断片日記

断片と告知

コロナの春 3月29日から4月4日

3月29日金曜日

雨、風。asさんレシピのトマト缶イカスミパスタ。うまい。昨晩、Sは酔って騒いだことをまったく覚えていないことが判明する。Sは往来座へ。洗濯。絵。夜、M家に寄り、母に野菜餃子とセロリをもらってから久しぶりに往来座へ。本搾り。ru先輩に棚が倒れて足が腫れた件を聞く。屈強なラッパーが助けてくれた、さっと助けたあと名前も言わず乳母車を押して去った、とのこと。夕飯は、トマトセロリ、母にもらった野菜餃子。Sに餃子をどれくらい食べるか聞くと、ぜんぶ、というのでもらった二箱ぜんぶ焼く。早々に寝る。S家泊。

 

3月30日土曜日

晴れ。ケンミンの焼きビーフン。野菜と豚肉たくさん入れる。うまい、とS。佐久間さんのユーチューブ、見る。板倉の言い訳クリスタル。Sは洗濯してから往来座へ。昼過ぎ、大鳥神社横のファミマでuちゃんと待ち合わせ。え?半袖?と驚かれる。暑いので、今年初Tシャツ、初サンダル。西日暮里を目指して歩く。不忍通り沿いを行くのが楽だがおもしろくないので、1本か2本かずれた小道を探して歩く。護国寺裏、大塚公園、砂利場坂、千石本町通り商店街、六義園、谷田川通り、西日暮里。ところどころに咲きはじめた桜、咲き終わりのハクモクレンハナニラ、はこべ、ぺんぺん草、おおいぬふぐり、カラスノエンドウがあちこちに群生している。ぶわっと春。西日暮里ブックアパートメントでKANさんと合流。え?半袖?とまた言われる。道灌山通りをまっすぐ歩いて町屋まで。夕方になっても暑く、Tシャツで正解と言われる。ふたりも着てきたコートを脱いでいる。町屋の駅を越え、しばらく行った先を左折し住宅街のなかへ。この辺じゃないかと見上げると、子宝湯、と描かれた大きな白い煙突を見つける。銭湯「子宝湯」へ。向かって右手は塀で囲まれた大きな空き地で、木材や廃材がぐわっと積まれ、間をぼうぼうに育った草や木が埋めている。一部、溶岩がつまれた箇所があり、もしかしたら昔、庭だったのではないかとも思う。正面入り口、左右の壁の下部分に紺色のタイルが貼られ、のれんはなく、入ると玄関の土間は青と白のタイルが千鳥格子に貼られている。正面に傘用のロッカー、左右に下足箱。傘ロッカーにカレンダーの裏のようなつるつるの紙に黒マジックで書かれた廃業のお知らせが貼られている。「閉店のお知らせ 勝手ながら当店は令和6年3月31日を持ちまして子宝湯を閉店することになりました」。脱衣場。入ると右手に番台。女将さんに入浴代520円払う。島ロッカーがまんなかにひとつ、左手壁沿いにロッカー、昔ながらの茶色いマッサージ器、赤いおかまの髪乾燥機、番台の前にガラスの冷蔵庫。庭には茫々の草が生え、軒先から便所らしき場所に向かって縁台が続いている。天井は立派な格天井。洗い場。左右に立ちシャワーがひとつずつ。左右の壁にカラン、真ん中に島カランが一列。男湯との境の壁にはモザイクタイルで、オランダのような大きな4枚羽の風車と水辺が描かれている。正面には湯船が3つ、右から深めの泡風呂、電気とジェット、浅めの泡風呂。湯は熱め、強いて言うなら浅めの泡風呂が一番低めで入りやすい。湯船のうえの壁は下部分が薄紫色のタイル、そのうえにペンキ絵。どこかの海と岩と松と空が広がっている。男湯との境の壁のうえにひょろっとした松が1本描かれている。ペンキ絵の下部分は湯気で劣化したのか、触るとざらっとした粉が手につく。天井は大きく高く水色に塗られている。まだ日が高いので天井近くの窓から見える空が明るい。番台で缶の茶を買い、銭湯遍路のハンコをもらう。ハンコに赤いインクを何度かつけ、自分で押して、曲がっちゃうから、と女将さんにハンコを渡される。あたしたちになってから30年くらい、もともと別の人がやってて、ここは借りてんのよ、だから大変、配管がダメになっちゃって、ペンキ絵も30年そのまま変えてないの、下のとここすったらハゲちゃって、男湯のペンキ絵?富士山じゃないよ、うちに富士山の絵はないの、どうしてかしらね。ことばのあいだに、うふふ、とか、あはは、とか笑い声がはさまる。子宝湯の名前の由来も知らないそう。ふたりが髪を乾かしているあいだ、マッサージチェアに座る。20円入れると、見た目よりぐいっと強くもんでくれ、時間も長い。外に出ると昼間よりはやや涼しく、湯上がりにちょうどいい気候。気持ちいいねぇ、と言いながらその辺を1周する。入る前に電話で予約したOへ。生ビール、スパークリングワイン、お通しはジェノベーゼマヨネーズつきの菜花、カルパッチョ、サラミ、レバーペースト、サバとジャガイモのガレット、グリルタン、レモンクリームパスタ。生ビールを久しぶりにうまいと思う。つまみもどれもとてもおいしい。KANさんのお父さんが朝食にトーストを何枚切りのものでも必ず2枚食べる話。たくさん召し上がっていただいて、とマスター。この場所で51年目の二代目だそう。道灌山通りを歩き、途中で左折、日暮里まで歩く。KANさんと別れ、uちゃんと山手線で帰る。往来座に寄ると、Sとmiくんが飲んでいる。uちゃんがmiくんに桜の枝をもらう。ローソン100で買い物して帰る。Sの夕飯は、ごぼうネギほうれん草豚肉鍋。食べ足りないSはダイエットしなきゃと言いつつ、ミックスビーンズも食べている。S家泊。

