断片日記

断片と告知

駒沢大学

またもや作者近影写真が必要になり、今度は旅猫雑貨店の金子さんに撮っていただく。撮影場所はアトリエで、ここにいられるのも来年の3月いっぱいくらいまでなので、これもいい記念になるだろうと、お願いした。アトリエの座布団に座り、少し見上げるようにしてカメラを見つめる。やはり照れくさく笑ってしまうが、これはこれで自然なのかもしれない。写真も撮り終わり、かえる食堂で昼飯を食べる。金子さんはキーマカレー、私はいつものみどりのカレー。そして、シフォンサンデーとカフェラテも飲み、かえる食堂フルコースを堪能する。金子さん、ありがとうございました。金子さんに撮ってもらったアトリエの写真は、こちら。
雑司が谷 路地裏縁側日記: ■本日、南南西の風
天気もいいのでアトリエでじっとしているのも勿体なく、散歩にでかけることにする。以前、古書往来座の瀬戸さんに招待券を貰った、向井潤吉アトリエ館へ行くことにする。アトリエ館は駒澤大学駅から歩いて10分くらいの場所にある。細い道の住宅街の奥地にあるのだけれど、駅から親切な案内表示が道のあちこちにたっているので、迷わずに辿り着くことができる。今の展示は「書籍の仕事−向井潤吉の場合」。向井潤吉の絵は、とてもまじめに描かれた絵だ。週刊誌や書籍の装丁も、堅苦しいと思ってしまうほどとてもまじめにやっている。雑誌「旅」の白黒ページで、児島善三郎と向井潤吉が文を描き、それに自分で挿絵もつけているのだが、児島の方の軽やかな絵と、向井のまじめ過ぎるほどまじめな絵の対比が面白い。同じ時代に生きても、これほど違うものなのか。アトリエには、イーゼルや、描きかけのキャンバスが生前そのままに置かれ、棚には向井の趣味なのか、こけしが数体飾られている。窓の外には庭が広がり、柿の木にはオレンジ色の実が下がっている。小さい個人美術館のような場所だけど、たまにぼーっとしにくるのも、いいかもしれない。
http://www.mukaijunkichi-annex.jp/main_j/index.htm
路線図を見たら、駒澤大学から渋谷まではたったの3駅なので、246沿いを歩いて帰ることにする。ときどきビルの隙間から見える、夕焼けの空がとてもきれいだ。