断片日記

断片と告知

救いの手

今年の夏にした良い行いといえば、日のあたる道路でのたくっていたミミズを2匹、湿った地面の上に戻したくらいで、後は何もしていない。蜘蛛を助けた男が地獄に落ちた時、目の前に現れる救いが蜘蛛の糸なら、ミミズを助けた私が地獄に落ちた時、目の前に現れる救いはミミズなのか。空のずっと上のほうから伸びたミミズがぶら下がっているのを見て、果たしてそれを上る気になるだろうか。