 

3月31日日曜日

晴れ。暖かい。玉ねぎと鍋であまったほうれん草を入れた豚肉のカレー。お笑い向上委員会、ゴットタン、見る。Sは往来座へ。明日から食堂アルバイトかと思うとなにもやる気がおきず、転がって過ごす。夜、往来座へ。お茶割り。早々に片付けて帰る。帰り道、法明寺を通ると屋台がいくつか出、飲んでいる人たちも少しはいるが、桜はまだ1分も咲いていない。夕飯は、ごぼう春菊油揚げ水餃子鍋。水餃子には白菜のみじん切りを入れる。M家泊。

 

4月1日月曜日

晴れ。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。大学は入学式。コロナのあいだにはなかった華やかさできらきらしているが、食堂に来る人はそう多くなく、ひま。終えて、往来座へ。店は定休日だがSは出勤し通販仕事をしている。S家へ。掃除。疲れて転がる。夜、Sが戻り、缶ビール飲みつつ、目白台の鳳山酒店の横の坂をおりて高田、神田川沿いの桜を見、ファミマでシードル買い飲みつつ、よしやまで。神田川沿いの桜並木を歩きつつ、こんな儚いもの見たくない、とSがぶつぶつうるさいので、あんたが勝手に儚いって思ってるだけじゃん、と言い返す。買い物。お茶割り飲みつつ帰る。夕飯は、トマト、菜の花の辛子和え、もらった煮込みハンバーグにチーズをのせて焼いたもの。Sはよしやで買ったホタルイカも食べている。菜の花うまい、とS。82年の山田太一ドラマ「ながらえば」見る。宇野重吉。猪谷の旅館。見ている途中で、これ前も見たわ、と気づく。病院で妻に背中を向け、ここにいたいんじゃ、と言う笠智衆を見、Sがぴゅっと泣いている。M家泊。

 

4月2日火曜日

晴れ。納豆ご飯。台湾で地震のニュース。NHKのニュースでは与那国、八重山、沖縄に向けて、津波に注意してください、とアナウンサーが繰り返している。食堂アルバイトへ。付属の高校の給食もはじまり、なかなかの活気。賞与が15000円出る。うれしい。終えて、往来座へ。Sは休日だが、エアコンの室外機の工事の続きで店に来ている。工事が終わったころ、KOくんがやってくる。就職が決まったそうで、それならと、S、KOくんと花見に出かける。お茶割り飲みつつ、明治通りから神田川沿いに出、早稲田大学の前を通ってファミマでワイン買い、飲みながら戸山公園の箱根山まで。神田川沿いは8分咲きくらいだが箱根山はまだほとんど咲いておらず。早稲田大学にはスーツを着た新入生がたくさん。サークルなのか派手な衣装を着た人たちが勧誘している。戸山公園の入り口で、さだ研のTシャツを着た人たちとすれ違う。さだまさし公認って書いてありますよ、とKOくん。神田川沿いに戻り、水神社、椿山荘、江戸川橋公園、講談社前から護国寺まで歩く。護国寺沿いの焼き鳥屋で、生ビール、ウーロンハイ、フライドポテト、枝豆、チャーシュー、焼き鳥いくつか。護国寺富士講にのぼり、境内を散策、墓を抜けて池袋まで行く。空が広くて気持ちがいい。KOくんと駅前で別れ、往来座へ。小腹が空いたので、セブンイレブンで買ったカップラーメン食べて帰る。M家泊。

 

4月3日水曜日

雨。昨晩の酒が体に残っている。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。激混み。いままでて一番の売り上げになる。早番の人たちもみな残業してくれ、なんとか片付け終える。S家へ。Sは近所に猫番へ。ブログ書き。S戻り、布団に寝転び動画を見るか寝るかしている。夜、Sと弦巻通りのまいばすけっとへ。買い物。本搾り飲みつつ帰る。夕飯は、セロリのおかかポン酢和え、ごぼうネギ汁、もらった塩唐揚げ、もらった豚肉のチーズ焼き。麦チョコを少し。ドラマ「不適切にもほどがある」続き見る。M家泊。

 

4月4日木曜日

曇り。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。昨日とうってかわってひま。ここ数日のsさんの言動に対していらいらがおさまらず。誰に対してもひどいので誰に愚痴をこぼしても共感されるところだけが救い。終えて、K会長宅に寄ってからS家へ。文章書き、まったく進まず。夕方、SからKOさんが来てるよと電話。往来座へ。KOさん、nと缶ビール飲みつつ法明寺まで、ぷち花見。8分咲きくらいか。縁日のぼんぼりの灯りで桜が濃いピンクに見える。往来座に戻るとru先輩、saさん。お茶割り。KOさんに『スキップとローファー』を貸す。n、Sは名画座かんぺ折り、発送、ポストまで、と月はじめの作業をしている。今日一日ずっとこれ、とS。帰り道、また法明寺を通ってKOさんを鬼子母神停留所まで送る。ローソンで買い物し、雑司ヶ谷公園の桜も見て帰る。夕飯は、もらった青椒肉絲、もらったジャーマンポテトごぼうさつま揚げに豚汁の具を入れた汁。汁には卵も落とす。「不適切にもほどがある」続き見る。阪神淡路大震災。S家泊。