断片日記

断片と告知

皇帝ヴィルヘルム2世

青山のワタリウムで「アロイーズ」展を、渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで「奇想の王国 だまし絵」展を、見る。
アロイーズ展。赤とピンクと水色で描かれたお姫さまと王子さま。2人を囲むのはバラの花、もしくは白馬。アーモンド型の目いっぱいに水色の目の玉。おちょぼ口の唇は、正面を向いて並んでいるか、寄り添ってキスしているかのどちらか。女性が描いたというよりは、女の子が描いた夢の世界が大きな紙に広がっている。32才から78才で亡くなるまで、精神病院で暮らした女性が描き続けた絵。少し息苦しい。
ワタリウム アロイーズ展
奇想の王国だまし絵展。音の台所さんからいただいたチケットで見る。外にはチケットを買う数十分待ちの列が伸び、中にもぎっしりと人の頭。ほとんどの絵を二重三重の人の頭越しに見る。日本のだまし絵のコーナーの、柳下幽霊図、がいい。この絵だけはなんとか最前列に潜り込み、恨みのこもった女の顔を飽きるまで見る。