断片日記

断片と告知

リュウグウ

埼玉県の桶川から雑司ヶ谷まで、王子が自転車で帰ってくると知り、テープカットで迎えようと、紙テープを買いに行く。池袋パルコの画材屋、世界堂、にはなく、西武のロフトで紙テープを見つける。商品名は、観光テープ。リュウグウ、とカタカナで印字もしてあるが、リュウグウは竜宮だろうか。ピンクの紙テープを買い、雑司ヶ谷旅猫雑貨店の前に行く。紙テープは一本だと寂しいので三重にする。テープの片方を旅猫旦那さんが持ち、もう片方をわたしが持ち、古書往来座の瀬戸さんが正面に立ちカメラを構える。ぶちっ、と以外に重い音をさせながら、立ち漕ぎで現われた王子がテープを切っていく。桶川から雑司ヶ谷まで、荒川土手での休憩を入れて6時間。尻が痛いと言う王子と、瀬戸さんと、そのまま雑司ヶ谷「アミ」に初飲みに行く。途中、初仕事帰りのうーちゃんも加わり飲みつづける。なぜだか皆ひどく酔っ払い、ひどく熱い会話もしたが、所々の記憶がない。次の日、撮った記憶がない、と言いながら瀬戸さんが見せてくれた写真には、「アミ」の狭い店内で満面の笑みでテープカットをするわたしと、テープに絡まる王子が写っていた。