場は白と薄いピンクのタイルで覆われている。正面はガラス張りで諏訪湖に面しているが、外から見えない特殊なガラスです、と書かれており、外からも見えないが中からも外が見えず、ぼんやりした明るさのなか風呂に入る。ところどころ外から見えないシートがやぶけており、隙間からのぞくとシート色に黄ばんだ諏訪湖と町が小さく見える。貸し切り風呂だったが、あがるころ若い女がひとり入ってくる。フロントで話を聞く。ここは諏訪市じゃなくて中日本の管轄、昔でいう道路公団、平成4年かな、この高速ができたときここも出来たんじゃないかな。壁に貼ってあった洗い場の写真を見ると、女湯は湯船がひとつだが、男湯は湯船がふたつあり、ふたつの湯船の真ん中に不思議な壁が建っている。改築して15年くらい、出来た頃はねいまの男湯部分を女男と分けていたんだけど、長距離の人たちがたくさん来てくれて男湯が狭くなっちゃってね、あの壁は男湯と女湯を分けていたころの名残り、いまの女湯はねそのとき増築したんだ。閉鎖中のソファスペースの上の壁には増築前の男湯女湯の入り口がコンクリで埋め立てられた跡が見える。源泉は60度以上あり、下の温泉地のホテルを通って、ここサービスエリアの上りと下りのハイウェイ温泉が最後とのこと。それでも熱くて入れないので水で薄めて使っている。サービスエリアに温泉っていくつかあるけど、みんな沸かしてるんじゃないかな、ここくらいじゃないちゃんとした温泉は。コロナ禍で入場制限しており、下足箱の鍵部分には半分近くテープが貼られ、これが目印、いっぱいになったら入るのを断っている、とのこと。諏訪インターチェンジで下の道に出、コンビニで酒を買い、ビーナスラインとかメルヘン街道とかを抜けてSの高校時代からの友人Yくんちへ。茅野の山の開けたあたりで、Yくんちの周りには移住してきた人たちの家がぽつぽつ建っている。道に迷っていると、Tちゃんが大きな道まで出てきて手を振ってくれる。Yくんが狼煙をあげていたそうだが気がつかず。Yくん夫妻と子どもたち。とりあえず缶ビールを飲む。昼飯に玉子かけご飯。玉子は縄文卵と呼ばれるものでめったに買えないおいしいやつとのこと。しょう油もどなたかの手作りとのことでうまい。家と庭とうらの畑と用水路を案内してくれる。家の裏手の土地にはソーラーパネルが並んでいる。住んでいる人たちはみんな反対してるんだけど、とYくん。子どもたちと折り紙で飛行機を作って飛ばす。飛んでも飛ばなくても子どもたちが笑い転げている。Sは教えてもらって薪割りをしている。裏の畑から夕日を眺める。夕方から庭でバーベキュー。肉、イカ、魚、うらの畑で採れた野菜。末っ子の2歳がもろこしをむんずと掴んでは、はむっ、と食べ、おにぎりを掴んでは、むしゃっ、と食べている。Hちゃん開高健そっくりだね、とS。食べ終えて庭で花火、ギターを弾いて歌う。もろこしの歌。風呂に入り早々に寝床に入ると、Rちゃんが追いかけてくるのでくすぐって遊ぶ。Rちゃんが敷いてあったSの布団にしょんべんたれる。風呂からあがってきたSに、さっきRくん布団にしょんべんたれてたよ、と言うと、まじでーと言いながら濡れた布団をひっくり返してそのまま寝ている。Yくんち泊。

東京都の感染者数、1429人。

長野の感染者数、13人。

 

