断片日記

断片と告知

王子様

今度の古書往来座外市」は5月3、4日。一箱古本市が終わったばかりで、売る本がない。売る本がないくせに、また古本売上対決をしなければならない。今度の相手は「古書文箱」さん。
文箱さんとは2回しか会ったことがない。一度は「外市」の打ち上げの時、一度はコクテイルで魚雷さんに野人と呼ばれた時。どちらも酒宴の席の端っこで静かに飲み、静かに笑い、白いブラウスの、少し長めの髪が額と耳にさらさらとかかり、まるで70年代少女漫画から出てきた王子様のようで、周りに一度もいなかったタイプなので、もうどうしていいのか解らない。飲んだくれてくだを巻くおやじとか、飲んだくれてセクハラしまくるおやじとか、とはいくらでも戦えるけれど、王子様とはどう戦っていいのか解らない。静かに微笑まれたら、静かに微笑み返すとか。やっぱり白いブラウスには、白いブラウスで対抗とか。そんなことで勝てるのだろうか。しかも文箱さんの出品する古本は、幻想文学系ときて、さらにどうしていいのか解らない。負けるケンカはしたくないけれど、勝てる気がさっぱりしない。