9月20日金曜日
晴れ。ヨーグルト。池袋から山手線で上野まで。車窓から見える空が秋になっている。駅構内のメルヘンでローストビーフサンドを買う。軽井沢まで新幹線。車内で早々にサンドイッチを食べる。1時間かからずあっという間に着き、軽井沢駅のコインロッカーのあたりでうろうろしているとuちゃんがやって来る。uちゃんに200円借り、ロッカーに荷物を入れる。北口に出て大通りを北上。日差しが強く、首が焼ける気配がしている。脇田和美術館へ。ピアノの調律中だそうで100円負けてもろう。ばいーん、どかーん、ぎゅいーん、と館内に大きな音が鳴り響いている。2階にあがるとグランドピアノ2台が調律中。音に囲まれながら絵を観る。大きなものより小品が好き。年代がばらばらに展示されているが、年代ごとの絵の差があまりない。年表を見ると、12人兄弟で、小さいころから絵を習い、大正時代に外国に留学と、とても恵まれている。旧アトリエも庭から眺める。かっこいい。軽井沢でよく見る火山岩の石垣から草が出ているのを見、こういう風にしたいんだよね、とuちゃん。脇田和のサインが読めず、受付のひとにどう読むか教えてもらう。このへんが「w.」で、これが「K」で、昔のはもっと読めるように描いてたんだけど。「w.」だけ読めるようになる。昼飯を食べる店を探してさまよう。通りではじめに見た店がドイツのソーセージ屋だったせいか、ソーセージ、ソーセージと唱えながら歩く。大通りからつるや旅館まで歩き、しっくり来る店が見つからず、結局何店舗かある腸詰屋に入る。ソーセージセットと生ビール2杯。一皿に3種類のソーセージ、何種類かのハム、サラダ、ピクルスがのり、パンがふたつついている。平日のせいかとても空いてる。入口に生ハム教室の案内。作った生ハムを1年かけて干し、真空パックして渡してくれるそうで、生ハムに名札がついている。つるや旅館、テニスコート、軽井沢ユニオンチャーチ、矢ヶ崎川、「お気持ちの道」を歩いて室生犀星の旧居へ。林のなかに転々と別荘が建ち並ぶ軽井沢っぽい景色のなか、車も通れないような細道の先にある。思っていたより敷地は広くなく、高低差があり、ゲストハウス母屋など3棟建っている。苔の緑が鮮やか。苔の手入れをしていた方に聞き、犀星と同じ場所ポーズで写真を撮る。大通りからそう遠くもないのに、とても静かで気持ちがいい。向かいの家の土管煙突。大通りを越え、別荘の石垣に生えているきのこを眺め、雲場池へ向かう川沿いの遊歩道を歩く。足をひたすと水がこれでもかと冷たい。雲場池、正宗白鳥の文学碑を見、駅向こうのミカド珈琲でモカソフトを食べてから軽井沢駅へ戻る。新幹線で長野まで。善光寺に行く参道沿いを左折した先にある銭湯「アルプス湯」へ。マンション1階の銭湯、建物の右手に居酒屋がある。男女別れた入口で、左手に女湯のドア。わかりやすくドアに便所に貼るような赤い女型のマークが貼られている。入ると左手に下足箱、右手前に傘入れ、正面右手に入口がある。右手に番台。入浴代500円払う。脱衣場。右手にロッカー、左手に3人分のベビーベット、手前の壁に鏡とドライヤーが置かれている。洗い場入口のガラス戸に上のハイツの入居者募集の貼り紙。入浴代、水道代が無料はうれしい。洗い場。左右の壁にカラン、真ん中に二人向かい合わせの小さな島カランが縦並びでふたつ。奥の湯船に向かって小さな島カランに座ると、カランが銭湯を動かす操縦桿のよう。湯船は奥の壁にそってふたつ、右手が深め、左手がジェットがついた浅め。ジェットは強めで体が前に押されるくらい。正面の壁にはモザイクタイル画で、黄色い草のなか、左手に牧場のような建物がある風景画。素朴でかわいらしく、ねむの木学園を思い出す。脱衣場も洗い場もこじんまりしていて、渋谷の銭湯「さかえ湯」を思い出す。ペットボトルの水を買う。あたしが子どものときからだから90年前から、昔はうえが宴会場でね、建て替える前、上で飲んでお風呂入って、お風呂入って上で飲んで、昔は湯船も三つあって、あの絵は北海道、稲穂を干すなんとかって建物、男湯の絵は黄色と紫の花が咲いてて太陽がのぼっているところ、たまに写真撮ってくひとがいるのよ、昔は髪を洗うと10円、入浴代も10円、昔はよく髪を染めた粉をここで落としていってね、床が黒くなって、前はあっちとそっちともっと銭湯があったんだけど、500円、高いわよね、時代は変わるから。