断片日記

断片と告知

学校の怪談

廃校になった小学校の旧理科室をアトリエとして借りている。廃校になったとはいえ、教室はいろんなサークルや習い事、NPOなんかに貸し出され、いつも人の気配があり、活気がある。そんなわけで、廊下が真っ暗でも、アトリエで1人の夜も、怖いと思ったことはない。
トイレは、廊下の端にある。真っ暗なときは電気をつけて入る。特に怖くはない。子供の時、学校のトイレという場所は、なんだかとても怖い場所だったような気がする。あの怖さはなんだったのか。と考えながらトイレに入っていると、ぱたぱた、ぱたぱた、と音がする。今トイレに入っているのは、私だけのはず。換気扇の蓋が、風に揺れているだけだ、と冷静に考えるものの、一度怖いと思ってしまうと、際限なく怖くなる。上を見ることができない。大抵こうゆう時は、怖いものは上から覗いているからだ。何も聞かないように、何も見ないようにして、トイレから出る。換気扇に蓋があるのかどうか、確かめるのが怖い。