断片日記

断片と告知

おさんぽ市でした

10時過ぎに東池袋・日の出優良商店街に向かう。おひさま広場に着くと、古書現世のパロパロ向井、退屈くん、瀬戸さん、やまねこさんがいて、すでに広場のベンチや段差を利用して古本がきれいに並べられている。レジ周りを整えてまったりしていると11時になり、ゆるゆると「おさんぽ市」がはじまる。みんな朝飯を食べていないので、そういえば腹が減ったね、ということになり、退屈くんと買出しに行く。いつも日の出会でお世話になっている肉の成田屋さんで、名物のメンチカツ、チキンカツ、コロッケを買い込む。それを持って研ぎ猫さんちに行き、勝手知ったる我が家のように、食器棚から皿を出して揚げ物を盛り、ご飯茶碗を出して炊いてある飯を盛り、箸も人数分用意して、トレーに乗せてまたおひさま広場の帳場に戻る。帳場といっても広場の端っこにあるテーブルをそのまま利用しているだけだ。そこに「わめぞ」民が集まり、各々ご飯茶碗の上にコロッケやチキンカツを乗せてむしゃむしゃと朝飯を食べている。弁当ならまだしも、テーブルを囲み普通の茶碗や箸で立ったままご飯を食べている姿は、ここは本当に屋外の古本市ですかと疑いたくなるような光景で、古本を買いに来たお客さんにまで、レジはどこですか、と真顔で聞かれる始末。慌てて茶碗を横に置き、ここです、とお会計をする。研ぎ猫さんちの冷蔵庫には缶ビールも冷えていて飲み放題、ご飯も10合炊いてあるしで、1日中、酒と飯には困らない。天国のような古本市だ。肝心の古本はどうかというと、軽いミステリーの文庫も売れれば、ここでこんな本が買えるなんて、と近所のおじさんが渋い本を買っていったりする。こじんまりとした古本市だけれど、なかなか楽しんでもらえている。広場から戻ってきた瀬戸さんが、豆電車を見てたら感動してしまって、と涙を流している。どれどれと見に行くと、小さな電車が汽笛を鳴らし、子どもたちを乗せて走っている。大人も乗れますと言われ、子どもたちに混ざって乗させてもらう。折りたたんだ足をどこに置いていいのか迷うほど、電車は小さい。それでも子どもと大人を5人も乗せて電車はぐんぐんと走る。子どもに大人気なのも、大人が涙を流してしまうのも、なんだかわかる。寒いかと思ったが、一日中ぽかぽかと暖かく、ビールもおいしく、あっという間に4時になる。のんびりとした1日だった。遊びに来てくださったみなさん、どうもありがとうございます。のんびり楽しんでもらえましたか。商店街のみなさん、お世話になりました。そして研ぎ猫さん、お疲れ様でした。お酒とご飯、ご馳走さまでした。