断片日記

断片と告知

忘れないこと

目黒で仕事の絵を納める。その時に出していただいたお茶があまりにもおいしくて、仕事先で出されたお茶をゴクゴク飲むのもどうかと思うのだけれどやめられず、最後までぐびぐびと飲み干し、このお茶はどこの何かとしつこく訊ねる始末。出していただいたお茶はマリアージュ・フレールというフランスの紅茶専門店のお茶で、しかも夏限定ということで今の時期は買えず、それでもこんなにおいしいフレーバーティーがあるのかと目から鱗が落ちました。来年の夏、買う、絶対。覚えておくこと。
恵比寿の裏道を歩いていると、ものすごくいい匂いが。振り向くとそこには1軒のぼろっちいけど味のあるご飯屋。黒字に白抜きででかく「めし」と書かれたのれん。ガラス戸の向こう、カウンターの中のおじいさんが笑顔で「いらっしゃい」と言っている。心ひかれる。外に出してある看板にはコロッケ200円とか書かれている。ここはたぶんものすごく美味しいに違いない。野生の感がそう囁く。でも今お腹空いていないんだよな。後ろ髪引かれるも、また来ますと目線で訴えペコリと頭を下げ立ち去る。ここも今度お腹空かせて来ること。覚えておくこと。
青山のHBギャラリーで久村香織さんの個展「この橋を渡って」を見る。色も形も構図も何もかもきれい。こんなに広い面を単一の色で塗って間が持つというのはすごいことだ。そして女性らしい柔らかさもある。まるで久村さんそのままの絵。絵を見ているとイラスト同業者の引地さんがやってきた。11月に十二指腸潰瘍と貧血で入院したそうで、フリーだからこその健康の大切さを話す。フリーだからこそ、早寝早起き、野菜を食べて、体も動かす。これ大事。忘れないこと。