断片日記

断片と告知

牧神

今日は1日絵を描かないと決める。煮詰まっているので、気分転換をしようと思う。
渋谷へ。オディロン・ルドン展へ。目玉、気球、骸骨、頭、横顔。「悪の華」の表紙の絵。ルドンの使うきれいな黒。どれも良かった。
小学生の頃、スイミング教室に通っていた。プールに行く途中にあった「牧神」という喫茶店。黒い絵の具が垂れ下がったように書かれた店名も、飾り窓に掛かっている絵も怖くて、入ったら2度と出て来れないに違いないと思っていた。別の道を通ればいいのに、何が気になるのか、その前をよく通った。飾り窓に掛かっていた絵は、ルドンの「沼の花」。沼から植物が生え、その先に首がなっている例のやつ。その頃はルドンなんて知らず、心霊写真を見るようにその絵を見ていた。新倉イワオの「あなたの知らない世界」もルドンの「沼の花」も一緒だった。怖いのに見ずにはおれない。暗い魅力のあるものたち。あの頃のように絵が見れたらなとたまに思う。
青山へ。HBファイルコンペ副田高行賞受賞の三谷孝幸さんの個展「Home」へ。ドローイングだと思っていたら、版画だった。自由な色と形が見てて気持ちがいい。
気分転換は出来たのだろうか。また明日からアトリエにこもる。