7月27日火曜日

曇り、小雨。子どもたちが、まだ寝てんのー?と言いながら寝床にブロック持って遊びにくる。ブロックで船を作る。朝飯はとろろ卵ご飯。YくんとTちゃんSと裏の畑に畝を作り大根の種をまく。Y夫人は車で子どもたちを保育所とイチゴ狩りに送り出し、残されたYくんとSとで近くを散策。小雨。よくいく散歩道の先にあるという、芸人Fが土地を買いサウナを建てている場所を道から眺める。この辺ではぜんぜん話題になってないけど、とYくんは言うが、ユーチューブが大好きなSは、ここ見たことある、こーなってんだ、クレソン生えてたとこあの辺じゃない?などと言いながらこの旅で一番興奮している。近くの釣り堀では真っ黒な黒い鯉が群れをなして泳いでいる。乗馬クラブの馬場を歩いている馬に手を振ると、片足をあげて振りかえしてくれる。馬場から少し離れたところに白いヤギの小屋。ヤギを飼おうか検討しているYくんは、柵の組み方などを興味深そうに見ている。散歩から戻り、イチゴ狩りから帰ってきたTちゃんとY夫人と合流し、Yくんの車で近くのうまいという蕎麦屋へ行くが休業の貼り紙。そこから何軒か蕎麦屋を見るがどこも休業か、あまりうまくないかのどちらかで、結果、入ったことないけどいつも並んでいるという蕎麦屋に並んで1時間待ち。座敷に通される。卵焼きと鴨ネギ焼きはみんなで分けて食べ、やっぱり冷たいのと温かいのとどちらも食べたいと、ざる二枚と鴨南蛮を食べる。Sはざる2枚と天ぷら蕎麦を食べる。5人なのに8人前も食べてる、とTちゃん。台風が来ているから早めに明るいうちに帰ろうと思っていたがもう3時を過ぎている。Yくんちに戻り、往来座号に荷物を積んでみんなとお別れ。野菜味噌雑穀などいろいろもらう。高速で追い越すからね、と明日東京で仕事があるためやっぱり帰る予定のYくん。教えてもらった道の駅のような自由農園で買い物。南諏訪インターチェンジの手前で給油。高速に乗り、しばらくするとカーステレオがぱたっと止まる。叩いてみるも動かず、そうこうしているうちに、Sが、あれ?あれ?アクセル効かない、と言いながら惰性で動く車をゆっくり左の路肩に止める。ほぼ小淵沢インターチェンジの真上。エンジン動かず。路肩に余裕がある場所なので怖くはないが、またPに電話。教えてもらい保険会社と道路緊急ダイヤルに電話。Sがあちこち電話しているあいだに、今日帰ると言っていたYくんにわたしが電話、ちょうど高速に乗る手前だと言うので拾ってもらえないかと相談。10分後、Yくんが到着。30分後、レッカー車が到着。Sと往来座号はレッカー車に積まれ、わたしはYくんの車に載せてもらい前を走るレッカー車を追いかける。長坂インターチェンジで降り、近くの駐車場に車をとめる。オルタネーターと呼ばれる部分の故障で、いくら走ってもバッテリ—に充電されないのが原因ではないか、とレッカー車のひと。よく走ってましたね、ラッキーでしたよ、電気系統がいかれるってことはテールランプもつかないってことで、夜だったら後続車が突っ込んできますよ、車がとまった場所もいい、迎えにきてくれる友達もいる、とレッカーの人が目をまっすぐ見て励ましてくれる。ついこないだもと、トンネルの手前で止まった車に後続車が突っ込んで、トラックはよけたけどすべっちゃって、と最近の事故の話。レッカー車のなかでも、ラッキーでしたよ、って高速で運転しながら横に座るぼくの目をじっと見つめて励ましてくれて、とS。車はここから埼玉のPのところまで運ばれるそうで、費用はたぶん保険でまかなえるのではないか、とのこと。高速上で車が故障すると一番近いところの下の道におろされ、あとは自力で帰るしかないそう。拾ってくれたYくんの車に荷物を移す。革張りの天井が開くベンツでYくんのうまい運転で、こんな快適でいいのかしら、とS。車内ではYくんの好きなボブディランが流れている。止まったのが道のど真ん中だったら、夜だったら、台風がきていたら、ぞっとするね、と3人で言い合う。思えば行きにカーステレオが鳴らなかったときから警告音は出続けていた。藤野パーキングエリアで便所。モスバーガーでアイスティー買って飲む。都内に入るあたりで、そうだ千円よけいにかかるんだっけ、けちくせーなー、とYくん。西池袋の出口を出たあたりでおろしてもらう。またなんかあったら電話するね、とSが言うと、もう無理、早く帰ってビール飲みたいんだよ、とYくん。立教の裏通りを歩き、ファミマで缶ビール買って横の駐車場で飲む。あとは車で帰るだけだからと、米や林檎ジュースを買ったために荷物が途方もなく重い。往来座に寄り、PARTYICEで本絞りを飲んで一息つく。Yくん家族から心配するラインが届いていたので、即興でSがギターを弾きYくんを讃える歌を動画で撮って送る。M家泊。

東京都の感染者数、2848人。

長野の感染者数、23人。

 

7月28日水曜日

晴れ。暑い。目玉焼きをしようと卵を割ると、フライパンにどろっと固まりが落ちる。言うの忘れてた、間違って温泉卵買っちゃったの、と母。食堂アルバイトへ。だらだらとひま。終えて、Y夫人に教えてもらったハーブのディルを探しに大倉、ハナマサへ行くが見つからず。西武地下のガーデンにもなく、仕方なくディルシードの瓶を買う。三省堂で立ち読み。ハナマサで買い物してからS家へ。Sは休日。Pのとこに車届いたって、とS。何もしたくないとだらだら過ごす。夕飯は、Y夫人に教わったディルを使ったサルサソースをのせたサラダと冷奴。Sはざる蕎麦も食べる。M家泊。

東京都の感染者数、3177人。

 

7月29日木曜日

曇り。暑い。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。ひま。給食と寮の調理を担当していたKさんが7月末で退職と知る。友人と宅配専門の弁当屋をやるとのこと。パートのKoさんも10月で辞めると知る。Kさんが挨拶に来て、苺大福を差し入れでもらう。終えて、S家へ。豊島区新型コロナウィルスワクチン事務センターからのはがきが届き、使用するワクチンがモデルナからファイザー社製に変更する旨のお知らせ。夜、往来座へ。名画座編集部の面々、saさん、miくん。本搾り。miくんは就職が決まり、今日が初出勤だったそう。真面目に教えてくれる先輩がいるらしく、いい人ばっかり、とmiくん。作業着もよく似合う。明治通りを池袋に向かって歩きながら、miくんが青森のneさんに電話。途中替わってもらい、いま往来座で飲んでいて明治通りを歩いていることを話す。ジュンク堂前でmiくんと別れる。夕飯は、ししとうとジャガ芋豚バラの炒めもの、冷奴。Sはソーメンも食べる。土足で立ち入り頼んでもいないことをしてくる人たちの行いを話しているうちに頭にきて早々に帰る。M家泊。

東京都の感染者数、3865人。