断片日記

断片と告知

夜、新宿に行く。学生時代の友人たちと飲みに行く。家の遠い友人たちと、こうして集まるのは1年に1度か2度か。かならず場所は新宿で、歩いていて見つけた適当な居酒屋で飲む。お洒落な店のときもあれば、今日のように焼き鳥屋のときもある。焼き鳥食べたかったんだよね、とFが言う。Fの家は常磐線の奥地にあって、大きな街道沿いに大きなチェーン店がいくつも並ぶが、焼き鳥屋はないんだよね、と言う。テーブルに着き、久しぶり、と乾杯する。出会ってから20年経つ。会うたびに、身の回りの環境は少しずつ変わっていくが、彼女たち自身は恐ろしく何も変わらない。人間も果物のようなものなのか。周りの実は熟してやがて腐るとしても、中の種だけは固いまま。やがてポトリと地面に落ちて終わるのか。