断片日記

断片と告知

羽鳥書店まつり、その後

2月11日から14日までの4日間、駒込大観音で開催された「羽鳥書店まつり」。その打ち上げに呼んでいただき、夜、西日暮里へ行く。大きな居酒屋の大きなテーブルを3卓、羽鳥書店、しのばず、そしてわめぞが埋める。カセットコンロの上にはキムチ鍋が置かれ、瓶ビールがどかどかとテーブルを埋め、羽鳥書店さんの乾杯で宴がはじまる。周りを見渡せばあの日の顔がある。手伝いに通った3日間の、雪と雨の寒さの日々を思い出す。
もし古書ほうろうさんが古書組合に入っていて業者の市で本を処分するという普通の方法をとっていたらこの「羽鳥書店まつり」はなかったはずで、あの日の寒かったことも、甘酒のおいしかったことも、雪の中梅が咲いていたことも、早起きして南北線に乗ったことも、何百冊という取り置きの本の山に囲まれたことも、しのばずの人たちと一緒に働いたことも、かじかむ手でおにぎりを食べたことも、打ち上げで再会し飲むこともなかったはず。あの日々から続く今日までの、たぶん一生残るであろう楽しい記憶が脳に刻まれたのは、古書ほうろうさんが自分たちにできる自分たちだけの方法を考え出してくれたからだ。それを羽鳥書店さんが承諾し、大観音さんが場所を提供し、周りの人たちが手伝いを申し出る。それは、古書ほうろうさんがこの地で10年間お店を継続してきたことの、結果のように思う。
打ち上げは、楽しかった。ビールをぐびぐび飲んだ。ミカコさんに珈琲豆をもらった。手伝いにきてくれてうれしかった、とまた言われた。うれしかったのは、こちらなのに。