断片日記

断片と告知

古本の王子さま

金もないのに何を思い立ったか久しぶりに髪でも切ろうかと美容院の前まで行くとどの扉も寂しく閉じていてあぁそう言えば今日は火曜日だったかと思い出す。せっかく駅前まで出たので、そのまま電車に乗り原宿へ行く。ソーン・ツリー・ギャラリーで、つき山いくよさんの個展「山笑い、月のぼる。」を見る。水彩のノビノビとした色と線。たっぷりと水を含んだきれいな色たち。一足先にここだけ春がきたような。そのまま散歩して新宿へ。世界堂で画材を買い、池袋まで歩いて戻る。
本屋で立ち読みをしていると携帯電話がプルルと鳴る。古書文箱の王子、古書往来座の瀬戸さん、古書現世のパロパロ向井からの飲み会の誘い。雑司ヶ谷奥地の居酒屋で4人でまったりと飲む。そう言えば、何度も外市で顔を合わせているのに、王子とちゃんと飲むのははじめてかもしれない。さっき旅猫雑貨店で買ったばかりだという湯たんぽを抱えている姿がかわいらしい。でもその口から出る王子の物語は結構ハードだ。「わめぞ」にはなぜか、こういう面白い人たちが集まってくる。そしてそういう人たちにとって、駆け込み寺のように、ここは居心地がいい。