断片日記

断片と告知

2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

残り5ブース

みちくさ市、残り5ブースのようです。まだお申し込みでない方、どうぞよろしく。募集要項はこちら→http://kmstreet.exblog.jp/ ※申し込み、終了いたしました。ご応募ありがとうございまいした。

みちくさ告知

告知です。9月20日(土)は鬼子母神通り商店睦会でおこなわれる古本フリマ「みちくさ市」です。参加ご希望の皆様、受付は9月1日(火)21時スタートです。たくさんのご応募お待ちしております。 第3回 鬼子母神通り みちくさ市 〜商店街が、1日だけの古…

斎藤酒場

午後のまだ早い時間、埼京線に乗り、十条へ行く。十条駅の北側には5つの商店街があり、十条銀座を幹として、富士見銀座、十条仲通り商店街、フジサンロード、演芸場通り商店街が、大木から生えた枝のように細く長く伸びている。そのうちの演芸場通り商店街…

さんかく

リクルート発行「保護者のための就職ジャーナル」の挿画を描きました。表紙から中身まで、一冊まるごとです。フリーペーパーです。どうぞよろしく。 夏の間、あちこち旅行してきた山本くんと久しぶりに会う。早稲田大学の学食で一杯飲みながらのはずが、夏休…

軒先

アトリエで絵を描き、宅急便をひとつ出してから、東池袋の日の出会へ行く。久しぶりの日の出会、久しぶりの東池袋商店街を歩けば、都電の線路のまわりから少しずつ家がなくなっている。向原駅から東池袋四丁目駅までの一駅間は、都電の線路のすぐ脇に小さな…

ミンミン蝉

家の近所には大きなお寺があって、参道の桜並木では毎年たくさんの蝉が鳴く。ミンミン、アブラ、ツクツクホーシと役者は揃っていて、それらが一斉に鳴くものだから、鳴き声は混ざり合い、最盛期には蝉の声というよりも、じょわー、とか、じゅわー、とかの、…

一発屋

歌とか小説とか絵とかの世界で一作品だけ当てて消えていく人たちのことを、一発屋、などと言いますが、この呼び方が嫌いです。一発でも当てたすごい人という意味ではなく、一発しか当たらなかった才能の乏しい人、という意味で使われるからです。デビューし…

救いの手

今年の夏にした良い行いといえば、日のあたる道路でのたくっていたミミズを2匹、湿った地面の上に戻したくらいで、後は何もしていない。蜘蛛を助けた男が地獄に落ちた時、目の前に現れる救いが蜘蛛の糸なら、ミミズを助けた私が地獄に落ちた時、目の前に現れ…

夜明け前

クーラーをつけっ放しのまま眠り、夜中にふるえて目が覚める。粟立つ腕をこすりながら、体を起こしクーラーを消す。トイレにいき、また布団にもぐる。たくさん寝たはずなのに、外は暗く、朝はまだまだ遠い。

雑司ヶ谷白想

無職と書いたとたんに無職ではなくなりました。L様、お仕事ありがとうございます。 ブログ「空にパラフィン」を書く繭子さんとは何者か。妙齢の女性、書店員、短歌詠み、目白在住、わめぞ民。思いつく単語をつなげてみても、実際の繭子さんとはほど遠い。今…

午前様

山手線に乗り恵比寿へ行く。東京都写真美術館で「ジョルジュ・ビゴー展 -碧眼の浮世絵師が斬る明治-」を見る。明治の時代に来日し、その時代の日本の風俗風刺を描いたフランス人画家の展示。日本滞在中に出版された画集もいくつかあり、展示されているそれを…

無職

仕事がないことを無職とか失業中とか言うならば、売れないイラストレーターはほぼ毎日無職で失業中だ。誰よりもたくさん寝て、ふらふらと町を歩き、本は図書館で借り、図書館に置いていない本は本屋で立ち読みをする。貧乏に慣れた体は、なるべくお金を使わ…

芦花公園

京王線に乗り芦花公園駅で降りる。芦花公園駅は、新宿からいくつ目かの、各駅しかとまらない小さな駅だ。駅周辺も、駅から世田谷文学館までの道のりも、つるつるとした道と家が続くだけで面白みがない。静かな町で住むにはいいが、世田谷文学館がなければわ…

コントラスト

歩きながらろくでもないことを考える。思考があちこちにつるつるすべる。考えがまとまらないのは、何も考えていないのと同じだ。結局全部どうでもいいのだ。今年は夏がないなと思う。暗い玄関から出たときの、世界が一瞬真っ白になる、黒と白の明暗の差がな…

荒地飲み

夜、高田馬場駅集合の後、さかえ通り奥の中華料理屋にて、出版業界女子飲み会を催す。女子全員が揃ったところでのいきなりの話題が、婦人科検診での屈辱さ、でそこから健康診断へと話題は移り、いまだバリウムを飲んだことがなくいつか白いうんこをするのが…

