断片日記

断片と告知

査定

ポポタムで店番をしていると、はっちこと橋本くんが遊びに来たので飲みに行く。昨日今日と2日連続、橋本くんとは飲んでいる。仕事帰りアトリエ帰りにまっすぐ家に帰りたくないとき、飲みに付き合ってくれる気の置けない友人がいるのはとてもいい。昨晩は、池袋駅近くの酒場で飲んだくれ、帰り道缶チューハイ片手に夜の散歩をし、大きな寺の境内に落ちていた子供用のゴム毬でバレーボールをし、明治通りに架かる歩道橋の上から道路工事現場に浮かび上がる怪しいマスコットを眺めたのは覚えているが、次の日起きてみるとジーパンの膝が泥だらけなのがわからない。
今日は目白駅そばの日高屋で飲む。昨晩の話を聞くと、寺でこけてましたよ、あの膝蹴りはひどいですよ、と言われる。どちらも全く覚えていない。橋本くんはいま部屋の大掃除中で、ダンボール5箱分の本を古書往来座に売り、査定の結果をいまかいまかと待っている。しばらく飲んでいると橋本くんの電話がなる。え、そんなに、とうれしそうな声をあげている。買い取りの価格は思っていたよりだいぶ高かったようで、電話を切った瞬間、メニューを見はじめ、あれもこれも酒もと頼みはじめる。