毎年2月の半ばを過ぎた頃、母は小さな雛人形をテーブルの上に飾ります。男雛、女雛だけのシンプルなお雛様です。子どもの頃はこの周りに菱餅や小さな嫁入り道具や桃の花なんかも一緒に並べられていたのですが、年々縮小され今は男女２体のお雛様しか飾っていません。4日になるとすぐ、母は雛人形を片付けて押入れにまたしまいます。雛人形はひな祭りを過ぎた後も出しっぱなしにしておくと婚期が後れるなどと言われておりますが、我が家のようにすぐ片付けてもなかなか嫁にいかないうちもあるようで。諦めてくれればいいものを、まだ懲りずにしっかり片付ける母が少し不憫です。