夜の善光寺へ。山門そばの溝で猫が寝ている。山門の仁王像がデカくてものすごい迫力。ほとんどひとがおらず、古い建物や寺が左右に並び、暗くて江戸時代にいる気分。月も出ている。権藤から長野電鉄で須坂まで。権堂駅の地下鉄の構内が古く、昔の浅草駅みたい。特急券プラス100円。須坂で降り、夕飯の店を探す。スパークリングワインが飲みたいと言い張り、ワインを置いてそうなイタリアンKitchen&Bar SABOへ。スパークリングワイン、アボカドのバルサミコ酢サラダ、生ハムの盛り合わせ、カツオのカルパッチョ、海老入りペペロンチーノ。どれも盛りがよく、パスタはふたりで分けて食べる。昔はもっと食べられたのに、と言い合う。夜道を歩いてuちゃんちへ。元はuちゃんのばあちゃんちだったところ。いまはuちゃんの東京との二拠点生活の家になっている。砂壁をどうにかし、襖と障子を張替え、本棚を置き、といろいろ夢があるが、いまはuちゃんの荷物が畳のうえに転々と転がっている。布団でだらだら話しているうちにいつの間にか寝る。虫の声が大きい。須坂泊。
9月21日土曜日
曇り。涼しい。虫の声。ときどき須坂動物園からなにかの鳴き声が聞こえる。野菜ジュース、中国茶、シャインマスカット。須坂動物園へ。入園料200円。聞こえてきていた鳴き声はフラミンゴだったよう。くま、トラ、など大型のものから、アヒル、うずらなど小さなものまで、こじんまりした動物園だがいろいろいる。猿の檻がとても小さく、小さすぎる、もっと大きくしてやればいいのに、と猿の前で話していると、猿にドラミングされる。ひとんち来て小さいとか言うから怒られるんだよ、とuちゃんにも怒られる。カピバラが水のなかでうんこをする習性と知る。1匹のカピバラが体ぴったりくらいの濁った水槽に身を沈めている。トカラヤギのタイヨウ、ロバのアイボン、かわいい。アイボンは虫が来てもよけないので刺された足から血が出ている。動物園のひとが虫よけの布を足に巻いてあげている。2匹ともひとが好きで寄ってくる。ほっぺがもちっとしていて毛がかたい。動物園の敷地に沿って墓地とテニスコートがあり、賑やかなのか静かなのか。野球場を横に見、百々川を渡り、戸隠そば「たけの春」へ。瓶ビール、天ざる、蕎麦大盛り。uちゃんはみょうが蕎麦を食べている。エビ愛がないので天ぷらのエビをuちゃんに譲渡。ざる蕎麦はザルのうえに一口サイズU字型に丸められた蕎麦が並んでいる。ぼっち盛り、と言うそう。ふつう盛りが5ボッチ、大盛りが7ボッチ、だったような。つるっと平らげる。帰り道、ブドウ畑のあいだを歩く。右を見ても左を見てもぶどう、ときどきりんご。正面が飯綱山、左横のギザギザが戸隠、あの奥がアルプス、だと教えてもらう。園芸店ガーデンソイルでuちゃんが花瓶を買う。uちゃんちに戻り、畳に転がる。中国茶飲む。ムール貝酒蒸しにしてー、滝平二郎の半日村、ホームセンターの歴史。夕方、須坂駅に向かって歩いていると、住宅街の奥から賑やかな音がする。見ると酒蔵の祭りと縁日。遠藤酒造場。ちんどん屋が屋台のあいだで演奏している。バスの送迎も出ていて、とても賑やか。心惹かれるもここで日本酒を飲んだら帰れなくなると、チラ見して須坂駅まで。構内の八百屋でシャインマスカットとみょうがを買う。マスカットは粒がぱつぱつででかい、みょうがは大きな袋に入って120円と安い。最高。長野電鉄で権藤へ。アーケード街を歩く。相生座、古本のだんち堂。アーケードのした、道に野菜を並べて売っていて那覇を思い出す。uちゃんの妹が昔バイトしていたというつるやでuちゃんが酒饅頭買う。皮だけ一口もらって食べる。ほかほかでうまい。参道渡り、官庁通りの銭湯「亀の湯」へ。以前、小布施で古本市をやったさいに一度来たことがある。裏に警察の道場・武徳館がある。「亀の湯」は2階建てに見える洋風な建物。正面に草木が生え、コンクリの柱のうえに道に向かって獅子が置かれ、その奥に男女別れた入口のドアがある。右手が女湯のドア。開けると右手に下足箱、左手に番台。道から見えないよう、大きな木の衝立が置かれている。入浴代500円。脱衣場。