昼、東池袋にある劇場「あうるすぽっと」で搬入展示の作業をする。夜、青山のオーパギャラリーへマッチ展の搬入に行く。そして青山から雑司が谷まで歩いて戻り、そのまま雑司が谷奥地の居酒屋「アミ」へ行く。
仕事帰りの乃木繭子さんと落ち合い、ふたりで飲む。繭子さんは「空にパラフィン」というブログを書いている。わめぞblogに「雑司が谷白想」を不定期連載している。祖父母の家が本屋だったと聞いたこがある。昔は歌人だったと聞いたこともある。そして今は書店で働いている。集まる情報の繋がらなさのもどかしさ。この人は何者なのか、知りたくて飲む。学生の頃書いた小説の話、歌人になったきっかけとやめたきっかけの話、文章を書くことの話、本屋で働くことの話。聞けば聞くだけ、なるほどとも思い、でもどうしてとも思う。目の前にいる人は小柄で華奢な女性なのに、深くて暗い海の底で泳ぐ大きな魚のようだ、となぜか思う。
