断片日記

断片と告知

遭遇

学芸大前、渋谷、青山、早稲田、神保町、水道橋、を駆け足で巡る。ところどころ歩き、ところどころ電車に乗る。神保町では、三省堂書店東京堂書店を覗く。東京堂書店に入り、積まれた雑誌に目が惹かれ屈み込んでページをめくったその瞬間、鞄の中の電話が鳴り、出てみるとリコシェの豆ちゃん。いま大丈夫ー?、と言うその言葉に返事を返そうとしたその瞬間、ぽんぽんと優しく肩を叩かれる。電話を耳に当てながら見上げると、さわやかに微笑む塩山さんの顔。その笑顔を見ながら、うわぁー!いま神保町なんだけど塩山さんがいたー!、と電話の向こうに絶叫する。タカってやれタカってやれ、と電話の向こうで豆ちゃんも叫ぶが、タカる暇もなく、そのやり取りに苦笑いを浮かべつつ、すずらん通りに消えていく塩山さん。ああして黙って微笑んでいれば良い感じのおじさんなのに、と思いつつ、自分も同じかもしれない、と思い直して反省する。