夏と露天

某駅すぐそばの、外見は古いが中は改装したハイテク銭湯、にたまに行く。日曜は午後2時から営業していること、大きな露天風呂があること、が気に入っている。せっかくのハイテク風呂にはほとんど入らず、体を洗うとすぐ露天風呂へと直行する。ぬる目のお湯に…

唇をかみしめて

「りんごの詩」だと長いこと勘違いをしていた。調べてたら「りんごの詩」は映画の副題で、曲名は「唇をかみしめて」だった。だからなんだということもないが、長年の勘違いが解ける瞬間というものは、それなりにそれなりの気分。

皇帝ヴィルヘルム2世

青山のワタリウムで「アロイーズ」展を、渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで「奇想の王国 だまし絵」展を、見る。 アロイーズ展。赤とピンクと水色で描かれたお姫さまと王子さま。2人を囲むのはバラの花、もしくは白馬。アーモンド型の目いっぱいに水色の目の…

海を見に行く

海が見たくて手頃に行けるお台場へ行く。駅を降りるとガンダム目当てかフジテレビ目当てか、海のほうまで家族連れとカップルの列がだらだらと続く。人の流れに乗るようにして歩いていけば、目の前にはいつのまにかお台場の海がある。お台場の海から葛西の海…

一日一善

雑司が谷小学校の同級生・樋口くんからメールをもらい、南池袋のトルコ料理屋へ行く。トルコ料理屋では、樋口くんと版元さんとが出版記念の打ち上げ中で、そこに急遽お邪魔して、樋口くんの暗黒処女作「さらば雑司が谷」を一冊いただく。せっかくだからサイ…

とらわれない

仙台に行く前に描いていた絵が本になりました。表紙も中のカットも描かせていただきました。今日明日くらいには書店に並ぶかと思います。どうぞよろしくお願いいたします。とらわれない | 釈徹宗著 | 書籍 | PHP研究所 夕方、池袋駅前のタカセ洋菓子店の前で…

けものみち計画

久しぶりにナンダロウさんから電話。元気そうで良かった。いま千葉ですか、豚さんも元気ですか、台風で豚小屋の屋根が飛ばないか心配、と。なるほど。楽しそうだな。 で告知です。今夏も「けものみち計画」はコミケに参加します。U-SEN君がミニコミを作って…

さらば雑司が谷

電車の中で、新潮社のPR誌「波」を読む。ひととおり記事を読み、それでも電車はまだ目的地に着かず、それならばと8月の新刊のページを端から見ていた。気になるタイトルの本があった。「さらば雑司が谷」。雑司が谷の本なんて珍しい、エッセイかしら小説かし…

煙草

目の前に座る女性が不思議な煙草を吸っていた。灰皿に溜まっていく吸殻が、やけに細く頼りなかった。それ手巻きの煙草?と隣りに座るNさんの言葉で、あぁそうか、と気づく。横溝正史の「獄門島」の中で、脱走兵か何かが土蔵の中で隠れて吸っていたのが、辞書…

10年間

夕立が小雨になるのを待ってたら夜になる。副都心線に乗って、青山へ行く。青山のHBギャラリーでは、HBファイルコンペの藤枝リュウジ賞を受賞したマスリラさんの個展「てんてけてん」が開催されている。初日の今日はオープニングパーティで、雨にもかかわら…

1日目

池袋から副都心線に乗り、神宮外苑花火大会を見に行く。花火大会だというのに、普段と変わらず空いている副都心線に乗り、北参道駅で降りる。コンビニで買った缶ビールを片手に、神宮に向かって住宅街を抜けていく。花火がよく見えるであろう道路や辻には人…

夏休み

ここ数ヶ月、団子のように繋がっていた仕事が一段落する。気づけば家とアトリエとの往復の日々で、仙台と、友人の個展以外は、どこにも行かなかったような気がする。明日からは、美術館とギャラリーを周る、散歩をする、人に会う。保留にしていた物事を、ひ…

梨の音

いつも行くラーメン屋で会う人々のあだ名はこちらを参考に。2009-03-03 - m.r.factory いつも行くラーメン屋。この時間にしては珍しく、カウンターには「ヒロシマ」しかいない。店の奥のテレビで流れる、漢字の読み書きを芸能人が答えるというクイズ番組を、…

まんが道

好き勝手に描いた絵と、仕事の絵、は違う。予想もしなかったお題を出され、描けます、と返答したからには締め切りまでに描かなければいけない。いつも苦しみは、そこからはじまる。機械のように淡々と描ければいいのにな、と思う。淡々と描けるくらいなら絵…

本当のこと

小学生のとき、休み時間に仲のいい子たち数人と、教室で遊んでいた。教卓に座る先生に私だけが呼び出され、女の子なのに言葉使いが悪すぎます、と叱られた。自分の言葉の良し悪しは、他人を通してしかわからない。叱られて、私の言葉は汚いのか、とはじめて…