断片日記

断片と告知

月の湯、再び

アトリエで昨日の続きのマッチを作る。明日9日納品なので、ちょっと焦る。
夜は目白台の銭湯「月の湯」へ。銭湯マップを買う前にここのお湯に入り、銭湯の良さに目覚めた記念すべき場所。いろいろな銭湯に入ってみて、久しぶりにここに来るといろんな違いに目がいく。まず湯船も洗い場も脱衣所もみんなこじんまりしている。タイルやペンキ絵や壁や天井の古さが目立つ。蛇口やカランも年季が入っている。鏡の位置が低い。椅子に腰掛けるのではなく、床に直接座って見るように出来ている。鏡の前のシャンプーや石鹸を置く場所が狭い。どこの駅からも遠い住宅街の真中にあるので、来る人すべて顔見知り。私がいる間、女湯のお客さんは10人弱。みんな挨拶したり、近況を話したり。髪切ったのね、天然パーマだっけ、あの人最近見ないわよね、そんなに入っているとまたのぼせるよ、あの人こないだお腹空いてるのに2時間も入っていたのよ、医者に言われて毎日トマト10個食べて痩せたのよ、などと笑いながら話している。その合間に湯船につかり、いいお湯ね、本当ね、なんてことも言っている。会話を聞いているだけで楽しくなる。ここの湯船は、深くて熱めなのと、浅くてぬるめなのの2つ。はじめに熱めの湯船に入り「むー」っと唸っていたら「そっちは熱いから、こっち入りな。こっち、こっち。」とぬるめの湯船に入っていたおば様から声がかかる。思わず「はい」と返事をして素直にぬるめの湯に入る。おば様たちは、新参者に優しい。普段、知らない人にいきなり話かけたりしないものだけれど、この銭湯という場所は不思議とそれが許される。裸のせいかしら。
http://homepage3.nifty.com/yurakutyou/_private/each/tsukinoyu/index.htm