断片日記

断片と告知

本当のこと

小学生のとき、休み時間に仲のいい子たち数人と、教室で遊んでいた。教卓に座る先生に私だけが呼び出され、女の子なのに言葉使いが悪すぎます、と叱られた。自分の言葉の良し悪しは、他人を通してしかわからない。叱られて、私の言葉は汚いのか、とはじめて知った。
同じ先生に、また別の時、叱られた。本当のことを言ってはいけません。誰に何を言ったのか覚えていない。ただ、私の言った何かに対して、本当のこと、と烙印を押したのは先生の言葉のほうなのでは、と思ったことだけ覚えている。私は誰に何を言ったのか。言ったほうは覚えてなくとも、本当のことを言われた誰かは覚えているはず。言われた誰かは今では私と同じ37歳になり、今でも私のことが嫌いに違いない。