島ロッカーが真ん中にひとつ、右手の壁にもロッカー、左手に鏡と小さな冷蔵庫。不思議なのは、脱衣場にガラス窓に覆われた何かが突き出ていること。見ると地下におりる階段になっている。洗い場。入るとすぐ溝、左手に立ちシャワーがひとつ、ぐるっと四方の壁にカラン、正面入ってすぐに島カランが1列。島カランは、鏡がなく、カラン台のうえに浮く形でパイプが通され、シャワーがつけられていて、パイプの額縁のよう。湯船は、真ん中に長方形であり、右手に小さめの泡風呂、左手に大きめの湯船、仕切りの壁から大きめに向かって湯が流れ落ちている。湯船は白い長方形のタイルでとてもかわいらしい。1階から吹き抜けに向かっての木の壁のカーブがとても優雅。壁には洗い場側に赤富士の大きな写真、反対の天井の段になっているところに、茶色い鍋から唐草がのびている絵、がある。窓枠もアーチ状になっており、ローマとかギリシャとかを思わせる。脱衣場の真ん中に突き出ていたガラス窓のなかの階段をおりると、右手にサウナ、正面に天井から四角く水が落ちるシャワー、左手に大きなベンチスペースがあり、とてもめずらしい。いろんな種類のリンゴジュースが売っており、紅玉のリンゴジュース買う。うまい。今年で創業106年、道の向かいから建物ごと移してきて80年、最後にリニューアルして40年、でももっと古いところあるんじゃないかしら、アルプスさんは90年って?そう?鍋と唐草の絵は何が描かれているかわからない、40年前に東京から来たデザイナーさんが提案してくれてあーなったんだけど、富士山はね、絵師に描いてもらうとそのひとの富士山になっちゃうじゃない、だからお父さんが写真のカタログから選んで、お客さんがあれと同じ富士山の写真を撮ったことがあるって、あれは700何号線の坂を降りたところから見た富士山だって、秋の早朝じゃないとあんなに赤くないんですって。権藤のアーケード商店街で夕飯の店を探す。居酒屋まえのへ。生ビール、ウーロンハイ、ポテサラ、冷やし茄子、焼き串いろいろ、バイ貝、厚揚げ、ポテトフライ。野菜のメニューには自家農園と書かれている。松茸のすき焼きが気になるが高くて頼めず。ほくほくしたものに興味がない、とuちゃん。じゃが芋、さつまいも、栗、かぼちゃ、など。野菜しかほくほく使わないのかねー、ホッケは?ホッケはほくほくと違う、と却下される。店内のテレビで能登の大雨を報じている。長野駅まで歩く。花火の音がするが反射してどこからあがってるかわからず。ちらっと右手のビルの隙間から見える。裾花川のあたりか。長野駅のみどりの窓口で新幹線のチケットを買い、閉店間際の駅ビルでイタリアン七味買い、ニューデイズで信州りんごのチューハイ買う。uちゃんと別れ、新幹線で上野まで。チューハイのアルコール度数が思いのほか高く酔っ払う。同じりんごの産地なのに、青森にはコンビニにでさえあれだけ並んでいたシードルが長野では見ない。上野から山手線で池袋、往来座へ。Sがひとりで仕事している。nに買ってきたシャインマスカットを置いて帰る。S家泊。
9月22日日曜日
雨、風。もらった冷やし担々麺セットを、涼しいので温かい担々麺にして食べる。味が濃いので牛乳を足す。SはTシャツを着て、くさい、と脱ぎ捨て、忘れてまた脱ぎ捨てたTシャツを着て、くさい、と同じことを言っている。Sは往来座へ。雨がやんだので洗濯。ゲラ読み。夕方、ふと窓を見るとものすごい夕焼け。雲が燃えているよう。夜、大倉で買い物してから往来座へ。asさん、saさん。お茶割り。須坂土産のシャインマスカット食べる。nがいままで食べたなかでも3本の指に入る、とよろこんでいる。夕飯は、トマト、担々麺の肉味噌をのせた冷奴、ごぼう汁。ドラマ「ファーゴ」続き見る。S家泊。
9月23日月曜日
