断片日記

断片と告知

古本屋ウララ

今年10月、沖縄の日本一狭い古本屋「とくふく堂」が閉店し、その跡地を受け継ぐ形で、「市場の古本屋ウララ」が開店した。ウララの店主は、元ジュンク堂の書店員で、わたしが池袋店で働いていたとき、とてもお世話になった人だ。池袋店から沖縄店へ、その後ジュンク堂書店を退職し、沖縄で古本屋を開く、と聞いたときは驚いた。彼女が書店を辞めたことも、東京には戻らず、沖縄で古本屋をはじめたことも。
彼女のために何かできないかと考えていたとき、誘いのメールをいただき、沖縄の一箱古本市の開催に合わせ、『もの食う本』ミニ原画展の開催が決まった。
『もの食う本』ミニ原画展は、わたしから古本屋ウララに贈る、ささやかな開店祝いだ。ひとりでも多くの人が古本屋ウララを知ってくれますよう、訪ねてくれますよう。
原画展の搬入を兼ねて、わたしも来月古本屋ウララをはじめて訪ねる。沖縄で彼女に会うのも、彼女の作った古本屋を見るのも、楽しみでならない。まだ池袋店で働いていたとき、庄野潤三の『夕べの雲』の面白さを教えてくれたのは、そういえば彼女だった。

***武藤良子『もの食う本』ミニ原画展***
『もの食う本』(木村衣有子・著、ちくま文庫)の表紙と扉絵のミニ原画展です。
2012年1月22日(日)、珈琲屋台ひばり屋で開催される「一箱古本市」との連動企画です。
■期間
2012年1月22日から2月22日まで
11:00-19:00
火曜日定休
■場所
市場の古本屋ウララ
〒900-0013
沖縄県那覇市牧志3-3-1
牧志公設市場の向かい
武藤良子『もの食う本』原画展:市場の古本屋ウララ

雑誌『なごみ』2012年1月号から、平田俊子さんの新連載、「気がかりな町」がじはじまりました。第1回目は中野区の鍋屋横丁。平田さんの書く「気がかりな町」の後をつけるようにして、わたしもカメラ片手に町を歩き、わたしの気がかりを絵にしました。本屋さんでぜひ見てみてください。
淡交社