断片日記

断片と告知

ここにいる才能

映画「めがね」を見た。前作「かもめ食堂」よりも「めがね」の方がいいと思ったのは、そのロケ地、与論島が大好きな場所だから。はじめに与論島に行ったのは20代半ば、女友達と、どこか島に行きたいね、と決めたのが与論島だった。沖縄のすぐそばで、石垣よりも、宮古よりも安かったので、この島に決めたのだ。そして、そのまま、この島の虜になった。那覇からプロペラ機で30分くらい。2階建ての小さな雑居ビルのような空港の外に出ると、さとうきび畑と青い空しかない。さとうきび畑の中を歩き、ホテルに着くと、青い海しかない。その何も無さ、の贅沢に痺れてしまったのだ。「観光名所?そんなものありませんよ。」というせりふがあった。「黄昏にくるんです。」というせりふもあった。何度も出てくる、白い砂浜と、青い海のシーン。見ていると、私もそこに行きたくなる。この映画は与論島そのもの。「ここにいる才能ありますよ。」というせりふ。私にもたぶん、ここにいる才能がある。いつか永住したいと思う。