断片日記

断片と告知

タイ料理屋のテーブルに散らばる、食べ終わって空いた皿を、わたしの分と自分の分と、大きさ別にきちんと重ねていく。本当はすぐに洗わないと嫌なんだけど。そんなことをつぶやきながら。幾度も食事を共にしながら、いままでわたしはこの人の何を見てきたのか。こんな小さなことも知らずに、何を見て知った気になっていたのか。目の前に座る、知っているはずの人の、知らない顔を見つめながら、残った生ビールを飲み干す。