断片日記

断片と告知

みちくさ市でした

朝10時、けやき並木の入り口第2みちくさ案内所まで、家からチョモランマを押していく。すぐに車が到着し、本と什器を降ろしていく。本棚を組み立て、台を作り、古本を並べていく。曇りの予報が晴れたのはいいが、まだ午前中にして危険なほど暑い。で、まず缶ビールを1本。ブルゴーニュ岡島のおごりで飲む。飲んだ瞬間からアルコールは汗となり、今日は飲んでも飲んでも平気なのでは、とここでまず勘違いする。12時過ぎ、都電の線路の近くに立ち、参加者のみなさんを指定の場所へと案内する。石英書房さん、こちらです。岡崎さん、こちらです。紅屋さん、こちらです。そして13時、みちくさ市がはじまる。
ブルゴーニュ岡島のおごりで焼き鳥とおにぎりを食べる。食べながらも2本目か3本目の缶ビールを飲む。あぁ、今日はいける、と勘違いは続く。本日の持ち場は第2みちくさ案内所、のはずだったが、ふらりと見に行ったわめぞ漫画部で店番を任される。電柱にもたれ、缶ビールを飲みながら、漫画を売る。ちらりと横目で見ていく人たちに、いらっしゃい、と声をかける。あくまでもさり気無く、押し付けがましくなく、よかったら見ていってね、買わなくてもいいからさ、でもなんか楽しい本あるかもよー、という気持ちを込めて、いらっしゃい、と声をかける。悩んでいる人には、ビニール開けましょうか?と言ってみる。手塚治虫トキワ荘を出た後に住んでいたアパート・並木ハウスはこちらです、と請われてもいないのに案内する。そして気づけば漫画部盛況じゃないですか。背後から小さな声で、いらっしゃい、と言うU-SEN君のがんばりがおかしい。レバーの焼き鳥とレバー煮を買い、何でどっちもレバーなんだよ、とブルゴーニュ岡島に怒られながらも、だってレバーが食いたかったから、と言い返し、缶ビールから缶チューハイに移行したのはこの辺りか。まだいける、と何の根拠もなく思っていた。考えてみれば、酒屋の前を通るたびに、私は酒を買っていた。
夕方、第2みちくさ案内所はどうなっているかしらと戻ってみた。本棚の横にふーと腰をおろしてみた。横を見たら雨除け用のブルーシートが畳んであった。広げて横になってみた。そして目が覚めたら夜だった。みちくさ市はとっくに終わり、縛った本が道に積まれていた。ウーロン茶をいっき飲みし、反省する。みなさん、どうもすみません。