雨、晴れ。涼しい。朝の雨で干しておいた洗濯物がびちょびちょに、風で飛ばされベランダに落ちている。もらった肉そぼろでジャージャー麺。ユーチューブで深夜兄弟の「夜更かし」聽く。ライブ行きたい。Sは往来座へ。洗濯。ゲラ読み。夕方、往来座へ。東通り入ったところの蕎麦屋まつやから出前をとる。Sがカツ丼ともりセット、nが冷やしたぬきそばとおにぎりセット、ru先輩が天ぷらもり、わたしが親子丼もりセット。しばらくして大きなお盆にのせてバイクが到着。正月にサン浜名2階で飲んでいたら声をかけられた雑司が谷小学校の一学年下だったひと。どもども、と挨拶。量も多く、安く、うまく、懐かしい。食べ終え、丼を洗って外に出しておくところも懐かしい。ザルのしたに、ごちそう様、と手紙そえる。S家に帰り、ゲラ読み。夜、往来座へ。ru先輩。お茶割り。5時間経ってもまだ腹がいっぱい。Sが出汁のようなものだけ飲みたいと言うので、仙台のお客さんにもらったメカジキの汁のレトルトパックを電子レンジでチンする。夕飯は、Sだけメカジキ汁。これすごい魚の出汁、とS。麦チョコを少し。「ファーゴ」続き見る。M家泊。
9月24日火曜日
晴れ。涼しい。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。終えて、往来座へ。定休日だがSが仕事をしている。Sがげらげら笑いながら、むちょすのブログ変なんだけど、下書きのままあげたの?と言われ、確認すると、わけのわからない省略、語尾が書いてもいないですます調、書いてもいない単語、とぐちゃぐちゃになっている。気持ちが悪いので慌ててパスワードを変更する。ブログを訂正してあげなおしていると、TちゃんTっちがやってくる。お土産に「かるかや」缶バッジとTシャツもらう。グッズが出ているとは知らなかった。S、Tちゃん、Tっちと、法明寺を歩きつつ、ラシーヌでドーナツとエッグタルト買うふたりを眺め、南池袋公園で遊び、東通りの硯やへ。生ビール、ウーロンハイ、じゃがバタ、本マグロ刺、トロサバ、小松菜のおひたし、味噌きゅうり、きつねおろし、鳥の唐揚げ、ゲソ揚げ、しめにスパイシーカレーうどんをみなでわけて食べる。プラセンタ、いろんな買い取り、フラハピさん、徒然舎の3階が楽しみ。Sがまたビリヤードに行こうと騒ぎ、みなで歩いて西口のロサ会館まで。途中、IWGPのロケ地のひとつ池袋大橋を通る。ロサ会館でビリヤードを2時間ほど。Sの打ち方講座、最後は東京対岐阜のチーム戦。僅差で東京が勝ち、帰り道にチョコモナカジャンボを奢ってもらい、食べながら帰る。東口のホテルまでふたりを送り、酔っ払ったSがまたしつこく帰りたがらず。帰り道、Sは上機嫌で缶ビールを飲んでいる。M家泊。
9月25日水曜日
曇り。涼しい。納豆ご飯。Kさんちのお父さん亡くなったんだって、音大の横のセンターで囲碁うってて倒れてそのまま、大往生よね、と母。食堂アルバイトへ。終えて帰るころに雨。蟲さんからお知らせいただき、東通りの新栄堂書店で『暮らしの手帖』32号買い、S家へ。Sは休日、布団に転がりアニメ「お〜い!竜馬」を見ている。『暮らしの手帖』の「書皮の心意気」という特集に蟲文庫の枇杷の書皮が取り上げられている。うれしい。ゲラ読み。夜、缶ビール飲みつつ東池袋のマルエツへ。買い物。Sは連日酒の飲み過ぎのため、ゆうちゃん死んじゃう、今日は飲まない、と言いペットボトルの茶を飲んでいる。本搾り飲みつつ帰る。夕飯は、冷奴の肉味噌のせ、もらったチーズ入りメンチカツと焼き鳥、ごぼう汁。麦チョコを少し。ドラマ「ファーゴ」続き見る。絶対に関わり合いになりたくない最も厄介だと思っていたキャラたちが何人もいるが、あっさり死んでいく。M家泊。
9月26日木曜日
晴れ。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。終えて、S家へ。ゲラ読み。夜、缶ビール飲みつつ目白台のまいばすけっとまで。缶ビール飲みつつ護国寺のマルエツまで。ひとりで飲み歩きながらふわふわと、いろんなことばが浮かんで消える散歩が好きだ。あそこでちょっと前までTちゃんが古本屋やってたんだよ、あれからどれくらい経ったのか、中央線よ空を飛んであのこの胸に突き刺され。買い物。本搾り飲みつつ帰る。夕飯は、ブロッコリーじゃが芋ベーコンのジェノベーゼパスタ。12時過ぎ、Sから電話。酔っ払っている。1時ごろS帰る。Sは神保町で飲み会だった。ぶえー、ぶえー、と叫ぶので、うるさい、とこちらも叫ぶ。しばらくするとぱたっと寝るが、こちらは目が冴えて寝れず。数時間でSが起き、そこらの電気をばんばんつけまた、ぶえー、ぶえー、と叫び便所に行ってさっさと寝る。また目が冴えて眠れず。S家泊。