断片日記

断片と告知

コロナの冬 3月8日から3月14日

3月8日金曜日

雨、晴れ。早朝便所に起きると屋根に雪が積もっているのが見える。玉ねぎベーコン人参じゃが芋のシチューにチンした飯を入れたリゾットもどき。Sは往来座へ。絵。夜、往来座へ。Oさんから届いたダンボールをM家に運ぶ。伊予柑とO母さんが取っていた昔の包装紙がたくさん。うれしい。母に伊予柑渡し、母が買った焼き鳥もらう。往来座へ。asさん、ru先輩、saさん、miくん。本搾り。今週末、家にひとりなのでエマニュエル夫人を観るかどうか悩んでいるru先輩。ローソン100、弦巻通りのまいばすけっとで買い物。夕飯は、トマト、昨晩の鍋の残りにコンビニで買った豚汁の素を足した汁、母にもらった焼き鳥。最近本搾り3本で眠い。S家泊。

 

3月9日土曜日

晴れ。風が強い。玉ねぎ人参カリフラワーミックスビーンズひき肉のトマトソースパスタ。麺は太め短めの4分麺。ヤギと大悟、いきなりのレギュラー放送最終回で悲しい。Sは往来座へ。絵。夜、K会長宅に寄ってから往来座へ。ru先輩。お茶割り。Sとツルハで買い物。猫餌、猫砂、歯ブラシなど。夕飯は、豆腐とまいばすけっとで買った豚汁の具とファミマで買ったパクチーを入れた豚つくね鍋。麦チョコを少し。Sが動画で三上寛を見ており、見ていると歌いたくなりギターを弾いて歌う。映画「ザ・マジックアワー」最後まで観る。S家泊。

 

3月10日日曜日

晴れ。暖かい。玉ねぎカリフラワーベーコンのクリームパスタ。麺は太く短い4分パスタ。お笑い向上委員会、見る。ずん喫茶は、落合。パレットと舘。どちらもアルバイト先修行先の名前をそのまま使っている。Sは往来座へ。掃除、洗濯。空気を抜くのが面倒で空のまま放っていたフィキサチーフ缶100本近くをやっと空気抜く。あちこちマイペットで拭く。帳簿書き。夜、K会長に帳簿戻し、明日の土産にしようと赤丸ベーカリーを外から見るもラスクは売り切れ。金をおろそうと池袋駅前の銀行まで行くもカードを忘れて金をおろせず。往来座へ。ちょうどuちゃんが来たので一緒に池袋駅まで行き、明日の新幹線チケット上野新青森の指定席券を発券する。往来座に戻り、焼酎お湯割り。saさん。ハナマサで買い物。夕飯は、ごぼう小松菜油揚げ豚しゃぶ鍋。Sは鍋を食べたあと、お腹すいた、と言いながら納豆ひとつ卵ひとつをまぜて食べ、ミックスビーンズも食べている。麦チョコを少し。さま~ずのボードゲーム動画見る。自分の色が覚えられないふたりがひたすらおかしい。明日早いので早々に寝ようと思うも結局いつもとたいしてかわらず。S家泊。

 

