断片日記

断片と告知

昼過ぎ、副都心線雑司ヶ谷駅で待ち合わせ。キアズマ珈琲で仕事の打ち合わせをする。仕事の打ち合わせと言えば、こちらから出向くことはあっても、雑司ヶ谷まで来ていただくのははじめてのことで、うれしくも緊張する。都電を見るのはじめてなんです、と言う編集の方に、あれですあれが都電です、とすぐ目の前を走る都電を指差し自慢するのは、雑司ヶ谷に自慢するものがあまりないからだ。鬼子母神のけやき並木も自慢し、キアズマ珈琲も自慢し、その後ろにある並木ハウスも自慢し、それで自慢の種が尽きる。そもそも遊びで来ているわけではなく仕事で来ているのだから、おらが町自慢なんてことはしなくてもいいのだが、せっかくならばとサービス過剰気味になる。打ち合わせも終わり、また雑司ヶ谷駅で別れる。1人になるともらったゲラがズシリと重く感じられ、かばんの紐が肩にくい込む。