断片日記

断片と告知

印税のばか

外市、2日目。晴れ。今日も朝から暑い。日曜日の朝は、いつもゆったりとはじまる。マニアの方たちよりも、近所の人、通りがかりの人、そして初日に来れなかった人たちが、ゆっくりと本を見ていく。初日の、これぞ古本市、といった雰囲気も悪くないが、2日目のゆったりした感じのほうが好きだ。こちらの方が、「わめぞ」には似合っているような気がする。
「死闘篇」の売上もなかなか好調。2日間で50冊近く売れたようで、まずは良かったと、ない胸をつるっと撫で下ろす。だがしかし、わめぞの金庫番・立石書店の牛さんからは、もっと売ってこい、と指示が飛ぶ。もっと売れたら印税だしてやる、1冊2円な、と言われ、ってことは、100冊売れても200円ですか、200冊売れても400円ってことですか。225冊売れないと銭湯にも入れないってことですか。「印税」ってもっと華やかな言葉だと思っていましたが、こんなに貧乏くさいものだったとは知りませんでした。印税でマンション買ったとか、ポルシェ買ったとかは、どこか遠い国のお話なのですね。
「死闘篇」の売れ行きと同じくらい懸念していた今回のワタクシのイチオシ本「男同士のSEXマニュアル」ですが、ゲスト書店・BOOK ONNの中嶋さんが、あっさりとお買い上げくださいました。中嶋さんは、アホアホ本の第一人者でありまして、「男同士のSEXマニュアル」も、そのアホアホ本の1冊として選んでいただきました。落ち着くべきところに本は落ち着くんだね、というハルミンさんの名言が全てを語っております。
ahoaho-expo
そして、夕方、あともう少しで閉店の時間というときに、一天にわかに掻き曇り、突風のち雨粒という、本には最悪の展開に。ビニールシシートをかぶせ、濡れない場所に移動しつつ片し始め、そのまま今回の外市は終了いたしました。ご来店いただいた皆様、「死闘篇」を買ってくださった皆様、はじめて会った方も、そうでない方も、ありがとうございました。次回の外市は、11月。でもその前に、早稲田の青空古本祭り、そして月の湯古本まつりもあり、この秋は、大盛りつゆだく玉つきでおしんこもつけてね、といった「わめぞ」をどうぞよろしく。
夜は、いつもの居酒屋で打ち上げ。「死闘篇」の売上は良かったものの、その他の自分の古本がイマイチ売れなかったのを「チョモランマ」のせいだ、と製作者の瀬戸さんに八つ当たりをする。荻原魚雷さんも、魚雷さん専用外市機器「ホンドラベース」を使って出店していて、これも売れるまでに時間がかかったんですよ、と瀬戸さんが言う。確かにそうかもしれない。瀬戸さんの作るものは、マッドDIY瀬戸さんが作っただけあって、なんとも言えない癖があり、乗りこなすのに時間がかかるのだ。今後、どうやってこの「チョモランマ」を乗りこなしていくのか、それが当面の「外市」の課題になりそうだ。