3月11日月曜日

晴れ。5時15分起き。日がのぼりかけの空を見、きれい、とS。納豆ご飯。Sは納豆ふたつ卵ふたつツナ缶ふたつを飯にかけて食べている。Sと池袋駅へ、改札前でuちゃんと落ち合い、山手線で上野まで。uちゃんがメルヘンでサンドイッチを買い、新幹線改札内ニューデイズで缶ビールを買い、乗る前にベンチで乾杯。新幹線はわれわれと同じJR東日本1日1万円乗り放題のキュン旅でほぼ満席、ギリギリでとれた3人ばらばらの指定席で新青森まで行く。わたしの隣りは少し年上くらいだろうか、女ともだちふたりのキュン旅。便所の場所を教えたことから会話がはじまる。いまどの辺かしら、本読んでたのにごめんなさい、お客さんに聞いたのよ、味噌ミルクカレーラーメンが名物なんだって、あとのっけ丼、うちは床屋床屋、大谷くんは奥州よね、この辺からあんなこが出るなんて、彼女の顔もネットに出ちゃって、弟の顔まで出ちゃって、新青森から青森に出る電車が2両しかないのにキュン旅の人たちで満員で地元の人たちが怒ってるんですって、こないだネットで見たばっかりなのになんで探せないのかしら、たまにはこうしてどっか行かないと、前頭葉が縮むとボケるんですって。ふたりは、仙台か盛岡で降りてみようか、と迷っていたが電車賃を計算し、青森まで行かないといっぱい得しない、と結局新青森まで一緒に行く。前列に座っていたuちゃんに、3人旅みたいでしたね、と言われる。新青森のホームからは駅前ロータリーとまばらに建つ住宅、道の端に積まれた雪山が見え、店らしきものはなにもない。ふたりが言っていたように、満員の2両のディーゼル車に乗り換え青森まで一駅。車窓からとんがった屋根のブックオフが見える。青森駅新幹線改札内に縄文ねぶたの模型とりんごの鈴型オブジェが並んでいる。青森駅は新しい駅ビルを普請中。3人とも青森ははじめて、いままで旅したなかで一番の北限になる。昼飯はSが事前に動画で見ていた魚彩センターののっけ丼を目指すが、外まで伸びた列を見てあきらめる。駅正面に建つ市役所や図書館の入るビル・アウガの地下の新鮮市場へ。魚介から食堂、文房具まで小さな屋台のような店が賑やかに並んでいる。S、uちゃんが魚屋でその場でむいてもらったカキを食べる。東京で食べると、カキです!って味がするけど、ここのカキはさりげなくカキだ、めちゃくちゃうまい、とS。カキ殻をむきながら、キュン旅は基本日帰りの人たちが多く遠くまで行けないので駅近くの店が賑わっている、と教えてもらう。魚屋の向かいの丸青食堂へ。ふたりがカキを食べてるあいだに食べたかったまぐろの中落ち丼が売り切れになる。瓶ビールとまぐろづくし丼、Sとuちゃんはぜんぶの魚貝がのった「神」を注文。まぐろうまい。Sとuちゃんはエビのあたまを味噌汁につけ、ミソを出し切った汁をすすりお互いに、うまい、うまい、とうなずいている。海沿いに出てデッキを歩く。町と海がこんなに近いとは思わなかった。陸奥湾は波もなくとろっと青い油のよう。水は澄んでおりテトラポットにへばりついたカキ殻、赤いヒトデ、ウニが見える。謎の巨大三角ビル、海沿いから駅を越えるでかい吊橋も見える。正面に見えるでかい雪山が八甲田山なのかなんなのかわからず。アートホテル青森にチェックイン。5階の窓から丸に赤字の「は」の看板と海が見える。雨が降ってきたのでセブンイレブンでビニ傘を買う。冷蔵の棚に見たことないほどたくさんのシードルが並んでいるので1本買って飲む。うまい。八甲通りの古書らせん堂へ。陸奥湾のような青いテント、高い天井まで重ねられた本棚に古本と新刊がぴちぴちと詰まっている。間口の大きさからは想像していなかった店の深さ高さ。若き日のらせん堂さんが雑司ヶ谷の辻会計の裏手のアパートに住んでいた話から、「水もれ甲介」に出てきた雑司ヶ谷の銭湯「富士の湯」の前に焼き鳥屋があったこと、弦巻通りにあった寿司屋とスナック、本納寺の前の蕎麦屋にいたら久しぶりだなぁと言いながら入って来た客が未来から来た自分じゃないかと思ったこと、文芸坐に寅さんを観に行ったらちょうど青森の青函連絡船の汽笛が鳴るシーンだった、などらせん堂さんの思い出がとまらず楽しい。『恩地孝四郎 装本の世界』「ぼくの浮き世風呂』を買う。また海沿いに出、公園を歩いていると明治19年明治天皇が立ち寄った記念碑がいくつも建てられている。海沿いを歩きいまは記念館になっている青函連絡船・八甲田丸へ。外からぐるっと眺める。船まで線路がのび、列車ごと船で運んでいたとはじめて知った。「津軽海峡・冬景色」の石碑があり、彫られていた歌詞を見ながらみなで歌う。すぐそばのAファクトリーで土産とここのオリジナルシードルを買いまた飲む。辛口でうまい。でかい黄色いアルファベット「AOMORI」が置かれた人口ビーチ。ゴミ一つない砂浜に迷彩模様みたいに雪が残っている。仕事を終えたらせん堂さんから連絡をもらいらせん堂前へ。筋子巻きがうまいという三九鮨はいっぱいで入れず、おでんと蕎麦がうまいという飲み屋「横丁」へ連れていってもらう。座敷で生ビールを飲んでいるとNNさんもやって来る。おでんの盛りあわせ、まぐろヤリイカの刺身、粒胡椒とオイルがかかったキャベツ、焼きつぶ貝、角煮、ざる蕎麦。おすすめの日本酒、八仙、も飲む。うまい。らせん堂さんとNNさんは酒だけを飲みほぼ料理に手を付けず。皿に少しだけ残る遠慮のかたまりの話から、青森県民の遠慮深さを「津軽衆」というと教えてもらう。らせん堂さんが池袋で働いていた本屋と青森に戻ってから定年まで働いた本屋、そのあとにはじめた古書らせん堂、池袋の馴染みの定食屋で納豆定食を注文したらすぐあとに来た人も納豆定食を注文したが売り切れでかわりにおにぎり定食を食べていた人の顔を見たら石原吉郎だった話、など。地元のひとは刺し身をあんなにのっけない、1種類でいいよね、刺身はのっけないけど本はのっけるんです、とらせん堂さん。中学の先生に文章が面白いと言われたことが書くきっかけだった、とNNさん。カウンターに全身パンダの着ぐるみのひとがいる。閉店後まで飲み雨のなか、手を振るふたりと写真を撮り別れる。セブンイレブンで買い物してホテルに帰る。アートホテル青森泊。

