断片日記

断片と告知

石鹸

久しぶりに目白台の銭湯「月の湯」に行く。お湯につかりながら銭湯全体をぼんやりと見渡す。あの4月の古本市が嘘のように感じる。
洗い場で乾布摩擦のように手足を手拭いでこすっていると、隣で体を洗うご婦人に「お使いになりませんか。」と石鹸箱を差し出される。全く知らない人なのに、今日たまたま隣で体を洗っていただけなのに、自分の使っている石鹸をさっと差し出す、その自然な態度に心が痺れる。銭湯って、たぶんこうゆうことを学ぶ場所でもあるのだ。そんなことされたら、私も誰かにそんなことをしたくなるじゃありませんか。
番台に座る女将さんと話す。まずは古本市のお礼。そして最近の月の湯のこと。あれからイベントで使われる機会が増えたこと。1番近くの銭湯「浴場熱海」がビルの建て替えのため廃業したこと。
月の湯」は現在週3日、火・木・日曜の営業です。それ以外の空いている日は、イベントなどで借りることも出来ます。町の中にある、小さな銭湯です。いつまでも残っていて欲しいので、これからも何度も通おうと思います。
月の湯・雑司が谷 Pick Up