断片日記

断片と告知

十二篇、はじまりました

ブックギャラリーポポタムでの展示「十二篇」は、文筆家・木村衣有子さんの書く文章に、わたしが装画のように、挿絵のように、絵を描き、会場を1冊の「十二篇」という本にして見せる、木村さんとわたしの二人展だ。
二人展ならば、気持ちも責任も二分の一になる、というのは逆で、どちらかと言えば、二倍かそれ以上になる。
木村さんの書く十二篇を、何度も読み、絵にしていく。どの箇所を絵に描くか悩み、木村さんの文章はいいのにね、と言われたらと頭をよぎる。文章と絵の二人展。はじめての試みは、いつも怖くて仕方がない。
ギャラリーを一冊の本に見立てる展示を考えたのは、デザイナーのto-kichiさんだ。いくつか出していただいた案の中で、おすすめ、でも武藤さんが大変、と書かれた走り書きを見て、大変さよりも面白さが勝ってしまった。
ギャラリーの壁には、原稿用紙に見立てた罫線がひかれ、その間を「十二篇」から抜粋された手描きの文字が埋め、挿画のように絵が貼られている。パソコンで打たれた文字の「十二篇」と、手描きの文字の「十二篇」では、読んだ印象が不思議とずれる。出てくる女たちの、性格さえも違って見えるのはどうしてなのか。気持ちにひっかかる言葉が違うのはどうしてなのか。
ギャラリーとペーパーの「十二篇」、どちらも楽しんでいただけると、とてもうれしい。時間をかけた分、展示がよくなるとは限らない。でも、この展示は、できればたくさんの人に見ていただきたい。こんな展示見たことがない、と思っていただけたら、とてもうれしい。

二人展『十二篇 』
木村衣有子 武藤良子
■日時
4月4日(水)から4月14日(土)まで
12〜19時 最終日は17時まで
4.9(月)のみ休み 
■場所
ブックギャラリーポポタム
171-0021 東京都豊島区西池袋2-15-17 
ブックギャラリーポポタム
企画:ポポタム
展示デザイン:to-kichi , Harenichi