 

3月12日火曜日

雨。ヨーグルト。10時チェックアウト。早起きして喫茶マロンで珈琲とケーキを食べてきた、とuちゃん。読み方が難しい善知鳥(うとう)神社の池の亀、鯉、出はじめのふきのとう、目が描かれた不思議な看板など見てから、らせん堂で昨日買い忘れた『棟方志功 装画本の世界』を買い、瀬戸さんに飲んで欲しいとらせん堂さんが言う日本酒・赤武をいただいてから、青森駅のロッカーに荷物を預ける。昼飯は一八寿司へ。Sに並んでもらっているあいだにuちゃんと甘精堂本店へ。土産とシュークリームと火曜日限定のエクレアを買い、一八寿司に戻る。すでに数組待っており、11時半に店が開くとすぐに満席になる。瓶ビール、特上鮨と鉄火巻き。Sは特上の1.5人前と筋子巻きを食べている。ぜんぶうまい。貝が苦手なのでふだん食べないホタテまでうまい。こんどはカウンターで好きなネタを心ゆくまで食べたい。住宅街を歩いて棟方志功記念館へ。青森は、青いトタンの屋根が目立ち、屋根が平らな家についている雪下ろし用のはしご、金沢の雪吊りとはだいぶ違う雪から樹木を守るための板の囲い、などさりげなくめずらしいものが多く歩いていて楽しい。記念館は老朽化耐震性の問題で三月末で閉館とのこと。階段の踊り場に貼ってある棟方志功の写真がとてもかわいらしい。ザ棟方志功な色付きの版画は裏から色をつけていたとはじめて知った。色付きよりも黒一色で刷られたものが好きで、なかでも晩年の作品「ベートーベンチェア」が一番好きだった。作品の下に書かれたサインと題名表記がどれもすこぶるかっこいい。『板極道』の版木と出版物が絵が反転しておらず、なぜだかわからない。11匹のねこグッズを探しに青森中央郵便局へ行くも探しているコップは見つからず。NNさんに、棟方志功が青森のセーヌ川と書いた、と教えてもらった堤川を見に行く。水が日本画の緑青のようでやっぱりとろっとしている。雨のなかさっき買ったシュークリームを食べながら歩き、銭湯「トド湯」へ。銭湯が苦手なSを残し、uちゃんと入る。二階建て、正面2階に赤い文字で大きく「トド湯」、手前が駐車場。入ると左手に下足箱、正面に長靴用の大きいサイズの下足箱、右手にガラス戸。入ると左手にフロント、右手にロビー、正面奥にも畳敷の休憩スペースがある。畳敷きのほうにはほぼ漫画本ばかりの本棚が置かれていて楽しげ。フロントで入浴代480円払う。フロント右手に女湯の赤いのれんが下がる。広い脱衣所。真ん中に畳二畳分の腰掛け、右手にロッカー、洗い場手前に古い体重計と木製の身長計が置かれている。洗い場。左右の壁にカラン、真ん中に島カランが一列。右手奥手前に、湯が濃いピンク色をした寝ジェットの湯船、その奥に水風呂。左手奥手前が、泡とジェットがついた大きめの超音波風呂、ブラックシリカ風呂、ミストサウナ。ブラックシリカ風呂は、買い物かごのようなものに真っ黒な石が詰められ湯船のしたに沈んでいる。サウナには腰掛けの段差はなく、プールかなんかで見るプラスティック製の白い椅子が6つ置かれている。サウナの壁の上部分には男湯まで広がるペンキ絵で、磯のような海辺にトド3匹が描かれている。男湯との境の壁は半分からうえがガラスブロックで出来ている。壁の真ん中あたりには公園や街灯にありそうな棒の先が蝶の触覚のようにふたつに別れその先にまん丸のガラス玉がついた電灯になっている。フロントの女将さんに名前の理由を聞く。初代のおじいちゃんがはじめて、わたしたちは三代目なんだけど、おじいちゃんが樺太やもっと北でトドやアザラシを獲る漁師で、はじめはトド漁師だけの湯だったんだけど、戦争でこのあたりも焼けちゃって、それから一般のひとも入れるようになったの、いまで77〜78年くらい。外に出ると、ここ莨(たばこ)町だって、と莨の由来が書かれた看板の前でSが待っている。看板はなぜか面した道ではなく、敷地の塀の内側を向いてたっており、これも津軽衆かと思う。Sは待っているあいだに近くのスーパーユニバースへ行き、見たことない惣菜のなかから枝豆と数の子を和えたものを買って食べたそう。3人でユニバースに行き、枝豆数の子を眺め、土産、シードル、栓抜きを買う。栓抜きでシードルをあけ飲みながら歩く。青森にいるあいだに全種類のシードルを飲もうと思っていたが、種類が多すぎて無理なよう。がらんとしたスナック街を抜け海から見えていた三角の謎ビル、アスパムへ。1階の土産物屋でいろいろ買い、陸奥湾に別れを言い、夕飯は昨晩教えてもらった「ゆうぎり」へ行く。おまかせコースしかないとのこと。新幹線の時間を告げると大丈夫と言われ、ストーブの置かれた奥の座敷に通される。カウンターも奥の座敷もストーブも女将さんたちもなにもかも、青森を絵に描いたような店でうれしい。瓶ビール、日本酒の八仙、おまかせは、アンコウのともあえ、きんぴら、白滝のたらこ和え、ヒラメの刺身、ホタテのバター醤油焼き、粕汁。どれもしみじみうまい。ホタテの貝紐がこんなにうまいとは。青森のホタテとは和解した、とみなに告げる。ロッカーから荷物を出しまた満員のディーゼル車で新青森へ。あきらめきれず新青森売店でまたシードルを買い新幹線車内で飲む。新幹線は新青森から上野まで1本で行ける指定席がとれず、仙台で乗り換えてばらばらの席で上野まで行く。池袋から明治通り雑司ヶ谷に帰る。S家に帰り、たまっていた猫のクソを便所に流すと便所がつまる。いっぺんに流し過ぎでしょ、加減ってもんがあるでしょ、とS。ぶつぶつ怒りながらSが便所をカッポンしている。S家泊。

