断片日記

断片と告知

睫毛

ナンダロウさんに貰った2000円分の図書カードを握り締め、迷うことなく「佐野繁次郎装幀集成」を買う。絵もいいけど、描き文字もいいな、パピエ・コレもいいな、と眺めていると、1人の女性に目がいく。1947年あたりの挿画から何度も登場しているこの人。パーマをあてた髪をくしゃりとまとめ、あるときは裸、あるときは着物を着ている、この女性はいったい誰なのか。お気に入りのモデルなのか、恋人なのか、愛人なのか。なぜか、妻ではない、とそんな気だけはするのが不思議。