断片日記

断片と告知

一箱古本市を歩く

古書往来座の瀬戸さん、『HB』の橋本くん、王子と待ち合わせ、池袋から山手線に乗り日暮里まで行く。今日は、不忍ブックストリート一箱古本市の1日目。谷根千の町のあちこちに古本がぎっしりつまった箱が並び、その箱を追いかけながら町を歩く。夕焼けだんだん、谷中銀座を抜け、酒屋で一杯目の生ビールを買い、飲みながら歩く。半袖でもおかしくない陽気、缶ではなく、コップで飲むビールが本当においしい。一箱古本市1軒目の大家、古書ほうろうさんをのぞく。谷根千ウロウロさんとすれ違う。帳場で働くミカコさんに手を振る。スタンプラリーの判子を押してもらう。
古書ほうろう横の狸坂をのぼり、突き当たりを左折。2軒目の大家、旧安田楠雄邸が見えてくる。ここでは、わめぞの豆ちゃんとU-SENが古書パタリロの名前で出店している。お買上げの方希望者にはクックロビン音頭を教えます!、を売り文句にしていたが、まだ希望者は現われないとのこと。すぐ近くの3軒目の大家、千駄木の郷で、先に周っていた古書現世のパロパロ向井とハルミンさんと合流する。ハルミンさん原作の映画「私は猫ストーカー」の中で、主人公のハルが住むアパートを教えてもらう。さらに並びの羽鳥書店でナンダロウさんと落ち合う。羽鳥書店の中では、山口晃さんの『すずしろ日記』の原画が展示されている。
ナンダロウさんお薦めの、団子坂上蕎麦屋で昼飯を食う。小上りに総勢7名、瓶ビール、ざる蕎麦と丼もののセットをみな頼む。食べていると谷根千ジョージ・ルーカスが入ってきて驚く。ごついサングラスを外すと、思いのほか目が優しいのにさらに驚く。マサ斎藤に似ているよな、とパロパロ向井が店から出た瞬間につぶやく。
4軒目の大家、往来堂書店で笈入さんにご挨拶。5軒目の大家、クラフト芳房さん近くで寝床やさんとすれ違う。根津教会、ギャラリーKINGYO、COUZT CAFE 藍い月、と箱を周り、芸大そばの市田邸で最後の箱を見る。谷根千の、大きな通りも、裏通りの細い道も、どこを歩いても人が溢れていた。一箱だからとか、根津神社つつじ祭りだからとか関係なく、この町の人を呼ぶ力は何なのだろうと思う。谷中霊園を抜けて帰る。3時間ちょっとの谷根千歩き。