断片日記

断片と告知

迷い道

道に迷う。一度歩いた道、一度見た風景は忘れない、と気ままに歩きはじめたはいいものの、気づくと違う町にいる。目的地にたどりつかない。すでに約束の時間は過ぎている。肌寒い日なのに汗が吹き出る。手拭いで汗を拭きつつ、また歩く。電話して道を尋ねると、目的地はトンネルの向こう側。大して長くもないトンネルが、やけに長く感じる、雨の日の午後。