断片日記

断片と告知

雑一フラガールズ

明治通りを歩いていると、頭上に揺れる提灯たちに明かりが灯っている。この提灯は、大鳥神社のもので、忘れていたけれど、今日はどうやら二の酉らしい。せっかくならばと缶ビールを飲みながら、酉の市を見に行くことにする。大鳥神社に近づくにつれ、なにやら明るい音楽が聞こえてくる。この神社には小さな舞台があって、毎年そこで近所のおばちゃんたちが日本舞踊かなんかを披露して、やはり近所のおじちゃんおばちゃんたちから拍手喝采を浴びているのだが、今年はどうも違うらしい。音楽が聞こえたときから想像はしていたのだが、まさか神社の舞台でおばちゃんたちがハワイアンを踊っているとは。とっておきの衣装で身を包み、首には花飾りや真珠の首飾りが光っている。そして流れてくるハワイアン「カイマナヒラ」。ここは本当に大鳥神社の酉の市なのですか。派手な装飾の大きな熊手がこれでもかと売られ、屋台では焼き鳥やおでんを食べながら一杯飲む人たちがいて、境内のすぐ外を都電が走り、そして舞台ではハワイアンを踊っている。違う世界に迷い込んでしまったような違和感。そして衝撃。それなのに、何曲かその踊りを見、「またお会いしましょう。ア〜ロ〜ハ〜。」と言いながら舞台そでから去っていく踊り子さんたちに、最後は「ア〜ロ〜ハ〜。」とこちらも手を振っている。