 

3月13日水曜日

晴れ。ファミマで買ったレトルトのバターチキンカレー。Sは休日、動画を見つつ布団に転がりブログを書いている。NNさんが棟方志功のことムナシコって書いてる、と可笑しそうなS。絵。夜、M家に寄り、母に青森土産を渡す。往来座へ。大量の買い取りがあったようで店番tがでかいダンボールに埋まっている。tに土産渡し、缶ビール。Sも少し仕分けを手伝ったのち缶ビール飲みつつ、大倉へ。買い物。豚ひき肉がなく、また缶ビール飲みつつ豚ひき肉を探して目白通りピアゴマルエツ、高田のスーパーよしやへ。どこも豚ひき肉なく、あきらめてよしやで鶏ひき肉を買い、お茶割り飲みながら帰る。夕飯は、豆腐舞茸里芋鶏ひき肉のパクチー水餃子。ギター弾きながら津軽海峡・冬景色を歌う。飲みすぎて起きていられず。早々に寝る。S家泊。

 

3月14日木曜日

晴れ。暖かい。ローソン100に売っていた長野のラーメンチェーン店テンホウのレトルトラーメン。野菜を炒めてスープを作るのが面倒だが麺がつるつるでうまい。これうまいよ、とS。Sは往来座へ。絵。夜、世界堂で画材を買ってから往来座へ。asさん、ru先輩、saさん。お茶割り。みな青森土産のせんべいや塩辛をつまみながら飲んでいる。asさんが中高生のころ寺山修司のはしかにかかり、青森を訪ねた話。確定申告がまだ終わらず疲れているsaさん。ローソン100で買い物。夕飯は、冷凍シュウマイ、玉ねぎピーマン舞茸ベーコンミックスビーンズのトマト汁。飲みすぎて早々に寝る。S家泊。