いつも行くラーメン屋で会う人々のあだ名はこちらを参考に。2009-03-03 - m.r.factory
いつも行くラーメン屋。この時間にしては珍しく、カウンターには「ヒロシマ」しかいない。店の奥のテレビで流れる、漢字の読み書きを芸能人が答えるというクイズ番組を、ママさんと楽しげに見ている。クイズ、歌謡ショー、野球中継。家では見ないテレビ番組を、ここのカウンターで一杯やりながら、文句を言いつつ見るのは嫌いじゃない。
唐突に、絵を描いているんだって？、とヒロシマに聞かれる。あだ名で呼んでいた人たちが、今ではどこの誰だかなんとなく私が知ってしまっているように、私のこともなんとなく彼らは知っている。売れてるの？と聞いてくる。中の下です、と笑って答える。本当は、下の下です、と言いたいところを、馴染みの店の常連に、くだらない見栄を張る。でも漫画家は一発当てればでかいから、とヒロシマが言う。でも漫画家じゃないから、と私が答える。沈黙が面倒で、ママさんの剥いてくれた梨を、シャクシャク、と音をたてて食べる。
